無垢の博物館
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漱石の苦悩と谷崎の耽美を併せ持つ傑作。 帯に書かれた『壮大な愛の墓標』という言葉が実にピッタリと嵌まっている。 正直な話、これほど上等な小説に☆ひとつのレビューが付くというのは理解に苦しむ。 リアリティーが欠けるだの、主人公が身勝手で偏執的で気に食わないなどという批評は、この小説の出来映えになんら瑕疵を与えていない。 この作家の指向として、本全体がまわりくどい文体ではあるが、じっくり読んで、長い螺旋階段を降りるように登場人物の心情に浸ることが楽しみかたの一つだと思う。 映画化とかしたら嬉しいなぁ。 | ||||
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面白いといえば、面白いです。 ただ、期待しすぎていたのか・・・ちょっと物足りない感はあります。 もし、イスタンブールに行かれる予定がある方は、ご旅行前に是非この本を! 現地にある無垢の博物館が、何倍も楽しくなりますよ! | ||||
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この本にはイスタンブールの町のことがかなり書かれているという。もうすぐイスタンブールに行くので本を読んでおけば興味も増すだろうと思った。外国に住んでいるため日本語訳を購入する時間がない。それで英訳を読んだ。3分の1くらい読んだところで読むのが苦痛になった。初めこれは翻訳がまずいためかと思ったが、よく読んでいくとそのためではないらしい。 まず主人公の一人よがりが目立つし、何よりもフュサンの性格も顔立ちもあやふやで、美しさの形容も「美しい、美しい」というだけで、文章自体が下手なんじゃないかと思う。この坊ちゃんみたいな30男に数回会っただけで(しかも処女の若い女性が)身を任せたのが理解できない。主人公がそれほど魅力あるとは思えない。読んでいてイライラするばかり。人物がかろうじて書けていると思うのは主人公の母親とフィアンセくらいである。 そのあと延々と続くフュサンへの思いのたけも読んでいてバカらしくなるばかり。フュサンが他の男と結婚したあと足しげくその家に通うけど、ここで主人公とフュサンの緊迫した関係が伝わってくるなら未だましだが、その辺の空気もさっぱり伝わってこない。 私は読書歴40年、どんな作家も失敗作はあると思うけど、失敗作は失敗作なりに文体は変わらないものだという事は知っている。せめて文章自体が楽しめるものだったらよかった。 文中とつぜん「無垢の博物館」(この博物館は実際にイスタンブールにある)のことが出てくるが、作者ははじめからこの本の出版のあとで、同名の博物館を建てようという目的があったようだ。こんな目的で文中に出てくる博物館の記述もしっくり来ない。 | ||||
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不倫女性の顔、肉体、風姿、そういうものがまったくでていない 狙いじゃなく、書き方が下手なんだとおもう、 筆のさえはところどころある 華麗さ、流れ、利発さ、濁りのなさ、そういう点では文章はいいといえばいい、 だがストーリーに機能しない以上、無駄といわざるをえない、 著者は恋愛を描きたいらしいが、恐らく経験が不足している 男女間のことは、正直にないならない、とあらわさないとすぐにばれてしまうもの、 イスタンブールのとりわけ裕福な家庭に育ち、十分な資産と立派な父と美人の母とのあいだで育ち、なんにも苦労をしていないと、おいしいところが拾えない 読むほうは、おいしいところを探してる、 それが見つからない、不満に思う 少しよくなるかな、と思えると、家庭環境ゆえの、 そして本人の男としての生き様のふがいなさ、 他人まかせ、血筋まかせ、財力まかせでなんとなく問題をきり抜けてきたことがあからさまになる、この男は自前で問題を解決しないし、そもそも話に問題があまりないのだ 男性としての魅力のない人間は、主人公をそのように生かすしかない 逆の方向に行っても嘘臭くなるだけ、著者は自分をいつわっている あるいはノーベル賞をとって怖いものなしになった それは欺瞞で、読み手のいうのはその時点からむしろ大挙して冷静に著者の力量を推し量ろうとするもの、そうする必要もないほど、 見事に馬脚をあらわしてしまった 不倫相手の家族とひとつ屋根の下にいたら、家族は直感でわかってしまうよ、 で、殺そうとするかもしれない、これがんぼくのいう「問題」、 それをどう切り抜けていくかに男の器量が試されるということになる、 著者はイスタンブールのことをいろいろ書いている、 ぼくはぜんぶ違うように思う 著者はヨーロッパに生まれたかった、生粋のヨーロッパ人に、 イスタンブール生まれではしょせん偽者なんだ、といって礼賛しているふしがある、 著者の姿勢は東に背を向けっぱなしで唯一の人類ヨーロッパ人ばかり見ている、 イスラムなんてないも同然、しかし朝の五時から一区画で数十もあるスピーカーでコーランの一説らしい朗読で朝もオチオチ眠れない町でしょう? 著者の書きっぷりから、日本が全盛のころ、東南アジアが日本を見習え、と羨望のまなざしを送っていたことを思い出す、あるいはなにかにつけ批判的な隣国を思い出す、 憧れと嫉妬と、両者は同根で、結局自分の国を冷静に見ていない 憧れの国も嫉妬の対象も、そのじつたいしたものではない、 著者は自分の思いとは恐らく反対に、ヨーロッパの連中から「御しやすい優男」と見られ、ノーベル賞を送ってイスラム圏を黙らせようかという魂胆に気づいていない 主人公に危険がないところに物語の駆動力は生まれない、 危険につながる要所要所で著者は著者の母親や父親がそうしたように、危険の芽を摘んでしまっている 最後にひとひねり加えてみせても誰かの受け売りだな、とすぐにわかる またマルケスの模倣と思われるような文は、自分なら許されるという慢心だろうか、 いただけない、 全体としてきわめて低調であり、ハーレクインのほうが物語としては上質である 救いは、訳がいいということ | ||||
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傑作『雪』に続く新作小説。前作同様、定評があるという英訳で、と思ったが長さに気圧されて翻訳で読みました。 遠縁の娘に恋をして、婚約者も捨て、彼女との愛の実現を求めて、すでに結婚してしまった彼女が両親と住む家を何年も訪れ続ける、良家の青年。その何年もの苦しい思いが、さまざまな角度から描かれ、ときには延々と続く描写に、読者も主人公とともに身もだえしながら読み続けることになる。 そして描かれているのは、愛、であると同時に、現代トルコの貧富の差、不安定な政情、そして近代化によって変貌していくイスタンブールの町、人々の価値観、セックス観、風俗。それらすべてに哀惜を込めながら、彼女の家から盗み出す小物、当時を伝える絵画、写真などのコレクションによって、博物館を作ることを主人公は志すようになる。 作者本人も実名で出てきて、前作『雪』を退屈な小説と言われた、などと書くお茶目な遊びもある。トルコ現代史に愛を込めた全体小説と、哀切なラブストーリーを同時に実現した佳品ですね。 | ||||
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