新しい人生
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あらすじ
「ある日、一冊の本を読んで、ぼくの全人生が変わってしまった。」工科大学に通う平凡な大学生だった主人公は、美しい女子学生ジャーナンが持っていた本を古本市で購入し、その本の圧倒的な力にすっかり魅了されてしまう。主人公はジャーナンに心を奪われるが、ジャーナンの恋人メフメットが突然の銃撃事件で撃たれ、直後に二人は現場から失踪する。二人が自分と同じくその本によって人生を狂わされたことを知った主人公は、二人の行方と、本に記された「新しい人生」を探し求めて、長距離バスを乗り継ぐ旅に出る。やがて再会を果たした主人公とジャーナンは、メフメットを追ってトルコ全土をめぐる旅を続ける中で、銃撃事件の背後に、トルコの西洋化に抵抗する秘密組織の存在を知る―。刊行時にトルコで史上最速の売行きを達成した、ノーベル文学賞受賞作家の小説第五作。(「BOOK」データベースより)
外部リンク
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評判
新しい人生の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
新しい人生の総合評価:
8.00/10点 レビュー 7件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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特に前半の書きっぷりはいい、
美しい女子学生の恋人が銃撃され、撃った男が逃げていくくだりは、「ひょっとしたら」という期待さえ抱かせてくれる
だが、例によってというべきか――ぼくは時間的に遡りながら読んでいる――、謎をちりばめ、時間を意識的に前後させ、寓話的なバスの事故が何度も起こり(バスの旅というのはトルコの特殊事情によるもので、それに関してもっと解説で触れるべきだった)、死者から金をむしりとるという悪行を重ねるうち、肝心の「本」という中心軸がだんだんぼけてきて、
余計な水増しと自分勝手な迂回とでふやけていき、最後にはこんがらかった糸をほどく自信がなくなったのだろう、いつもの「ひとひねり」の後、現場から逃げて読者にまかせる、しかも自分は悪くないとばかりに不要なエピローグを最後にくっつけて、物語を葬ったばかりか、居直っているのだった、
読者への彼のメッセージが聞こえてくる――わからなければ、それはあなたが悪いんです
実際には、著者の構築能力が劣り、話が広がっていくにつれ、論理だけでは収束に至らないことが明らかになり、著者にとって制御不能な情動が予想以上に暴れて抑えられなくなり、ややがさつな責任回避に打って出たということだ
生き方をがらっと変える「本」、それは親戚の書いた絵本のことなのか、その他の作品なのか、それともいまあなたの読んでいるこの本なのか、必要なのはチェックを入れる選択肢ではなく、ズバリ何か、のはず
それをあえて書かずに読者の想像にゆだねるという手法は、実際に読者がいかようにも想像できるよう適切に書かれた場合にしか機能しない
著者は(いつものように、)伝統的なイスラム世界から、キリスト教を背景に資本主義化を推し進めれば「新しい人生」がやってくる、と本気で考えているおめでたい人の枠を出ていない、それは単に財力で物事を解決できない貧者とは立場の違う自分(および属する階層)がより物質的な満足を追求するにはイスラムは足枷に過ぎないと主張しているだけに思われる
つまりはヨーロッパ人にとってまたとないイスラム圏の優等生であり、涎をたらして待ちごがれる東に在住する西のスポークスマンということ、
何かもっとひとまわり大きな不可解なものをとらえる力が、この俊英ともいえる上質な知性に宿ることはないのだろうか
著者は結局のところ情感に訴えることができず、論理を組み立てることしかできていない、天賦の才に恵まれたというより予習復習上手の小さな真面目人間の印象を受ける
相変わらず肝心の女性が描けていない、そして笑いがない
翻訳はこの作品の雰囲気とあっていると思うが、ところどころ意味の取れない箇所があった(「の」の多用など)、また文法的な誤りも見つかる(主語と使役動詞の呼応関係など)、致命的なのは校正ミス、少なくとも3箇所はある(「にに」他)、
これは出版社の編集の弱さをあらわしている