隠された悲鳴
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「ラスト10ページ、あなたの耳から悲鳴が離れなくなる。」 この謳い文句に期待し、今すぐ読みたい欲に駆られて電子書籍で購入。 Kindle右下の進捗状況が「80%......85%.......90%......」と表示されていく度に高まる期待。先を急ぎたい焦りと、物語を味わいたいという相反する気持ちを抱えながらスワイプしていき、遂にその時が......!! 「99%...100%....『移動する前に....』」 .....終わった。本文どころかKindle自体も終わった。 正直、読書中にラスト10ページっぽい箇所には気付いてはいた。 ただ「いやいやまさかこれが ”耳から離れない悲鳴”??にしてはアッサリ過ぎない?.......あ、巻末に著者インタビューがある。もしや、著者ユニティ・ダウ.......貴様が儀礼殺人の......!!!!」 (ユニティ・ダウ)「人権問題に取り組むということは、.....両立しえない価値観や利益を持った人々が調和して暮らすことができる状態を......創造していくことだと思っています。終」 うん。めっちゃ良い人。 クライマックスがあまりにもアッサリ過ぎて、著者インタビューまで疑って読んでしまったよ☆ というわけで、星2つでーす!! 以下は自分なりの気付きについて書き殴っていきますー。 個人的な感想を公開する完全自己満足型のレビューですので、お暇なときにでも。 【気付き1】 ・日本で生まれ育った自分が、いかにアフリカ文化(ボツワナ)と接点が無いかという気付き 登場する人名の馴染みの薄さは当然のこと、美人とか欲の肥えた権力者も登場するのだが、どのような容姿なのかが上手く想像できない。読書中どのような人物像を思い浮かべたかは上手く説明できないが、褐色の肌を持った人物では無いのは確かだった。インターネットで世界が近くなったとはいえ、自分が触れている情報やイメージは間違いなく偏ったものである。これは小説だからこそ意識的に自覚させられた。ただただ反省だよ。 【気付き2】 ・僕、間違いなく"リアリティ"への不感症を患ってます 内容の感想は既に述べたとおり。ここでは「なぜ自分がラストを面白く感じなかったか?」についてもう少し語ってみたい。 この本を読みたいという衝動に駆られたのは間違いなく「ラスト10ページ.....」の謳い文句と、現実に存在するショッキングな題材である儀礼殺人。ノンフィクションとフィクションの間に位置するような本書を、怖いもの見たさで読んだ。しかし物足りなかった。 それは日々、インターネットサイトやSNS等で「現実の残酷さや人間の怖さ」を動画として目の前に提示されているからだと思う。 現実に、2020年5月現在で思い出せるだけでも、香港警察の市民への発砲や、アメリカ警察による黒人市民を膝で首元を押さえつけ窒息死させる等々、現実の殺人行為がSNSにどんどん流れてくる。そこには現実に殺人する者と殺害される者が映されており、僕には言葉では言い表せないような黒く澱んだものが気持ちに沈んでくる。 本書のようなノンフィクション風フィクションは、現実の残酷さ・理不尽さを伝えることを1つの目的としていると思われるが、"現実"に近づけるという性質上、"現実"を超えることは出来ない。そしてその目的は現代では動画や写真に取って代わられている。もう僕は「リアリティ」では納得できないのだ.......。 なぜ自分が面白くないと感じたのかをざっと書いてみた。今後は「ノンフィクション風」は手に取らない。怖いもの見たさを読書でする時は、間違いなく「ノンフィクション」を選ぶだろう。小説の受難の時代を肌で感じた読書体験だった。 終わり | ||||
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登場人物達の、各々のエピソードがボツワナの現実を浮かび上がらせる。でもそれは同時に人間の普遍的な業でもある。 本当にラスト10ページで息が詰まりそうになった。 | ||||
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すごいです。「ラスト10ページの衝撃」とあらかじめ聞いていても、すごいショックだった。強烈な読書体験になりました。 中島らも『ガダラの豚』でブラックアフリカの呪術が描かれましたが、本作は現地の当事者がそれを書いたものです。不思議なことは起きませんが、恐ろしいことが書かれています。 トマス・ハリス『羊たちの沈黙』とも似てます。異常な殺人にたった一人で立ち向かう女性訓練生。クラリスが対峙したのは米国の巨大な消費社会が生んだ異常心理でしたが、アマントルが立ち向かうのはボツワナ社会を支配する権威主義と呪術です。そして2人とも、男性優位社会の壁に苦しみます。(しかし後半、アマントルには力強い仲間たちが現れます) オカバンゴ・デルタの美しい自然描写、少しでしたが良かったです。今は世界のどこにも旅行できませんが、心が慰められました。 無惨な犯罪を描いていますが、ヒロイン・アマントルの強さ、ユーモア、若さには救われます。作者さんはボツワナの閣僚で運動家だそうですが、真理と正義を信じている政治家が、いて、このような優れた小説を書いてくれたことをありがたく思いました。 | ||||
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過去にアフリカに製品を納める仕事をしたことがあり、何度も現地に出張したりして、アフリカのことをそれなりに知っているつもりになっていたが、この本を読んで、古くから残るしきたりや社会の仕組みなど、知らないことが多くあるのだと気付かされた。 物語はフィクションの形となっているけれど、書かれている内容は、現在もなおアフリカに残る考え方や社会の仕組みであり、それがいち早く正される道筋が思い描けない (遠く離れた国の第三者の外国人では何もできない) ことに無力感を感じた。 このような本が契機となり、是正が早く進むことを祈りたい。 | ||||
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序盤から犯人が分かっている状態で、どのようにしてサスペンスとして仕上げていくのか、とにかく不思議で、興味津々で読み進めた。 読み進めていくうちに、アフリカの人々の暮らしや信仰などの文化、行政機関の情勢など、少しずつ背景が掴めていく中で、どうしてもストンと理解しにくい部分がいくつもあった。これこそカルチャーショック! 貧困者から権力者に至るまでに浸透している呪術への強烈な信仰、理不尽なこともまかり通ってしまう権力の圧倒的な支配、時間や制度など予定通りに進まないことが前提になっている日常…。 今回取り上げられた儀式殺人の事件も、そういった土着の文化特有のもの。訳なく残虐な死を当てつけられた少女を無念に思う現地の人々と、読者である私の気持ちには、かなり受け止め方の違いがあるだろうなと思えてしまう。 それでも、現地の方々の感覚としても、「決して認められるべきではない」と考えられている儀礼殺人が、なぜ、どのようにして、強引に隠し通すことができたのか。その謎に迫る、アマントルを筆頭にした若い女性たちの奮闘ぶりには、アフリカ(ボツワナ)がこれから変わっていくべき未来を垣間見た気がした。 それなのに…まさかの驚愕のクライマックス!あまりに衝撃的で、一瞬頭の中が混乱した。そして、ただただ絶句…。結末ありきで思い返すと、確かにしっかり伏線が張られている…。悲しくも、非常にリアルで妥当な結末になっていたと思う。暗く分厚い未開の文化は、そう簡単には終わらない。1つのストーリーの中に、これだけのアフリカの実情を見事に描ききり、絶妙かつショッキングに読者に発信した筆者に感服するばかり。 サスペンスを通して、これだけ異文化について考えることができたのは初めてかもしれない。まずは現地のリアルを見つめること、現地のよりよい未来に向けてできることは何かを考える、しっかりとした問題提起になっていると思う。国境も世代も超えて、たくさんの人に読んでもらいたい。 | ||||
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