(短編集)

これはペンです

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種別
短編集
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あらすじ

2014年02月28日 これはペンです (新潮文庫)

叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた――。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。(「BOOK」データベースより)

評判

これはペンですの評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク

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これはペンですの総合評価:

6.86/10点 レビュー 21件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.21
(5pt)

姪との関係性の中で、「輪郭」を形成しつつある叔父の話

気になってはいたが、読めてなかった本で、最近読みました。
非常に面白いが、他社の反応を調べたところ、評価が二分していることに興味をそそられたので、レビューします。

芥川賞選評会のなかでも意見が分かれたことが有名らしく、それだけ評価が難しい本なのだろうと思います。
村上龍さんがDNAの記述に誤りがあると言っておられたらしいですが、これは誤解ではなかろうかと推察します。
DNAだけでできたウィルスは考えられない、みたいな文章が小説内でみられるが、これは、文字通りDNAのみで構成されたウィルスは存在しないと言っているのであって、細胞に侵入するためのタンパク質等でできたインターフェイスの存在を欠いたウィルスは存在しないだろうということを言っていると思われます。村上氏は、これを曲解したのではないかと愚考します。
ただ、いずれにせよ、そのような些末な事象を取り上げて、全体の評価を決定づけるというのは短絡的なようにも思えます。
※この芥川賞周辺の議論を読んでみましたが、芥川賞選評委員会の構成員にもっと多様性を持たせた方が良いかもしれないですね。所謂、老害みたいに言われている石原氏みたいな人もいる一方で、がちがちの理系作家や、フェミニスト女性作家、10代の若い作家、ホームレス読書家など、カオス空間にしちゃえばいいのにと勝手に思っています。

また、難解だと言われているようですが、恐らく以下のポイントが要因のように思います。

・複雑系や情報科学(プログラミング言語だけでなく、より広義の意味で、例えばDNAや自然言語、身体言語を含む)、脳科学あたりの知識を知らないと分かりにくいかもしれない。
・物事をフラットにみる視点が不足していると読みにくいかもしれない。つまり、相対化できる能力。これはどの純文学にも共通して問われる能力のように思います。
・sf小説やsfアニメなど、sf作品を触れていないと読みづらいかもしれない。ネタバレになるので詳しく言えないが、攻殻機動隊sacシリーズが問題としているテーマと、少し関連があるように思える。また、円城さんとも縁が深い伊藤計劃さんの本なども読んでおくと、入り込みやすいように思える。

ただし、以上のポイントが不明瞭でも、問題としているテーマは音楽や詩歌のように響いてくると思われます。あるいはその不明瞭さそのものが味わいであり、テーマであると言って差し支えないように思われます。だから、そのまま、ありのままに読めばよいのではないかと愚考します。また、関係やネットワークというキーワードを念頭に置きながら読むとより楽しみやすいと思います。

僕は、タイトルのように、叔父が姪との関係性の中で「輪郭」を獲得しつつある物語であると認識していますが、他にもいろいろな見方ができそうなところがこの小説の魅力の一つではなかろうかと思います。
これはペンです (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: これはペンです (新潮文庫)より
410125771X
No.20
(5pt)

姪との関係性の中で、「輪郭」を形成しつつある叔父の話

気になってはいたが、読めてなかった本で、最近読みました。
非常に面白いが、他社の反応を調べたところ、評価が二分していることに興味をそそられたので、レビューします。

芥川賞選評会のなかでも意見が分かれたことが有名らしく、それだけ評価が難しい本なのだろうと思います。
村上龍さんがDNAの記述に誤りがあると言っておられたらしいですが、これは誤解ではなかろうかと推察します。
DNAだけでできたウィルスは考えられない、みたいな文章が小説内でみられるが、これは、文字通りDNAのみで構成されたウィルスは存在しないと言っているのであって、細胞に侵入するためのタンパク質等でできたインターフェイスの存在を欠いたウィルスは存在しないだろうということを言っていると思われます。村上氏は、これを曲解したのではないかと愚考します。
ただ、いずれにせよ、そのような些末な事象を取り上げて、全体の評価を決定づけるというのは短絡的なようにも思えます。
※この芥川賞周辺の議論を読んでみましたが、芥川賞選評委員会の構成員にもっと多様性を持たせた方が良いかもしれないですね。所謂、老害みたいに言われている石原氏みたいな人もいる一方で、がちがちの理系作家や、フェミニスト女性作家、10代の若い作家、ホームレス読書家など、カオス空間にしちゃえばいいのにと勝手に思っています。

また、難解だと言われているようですが、恐らく以下のポイントが要因のように思います。

・複雑系や情報科学(プログラミング言語だけでなく、より広義の意味で、例えばDNAや自然言語、身体言語を含む)、脳科学あたりの知識を知らないと分かりにくいかもしれない。
・物事をフラットにみる視点が不足していると読みにくいかもしれない。つまり、相対化できる能力。これはどの純文学にも共通して問われる能力のように思います。
・sf小説やsfアニメなど、sf作品を触れていないと読みづらいかもしれない。ネタバレになるので詳しく言えないが、攻殻機動隊sacシリーズが問題としているテーマと、少し関連があるように思える。また、円城さんとも縁が深い伊藤計劃さんの本なども読んでおくと、入り込みやすいように思える。

ただし、以上のポイントが不明瞭でも、問題としているテーマは音楽や詩歌のように響いてくると思われます。あるいはその不明瞭さそのものが味わいであり、テーマであると言って差し支えないように思われます。だから、そのまま、ありのままに読めばよいのではないかと愚考します。また、関係やネットワークというキーワードを念頭に置きながら読むとより楽しみやすいと思います。

僕は、タイトルのように、叔父が姪との関係性の中で「輪郭」を獲得しつつある物語であると認識していますが、他にもいろいろな見方ができそうなところがこの小説の魅力の一つではなかろうかと思います。
これはペンです Amazon書評・レビュー: これはペンですより
4103311614
No.19
(4pt)

読み易いがやっぱり理解不能な安定の円城塔

作者にしては読み易いと思うが、でもやっぱりわからないところは安定の円城塔。表題作の文章自動作成装置と言うのは極めて今日的で、大学生がこぞってwebからのコピペで論文をでっちあげてしまう近年ほとんど社会問題化している問題を先取りしているかのように読めた。しかしそこを避けていたら、文学に未来はない、と受け取ったけれど、やっぱり根本的なところで理解不能ではあった。「良い夜を待っている」の方もわからない点では同じだが、私にはより理解し易い話で、人間離れした記憶力を持つ「父」が、それ由に現実に適応出来ない悲哀は、普通の文学のように胸をうつものがあった。これもアスペルガー症候群の人が特定の分野では天才的能力を発揮するが、と言う現実の問題とリンクして、実に興味深く読むことが出来た。こちらの方が傑作のように、私には思える。
これはペンです (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: これはペンです (新潮文庫)より
410125771X
No.18
(4pt)

読み易いがやっぱり理解不能な安定の円城塔

作者にしては読み易いと思うが、でもやっぱりわからないところは安定の円城塔。表題作の文章自動作成装置と言うのは極めて今日的で、大学生がこぞってwebからのコピペで論文をでっちあげてしまう近年ほとんど社会問題化している問題を先取りしているかのように読めた。しかしそこを避けていたら、文学に未来はない、と受け取ったけれど、やっぱり根本的なところで理解不能ではあった。「良い夜を待っている」の方もわからない点では同じだが、私にはより理解し易い話で、人間離れした記憶力を持つ「父」が、それ由に現実に適応出来ない悲哀は、普通の文学のように胸をうつものがあった。これもアスペルガー症候群の人が特定の分野では天才的能力を発揮するが、と言う現実の問題とリンクして、実に興味深く読むことが出来た。こちらの方が傑作のように、私には思える。
これはペンです Amazon書評・レビュー: これはペンですより
4103311614
No.17
(2pt)

「体の方をつくり変えねば決して読めない本もある。」

SF、伊藤計劃との共著、芥川賞、という著者に関するキーワード、および文書自動生成というキーワードから試しに手に取ってみた。
 「良い夜を待っている」内の主人公の言葉、「体を変えれば本の読み方だって変化していく。体の方をつくり変えねば消して読めない本もある。」というのがそのままこの本の感想に当てはまる感じ。私がこの本を真に読もうとするには、色々とまだ足りていないのだろう。今の私の読後の感想としては★2つだが、10年前、10年後に読んでいれば、また印象も、評価も、変わっているだろう一冊。
 手に取ったのが単行本のため中身が文字だけだが、例えばタイプボール等もうあまり一般的ではないものに関してもう少し図とかでの説明があると少しは分かりやすくなるのかもしれない。(だから単行本の表紙に描かれているのかもしれない。)まぁ、途中にそういうのがあると文章のリズム、魅力が失われるのかもしれないが。
これはペンです (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: これはペンです (新潮文庫)より
410125771X

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