髑髏
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短編集
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髑髏の評価:
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髑髏の総合評価:
7.00/10点 レビュー 4件。
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私が持っているディック短篇集は、サンリオからハヤカワ文庫に移植された4冊の「ディック傑作集」と『地図にない町』、それと80年代後半から刊行された新潮文庫3冊である。
ところで「ディック短篇傑作集」の4冊目『変種第二号』には「戦利品」が訳されており、「編者あとがき」に、《これでディックの短篇は(断片的なものをのぞき)すべてが訳されたことになる》と書かれている。6冊目の『人間以前』の「編者あとがき」のなかに、このわずか7行の「断片的なもの」が訳された。つまりこの6冊を読み、ここに収録されていない短篇を探して読めば、すべてのディック短篇を読むことができるわけである。
私は手元にある8冊の短篇集のうち未読のもの、記憶が曖昧なものを読み出した。
そしてさらに論創社の二冊、『人間狩り』と本書『髑髏』に至ったわけである。
ブリコラージュという用語がダヴィッド・ラプジャード『壊れゆく世界の哲学』によく見かけた。ディックの小説(長篇+短篇)を読んでいると、その概念はぴったりくるように思うし、ディックの短篇全体が、そのごちゃごちゃした、寄せ集め的な、わけの分からないものも含んだ多彩さに溢れている。手元のフランス語辞書から「素人(日曜)大工」、「応急処理」といった「ブリコラージュ」の意味を引くことができるが、ラプジャードのディック論は、いわば「ブリコラージュ」をもって、何かこの世の官僚的なものに通じる一切と対置・対決させようとしているような気がする。
本書刊行時、ディック全短篇は完全には訳されていなかった。異なるタイトルの邦訳もあり識別に面倒な部分もあるが、とりあえず(長篇化したものを除けば)全てを読めるのである。
本書の訳者の仕事は尊重すべきだろう。だが中期以降のディック作品への疑問には不満がある。私はディックの凄さ、面白さは初期から最後に至るその総てのなかにあると考える。