都市の遺言
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
都市の遺言の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
都市の遺言の総合評価:
9.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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現在では起こらないと思うが、アナログ電話の時には、稀に他の電話回線と混線する時があった。私も実際に経験した事がある。この混線に乗じて5人の男女が集まった。彼らは混線クラブと名付け、定期的に会話を楽しんだ。
匿名を担保しながら思い思いの事を語り合う。実際には相手を知らない訳だが想像の世界では相手を好意的に作り上げてしまう。話題は会社や学校での鬱憤やお互いの異性関係までに及び、好き勝手な事を話し合った。自分の現実から切り離された仲間達と会話している時だけ別世界を感じられた。
そんな時、一人がメッセージを残して殺人事件に巻き込まれてしまった。混線クラブは5人だと思っていたが、実は、会話に参加しない幽霊会員がいたのだ。そこで、彼らは件の伝言ダイヤルサービスを利用して実際に会い、犯人探しを始めるのである。もちろん、警察も捜査するが、彼らの情報収集力も偉大なものがあったのだから侮れない。
森村氏は、小説の背景を政治や経済や金融などの硬質な舞台にして書くのが得意であることは周知の事実である。だが本作のような今風とも言うべきこの伝言ダイヤルサービスをも小説にしてしまうのだから恐れ入るばかりだ。
想像の空間で集まり馴れ合った5人は、虚像の世界から実像の世界へ戻り、最後は別れ離れになってしまう。実像の世界へ戻れば二度と同じ虚像の世界で再会出来ない事は分かっていたが、仲間を殺害した犯人を捜す為に唯一の楽しみを捨てた彼らも立派である。