ナイト・フライヤー
- 吸血鬼 (64)
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きょうから寝るまえの読書は、ホラー・アンソロジー『ナイト・フライヤー』の再読。スティーヴン・キングの作品だけは憶えている。記憶に残る情景描写を書く作家であるということであろう。キングの「ナイト・フライヤー」のさいごの場面は、記憶していた通りだったが、そこに行くまでの箇所は、記憶してなかったが、読みながら思い出していた。何年さきになるかわからないけれど、また再読するときも同じようにさいごの場面しか覚えてないんだろうな。つぎに収録されているポール・ヘイズルの「昼食に女性を」は、タイトル通りの作品で、とても短い作品だった。途中まで読んで、思い出した。優雅な筆致で残酷な作品だった。「昼食に女性を」のさいしょのページ、大きなくしゃみをして、開いたページを唾で濡らしてしまった。すぐにティッシュで拭いたけれど、ちょっとしわしわになった。でも、時間がたって見てみたら、しわしわがなくなっていた。不思議。よく見ると、波のように、しわしわが残っていた。およそページの4分の1くらい。唾がたくさん出たものなあ。つぎは、デニス・エチスンの「血の口づけ」を読んだのだが、作品のなかの作品というか、脚本仕立ての作中作のアイデアはいいとしても、地の部分がよくわからないもので、作中作はわかるものだけに、読んでて、もやもやした気になった。そのもやもやを解消するために、地の部分を、地の部分だけを、もう一度、読み直した。意味はわかった。怪奇ものではなかった。作中作はゾンビ映画の脚本だったので、いちおう怪奇ものの短篇ということになるのかな。クライヴ・バーカーの「魔物の棲(す)む路(みち)」は、ダーレスの「淋しい場所」を思い出させる雰囲気だったけれど、さいごの場面が唐突すぎて、それまでの物語と乖離しているような感じがした。さいごの場面をどうにかしたら、ずっとよい作品になっていたような気がする。トマス・テッシアーの「餌(えさ)」はホラーといっても、魔物が出てくるんじゃなくて、ただ太った女性が出てくるだけで、食べることに執着した女性に、さいごは男性が圧し潰されて死んじゃうという話。ホラーというよりコミック。M・ジョン・ハリスンの「パンの大神」好きな作家だけに贔屓目かもしれないけれど、幻想系の純文学めいたものに思えた。点数をつけるとすると5点満点で3点かな。雰囲気はある。優れた作家だと思うけれど、M・ジョン・ハリスンの短篇は、長篇ほどおもしろいものではない。長篇はすこぶるおもしろい。デイヴィッド・マレルの「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」を読んだ。これまた読んだ記憶がいっさいないものだった。アイデアがすばらしい。叙述も見事だ。ただ怪奇ものというよりは幻想系だろうと思う。ピーター・ストラウブの「レダマの木」40代の作家が7歳のときに経験した性的体験を中心に物語は進む。ようは、幼児性愛者にいたずらされたことがつづられるのだけれど、そこの描写がけっこう生々しかった。怪奇ものでも幻想系でもなかった。なんでホラー・アンソロジーに入れたのか理由がわからん。チャールズ・L・グラントの「死者との物語」釣りをしている家族と女性がでてくるが、ふつうの会話がなされるだけで、タイトルを見ると、だれかが死者なのかもしれないけれど、そんな雰囲気もなくって、こんなんありなんかいなと思わせられた。トマス・リゴッティの「アリスの最後の冒険」隠遁した女流作家が朗読会で朗読するというのがおもな場面だが、ちっとも怪奇ものじみたところがないシロモノだった。ラムジー・キャンベルの「このつぎ会ったら」自分のことを作家だと思い込んでいて、ベストセラー作家たちが自分のアイデアを盗んで出版していると妄想している男が主人公。ホラーでもなんでもない。つまらない作品だった。ホイットリー・ストリーバーの「プール」を読んだ。これまたホラーでも、幻想系でもないシロモノだ。息子がプールで溺れ死ぬというだけの作品だ。ストリーバーといえば、『薔薇の渇き』、『ラスト・ヴァンパイア』、『ウルフェン』といった傑作長篇を書いた作家なのに。この短篇はよろしくなかった。さいごに収録されていたジャック・ケイディの「暗黒を前にして」これもホラーじゃなかった。戦争のときに悪さをした人物が戦後にノイローゼになり、その友人も狂っていて殺し合うというもの。むかし、『ナイト・フライヤー』手放したのもわかる。 | ||||
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粒ぞろいのアンソロジー。キングの表題作がかすみかねないものが揃っている。マレルの「オレンジは苦悩ブルーは狂気」最高‼️ | ||||
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というタイトルのジョージ・R・R・マーティンの短編集が出ると知って、昔アンソロジーで読んだ気がするなとこの本を引っ張り出してきたら、表題作はキングでした。 そんな作者名もうっかりするほど記憶から薄れていたので楽しく再読。今の方がキングが作品内で作者本人や別の自作の登場人物に触れているような遊び心は楽しめた気もします。 1988年の有名作家たちによる書下ろしアンソロジーで、ナスティに近いものから怪異をはっきりさせない雰囲気重視まで作風は幅広いですが、どれも粒揃い。30年前でも古さは特に感じません。 紹介文や解説であげられている未訳作品やアンソロジーには、後に翻訳されたものもありますが、いまだに日本ではほぼ無名な作家もいるのは残念です。 特に本書の中では、読むのが何度目でも(短編集や他のアンソロジーにも入っていました)ぐいぐい引き込まれた大好きなマレル作品の次に、その文章と迫力に魅せられたジャック・ケイディという作家はもっと読んでみたいのに……。 紹介文の情報だけをみると、もしかしたらホラー専業の作家ではないのかもしれませんが。 収録作は以下。 ダグラス・E・ウィンターの序文 スティーヴン・キング『ナイト・フライヤー』 ポール・ヘイズル『昼食に女性を』 デニス・エチスン『血の口づけ』 クライヴ・バーカー『魔物の棲む路』 トマス・テッシアー『餌』 M・ジョン・ハリスン『パンの大神』 デイヴィッド・マレル『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』 ピーター・ストラウブ『レダマの木』 チャールズ・L・グラント『死者との物語』 トマス・リゴッティ『アリスの最後の冒険』 ラムジー・キャンベル『このつぎ会ったら』 ホイットリー・ストリーバー『プール』 ジャック・ケイディ『暗黒を前にして』 | ||||
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「純粋なホラー」 それがキングの短編のすべてであり、そしてその完成度は ものすごく高い。 本書の表題作「ナイト・フライヤー」もその一つです。 米国各地でおきる残虐な殺戮。 その影に存在する一機のセスナ機。 それに気づいたゴシップ記者。 その記者が最後に目にする光景は、、。 マジで戦慄が走ります。他の短編も上質なアメリカホラー作家群を代表する ものばかり。ぜひ一読を。 | ||||
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