(短編集)
フランクを始末するには
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フランクを始末するにはの総合評価:
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わたしのお気に入りは『凶弾に倒れて』。辛いのか、甘いのか、すっぱいのかよくわからない後味で、癖になる。 しかし、全体的にはこうも言いたくなる。なーんだ、こんなこと20世紀の島国の日本で小松左京や筒井康隆がもうやってるよ。 | ||||
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Antony Mannの『Milo and I』(2003年)の翻訳。 12本を収める短篇集。 いずれも奇妙な味というか、構成や語り口に特徴のある小説ばかりで、こういうのが好きな人は好きだろうと思う。しかし、翻訳がイマイチなのもあってか、私には口に合わなかった。 買い物のリストから犯罪をほのめかす話。ミステリの代作をめぐる裏話。赤ん坊を相棒にしている刑事の物語。豚をペットにしたストーリー。 いずれも一癖も二癖もある。 非常に訳しにくい小説だとは思うのだが……。 | ||||
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奇妙な味の物語に定評があるオーストラリアの職人作家マンの処女短編集です。私が本書を一読して感じた著者の持ち味は、痛烈な社会風刺とブラック・ユーモアです。改めて振り返ると純粋に正義が勝利する物語は冒頭の「マイロとおれ」ぐらいで、後はこっそりと悪事が為されるのを仕方なく見守る形のストーリーが多く実際は暗い話ばかりなのですが、著者の冗談半分まじめ半分の語り口の軽妙さが暗さを目立たなくして救いになっていると思います。また日本版の12枚のイラストを描かれたソリマチアキラさんのお洒落な絵柄も読者を明るい雰囲気にさせる効果があってとても良いと思います。全体的にあっ!と驚かせる様な大きな仕掛けはありませんが、まずまずの捻りが効いたオチでそれなりに楽しめるでしょう。唯ひとつ心配なのは、著者が行き過ぎたマスコミや横行する悪党達を執拗に風刺している事から現代社会に対して絶望を感じられていると推測され、それが寡作である理由なのではないかと思える事です。ちょっと深読みし過ぎで要らぬ心配なのかも知れませんが、ともあれ著者には何時かまた新たなアイディアが盛り込まれた次なる奇妙な作品群を生み出してくれる事を期待したいと思います。 『マイロとおれ』警察の「天真爛漫」計画によって俺の相棒になった赤ん坊刑事マイロがまさかのお手柄を上げるあり得ない話。二人の不思議な掛け合いが堪らなく可笑しく、でも笑いだけでなく中年刑事の俺がマイロを尊敬し羨む姿には滑稽な中にも何処か哀感が漂います。『緑』家に閉じこもる妄想症気味の僕と彼らの緑を巡る奇妙な攻防の顛末。『エディプス・コンプレックスの変種』「チェスの腕前を上げるには自分の父親を殺すべし」という博士の助言に従って父を憎み常勝の道を進む僕が最後に導かれた血みどろの結末。『豚』ある夫婦が富豪夫妻の家に招かれ彼らの溺愛する豚の恐るべき秘密を知って強い嫌悪感に駆られる陰惨な話。『買いもの』6月から9月までの日々の買い物リストが並べられやがて段々とヤバイ気配が・・・・。『エスター・ゴードン・フラムリンガム』売れない作家の私に亡くなった有名作家の代作者の座を巡る仕事の話が舞い込むのだが苦労の末にいろいろとあって・・・・。『万事順調(いまのところは)』八年振りに見つけた憎き薬中毒犯罪者の男に昔の遺恨を晴らそうと静かに近づく私の激情を秘めた思惑。『フランクを始末するには』長生きし過ぎた芸能界の大スター、フランクの暗殺を依頼された殺し屋が一転土壇場で必死の勝負に打って出る。えげつないTV業界に対する痛烈な風刺が効いています。『契約』小児性愛者によって娘を殺された男が、事件を演出してコントロールしようと接近する新聞社の勧誘を頑なに拒み続けるシリアスな一編。『ビリーとカッターとキャデラック』太った男カッターがビリーと一週間での減量を条件にキャデラックを賭けて見事に勝利した尋常でない恐るべき手口とは?『ブレストンの戦法』チェスの法則を解き明かしたと豪語する男ブレストンが遂に世界チャンピオンに挑戦し予想外の結末を迎える。『凶弾に倒れて』親父を拳銃で射殺しながら三年間で刑務所から釈放されTVの寵児に祭り上げられた男に息子が復讐しようと追い詰め今まさに・・・・。 | ||||
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短編集の第一話は重要です。 その点、「マイロとおれ」で大成功。 ツカミはオッケーでしたよ〜。 んもう、キュートなマイロに首ったけです(笑)。 某さんもおっしゃるとおり、どんな秀作でも結局、読み手の嗜好が評価を左右しますが、このボリュームなら、手軽に読めますので、万一「合わん・・・」となってもさほどの後悔はないのでは? (私も「二流小説家」はあまり推さない派でした。) このアントニー・マンさんという方は、ものすごく柔軟な発想と粋な筆力で、「んなアホな!」を「おもしろーい!」へとなかば強引に導く作家です。 楽しい一冊ですよ! (と思います。) | ||||
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ユーモアのある文章は読んでいてたのしかったですが、推理小説としては全部まぁまぁな感じ。。賞をとったものもそれほどのものか?と思いました。解説でも少し触れられていますが、推理小説として読むより軽めの「奇妙な味」の短編集として読んだ方がいいかも。 中で一遍だけ凄く実験的なものがあってそれは中では一番出来のいい物に思えたのでこの路線で進めばもっといい物が書けるのではないかと感じました。 去年絶賛されたゴードン「二流小説家」が習作に感じられたので、推理小説に関する限り、私の嗜好と世間の評価で乖離があるようなのであまり参考にならないかも。個人的にはあまり人に勧める気にはなりませんでした。どうもすいません。 | ||||
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