(短編集)

クリスマス・プレゼント

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初版刊行(参考)
種別
短編集
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7,839回
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6
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38
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あらすじ

2005年11月30日 クリスマス・プレゼント (文春文庫)

スーパーモデルが選んだ究極のストーカー撃退法、オタク少年の逆襲譚、未亡人と詐欺師の騙しあい、釣り好きのエリートの秘密の釣果、有閑マダム相手の精神分析医の野望など、ディーヴァー度が凝縮されたミステリ16作品。リンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」は書き下ろし。(「BOOK」データベースより)

評判

クリスマス・プレゼントの評価:

7.86/10点 レビュー 7件。 A ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.86pt

クリスマス・プレゼントの総合評価:

8.14/10点 レビュー 65件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(9pt)

クリスマス・プレゼントの感想

短編でも次から次へと読ませてくれる。
長編と同様全く期待を裏切らない作品の数々
短編なので伏線も少なく途中で何となく展開が読める作品もあるのですが、
読み通りの展開になるのか、はたまたディーヴァーの事、予想だにしない
結末になるのか、それも又楽しみでページをめくる手が止まらない。
果たして予想通りの展開でも、どんでん返しでも、読後の満足感はかわらない
すばらしい作品ばかりです。

blueridgecabinhome
UHOQT2T1
No.1
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

題名通りに冬に読むのが吉?

どんでん返しの帝王ジェフリー・ディーヴァーが雑誌などいろいろなところで発表した短編を集めた短編集。
表題になっている「クリスマス・プレゼント」は書き下ろし短編でリンカーン・ライム&アメリア・サックス物である。本書の刊行は12月なのでまさしくディーヴァーからのクリスマスプレゼントだ。

まず開巻一番の「ジョナサンがいない」からいきなり見せてくれる。
さすがディーヴァーといった短編。のっけからかましてくれる。いきなりやられてしまった。

次の短編の題名「ウィークエンダー」はもちろん日本の昔深夜にやっていた番組から取ったわけではなく、“週末の旅行者”という意味。
奇妙なテイストの一編。人質として攫われたコンピューター会社の副社長が提案した自分を解放してくれれば絶対に犯人達のことは話さないという信用しがたい言葉を放つ。もちろん最初から犯人は歯牙にもかけないが、営業をやっていた彼の弁舌は巧みで次第に引き寄せられていく。
運命論的論理展開をも繰り広げつつ、次第に説得されていき悪が善へと改心していく人質と犯人との信頼関係の誕生を思わせる美しい作品と思いきや、結末はかなりダーク。とはいえ、ちょっと切れ味は鈍いか。

「サービス料として」は精神科医と患者の話。
確かに伏線はあった。ただディーヴァーにしてはこの結末は安直かな。それほど意外だと思わないし。

「ビューティフル」も痛烈なオチだ。
これもディーヴァーのミスリードが効いた好編。これは完璧な美貌を持つ女性しか解らない心境だろうなぁ。この作品に共感を覚える美女は案外多いのかもしれない。色々想像が膨らむ一編だ。

次の「身代わり」は典型的なクライムストーリー、と思いきや・・・。
いやあ、行きずりの男に頼む行きずりの殺人という典型的な話なのにディーヴァーにかかるとこうも鮮やかにひっくり返されるとは。偶然すぎると否定してはいけない。これぞ短編小説の醍醐味なのだ。

「見解」は『エンプティー・チェア』でも見られた田舎町の悪徳警官物だ。
田舎町という人口の少ない共同体ではいじめっ子は大人になってもいじめっ子として振舞い、いじめられっ子はその忘れたい過去を抱えたまま生きていかねばならない。いじめっ子で今では悪徳警官となったエドとボズはかつてのいじめられっ子ネイトを尋問し、昔のように半ば虐めるように聴取する。虐めた者は虐めたことを軽視するが虐められた者の心の傷はなかなか癒えない。

「三角関係」はピートがモーの浮気相手を殺す為、彼の別荘に来る誘いを敢えて受け、そこで殺害しようとする、という話。
一番驚いたのがこの話。どんでん返し、というか叙述トリックが鮮やかに決まった作品だ。まさに語り(騙り)の魔術師ディーヴァーの真骨頂といえる作品だ。

いきなりシェイクスピアの時代に遡るのが「この世はすべてひとつの舞台」だ。
ディーヴァーが歴史物!?というのがまず驚きだった。なかなか堂に入った筆捌きで本当にこの作家は器用だなという思いを強くした。
ストーリーとしては意外性はあるものの、シェイクスピアを上手く使ったことで当時のロンドンの不条理な法廷において主人公を無実にすることが可能となった(昔のイギリスの法廷の、貴族に有利で庶民に不利な不平等ぶりはカーの『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』に詳しい)。またこの事件がシェイクスピアのある作品の萌芽になっているというオチも上手い。

続く「釣り日和」は元に戻って現代物。
主客転倒というか善悪反転というのはディーヴァーのお家芸とも云えるどんでん返しの典型だが、本作はまさにそれ。しかしあざといかなぁ。明らかにミスリードがあからさますぎるもの。

「ノクターン」はある巡査の話。
ディーヴァーにしては捻りのない、ストレートな作品だが、ハートウォーミングな味付けがいい。
強盗犯を独自の情報網を駆使して突き止める刑事志望の若き巡査。しかし捕まえた犯人は両親が行方不明となり、一人で弟と妹を養う17歳の青年。典型的といえば典型的だが、やはりこういう話は読んでて気持ちがいい。

「被包含犯罪」はまさに逆転の妙味を味わえる好編。
街のギャングで証人全てを買収できる人物の裁判で、召還される証人は次々と被告人に有利な証言をする。その絶体絶命の中、検事が老獪な策を講じるのだが、これは非常に意外な真相だった。
ここは素直に法の専門家の広範な知識とそれを上手く利用して尋問を誘導した検事の手際の鮮やかさに賞賛を贈るべきだろう。これがディーヴァーだ!と云わんばかりの切れ味鋭い好編だ。

不気味な余韻を残すのが「宛先のないカード」。
三人称叙述ながらストーリーはほぼデニスの主観で語られる。しかし読者も次第にデニスの常軌を逸する行動に不信感を覚え、メアリの話を聞くにデニスが精神異常者ではないかと結論づけるようになるのだが、最後のパラグラフに書かれたメアリの再婚相手が明らかになることで、どちらが本当の話だったのかと揺さぶられる。24ページと短いながらも余韻は最も深い作品だ。

本書におけるボーナストラックであるのが表題作。リンカーン・ライムの登場だ。
本書唯一のリンカーン・ライム物であり、本書の為の書き下ろし短編。長さも最も長く66ページある。しかし短編としてはそれほど長くない分量だが、この長さでディーヴァーは二転三転の仕掛けをかけてくるのだから畏れ入る。
収録ページを予め見ていなかったので、どんな結末になるのか久しぶりにハラハラした。そしてディーヴァーはきちんとライムがこの危機を解明するのに読者にも推理できるようヒントを散りばめていることを明かすが、いやあこれを看破するのは至難の業かと。しかし表題作に相応しい1編。個人的ベスト!

次の「超越した愛」は一人の男がある女性と恋に落ちるが、父親の猛反発に遭って、駆け落ち同然で相手を連れ出そうとして、奮闘した顛末を語る話。
しかしやはりディーヴァー。通常ならばそのまま読み流してしまう話でさえ、どんでん返しが用意されているのだから畏れ入る。しかし冷静に読むとこれは作者の意図が透けて読めるのでさほどサプライズは感じないかも。

「パインクリークの未亡人」は実にディーヴァーらしい作品だ。
片田舎の未亡人に訪れたのは都会から来た魅力的な男。たった38ページの小編なのに話がこれほど二転三転するとはまさにこの作者ならでは。でもちょっとやりすぎかな。

最後の「ひざまずく兵士」はまたもやストーカー物。
ストーカー物が本書では最も多く、「ビューティフル」、「超越した愛」とこれで3編目。しかし本作が最もストレートに加害者、被害者の対立を描いており、これはさすがにどんでん返しはないのではと思いきや、やはりディーヴァー、ありました。
とはいえその真相は予想の範疇。


その名の通り読者へのクリスマス・プレゼントの如く2005年の12月に出版され、文庫で出されたこの短編集は確かに年末を迎える海外ミステリファンにとって最高のプレゼントになっただろう。事実、翌年の『このミス』では発売から11ヶ月のブランクがありながらも多くの読者の支持を集め、2位という高評価を得た(ちなみにこの年の1位はローリー・リン・ドラモンドの『あなたに不利な証拠として』だからこの年は短編の当たり年だったといえるかも)。
そしてその評価が至極妥当だったと読後の今強く感じている。

全16編からなる作品のテーマはそれぞれ既婚女性の内密なデート、強盗の逃亡劇、精神科医とのカウンセリング、ストーカーに悩むスーパーモデル、身代わり殺人、田舎町の悪徳警官の犯罪、三角関係、没落貴族の復讐劇、刑事物に法廷劇、妻の浮気を疑う夫、間にリンカーン・ライム物を挟み、波乱万丈の恋を熱っぽく語る男、片田舎の町の未亡人のロマンスと実に多種多様。
なんだろう、このヴァラエティの豊かさは。これほど多彩な舞台を用意してそれぞれに印象深い結末をしつらえているとは、ディーヴァーの作家としての守備範囲の広さに驚くことしきりだ。

今度はどんな結末が待っているのか?騙されないぞと思い、色んな想像を巡らすがやっぱりやられてしまう。このどんでん返しを見事に成功させる要素がミスリードの技巧の冴え。上手く読者を誘導して意外な方向から不意打ちを食らわせる。読者が本を読んでれば読んでいるほど先読みするため、余計に引っかかってしまう。本当にこの作家は読者に先入観を抱かせるのが非常に上手い。
特にシチュエーションを上手く利用したダブルミーニングの切れ味がすごく、最初の一行ですでに作者の術中に陥ってしまう作品も少なくない。それについては各編の感想でも述べているし、また未読の方の読書の興を殺ぐことにもなるので敢えてここでは触れないでおこう。

個人的ベストは表題作。リンカーン・ライム物だからというわけではなく、どんでん返しに次ぐどんでん返しを見せながら、きちんとその伏線が作中に張られており、リンカーンの推理が追えるようになっているという非常にきめ細やかな作品だからだ。この作品がなかったらベストは叙述トリックが冴え渡る「三角関係」だった。
他に騙りの上手さで「ジョナサンがいない」、予想外の結末だったのが「ビューティフル」と「身代わり」、ストレートな人情物の「ノクターン」、思わず「あっ」と声を挙げた鮮やかな法廷逆転劇を見せた「被包含犯罪」、奇妙な味わいの余韻を残す「宛名のないカード」が印象に残った。

これほど質の高い短編はエラリイ・クイーンでも成しえなかった。そしてもはや物語は語り尽くされていると云われて久しい21世紀においてこんなにも傑作の揃った短編が読める幸せ。長編だけでなくディーヴァーは短編の名手であることを見事に証明した。

既に2作目の短編集も刊行されている。いつ大地震が起きてもおかしくない昨今だからこそ、まさに読まずに死ねない短編集だろう。


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Tetchy
WHOKS60S

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.58
(4pt)

前半の方が粒ぞろいかなあ

短編ですが、気を抜くと登場人物の関係がわからなくなるので、一編一編読み切ることができる時間の余裕が必要です。ひねりまくるので、読み飛ばすと結局冒頭から読み直す羽目になる。もっとも、「三角関係」だけは丁寧に読み終えた直後に再読を余儀なくされました。再読するとヒントはちゃんと混ぜており、なるほどこう来たか、という感じです。著者のしたり顔が脳裏に浮かんでちょっと悔しい。
クリスマス・プレゼント (文春文庫) Amazon書評・レビュー: クリスマス・プレゼント (文春文庫)より
416766187X
No.57
(5pt)

初の海外ミステリーに挑戦!!

初の海外ミステリーですが、とても面白くて読みやすいです。
翻訳の方の力もあるのかもしれないですね。どの話もわくわくしながら読みすすめる事が出来ました!また、ディーバーさんの短編を読むつもりです。
クリスマス・プレゼント (文春文庫) Amazon書評・レビュー: クリスマス・プレゼント (文春文庫)より
416766187X
No.56
(2pt)

ステイホーム用

ステイホーム用で買ったが、期待したほどではなかったです。あくまで私の好みということです。
短編なのに眠くなりました。
クリスマス・プレゼント (文春文庫) Amazon書評・レビュー: クリスマス・プレゼント (文春文庫)より
416766187X
No.55
(3pt)

作品すべての評価を四捨五入して星3ヶ進呈。

しばらくジェフリー・デーバーの本を読まなかったので久しぶりに本書『クリスマス・プレゼント』を入手して読むことにした。
 著者ジェフリー・デーバーの初めての短編集であったから興味を持ったので読むことにしたのである。
 評者が以前に読んだ短編集『ポーカー・レッスン」の序文と全く同じことを本書の「まえがき」で著者が書いていたので下の・・・・・内に転載したい。
  ・・・・・
 短編小説の醍醐味は、ジェットコースターみたいな波瀾万丈のストーリー展開ではない。登場人物について時間をかけて学び、その人物を愛し、あるいは憎むことでもない。舞台となった土地の、入念な描写によって作り上げられた独特の雰囲気でもない。短編小説は、たとえるなら、狙撃手の放った銃弾だ。速くてショッキングなものだ。そこでは、善を悪として、悪をさらなる悪として、そして何より痛快なことには、究極の善を究極の悪として描くことさえできる。
 ・・・・・
 『ポーカー・レッスン』を読んだときに評者が書いたレビューと同じことを書くことになるが、本書の16編掲載されてどの作品もたしかに著者の意図したようなストーリーであり、多分ミステリ好きではない読者でも楽しめるだろう。
 が、裏返して言わせてもらえばミステリ好きには、作品としてあまり評価されないかもしれない。
 評者が本書中の作品でトップとして挙げたいのは『この世はすべてひとつの舞台』でした。
 評者の好みだけかも知れないが、この作品はシェクスピア時代のロンドンを背景にした奇抜なアイデアとエスプリの効いた作品である。
 次に挙げたいのは、『ノックターン』だった。
 新米の警官の機転で読者に与えるエンディングのカタルシスは、これぞ短編と評価したい作品であった。
 『三角関係』でのピートの最期の言葉「ハイキングはどうかな。コロラドに行こうよ。二人きりで」という言葉に読者は背筋が寒くなったのではないだろうか。
 評者がこの短編集で評価したのは、この三作品(星5ヶ進呈)であった。
クリスマス・プレゼント (文春文庫) Amazon書評・レビュー: クリスマス・プレゼント (文春文庫)より
416766187X
No.54
(4pt)

短編集だから読みやすい

この歳になってくると、上・下刊の分厚い長編推理小説には、手が出しにくい。その点、本書は短編集なので読みやすい。
ここに収められた短編すべてが傑作、という訳ではないが、それなりに水準は高い。私のお気に入りは、「三角関係」という一編。英語には、尊敬語も謙譲語も、男性言葉も女性言葉も、区別が無い。目上の人には、最後に「サー」を付ける。丁寧語は語尾に、「プリーズ」を付けるといった具合だ。
推理小説の叙述トリックで、男女の性別を混同させるというのがある。日本語は男女の言葉遣いで、性別の区別が付くので、性別を誤解させる、というトリックを使う場合は、例えば女性に男っぽい言葉遣いをさせて、男性と誤解させて、種明かしで、実はこの女性は、男の子が欲しかった両親から、男性として育てられた、とかなんとか最後の種明かしで、苦しい?言い訳を作者がすることになる。
その点、英文はこうしたトリックが使いやすい。この「三角関係」では、ある種の叙述トリックが使われていて、このトリックは絶対に、小説でしか有効でないトリックである。
いけないけない、これ以上はネタバラシになるので、本書を読んで、騙される快感に浸ってください。
クリスマス・プレゼント (文春文庫) Amazon書評・レビュー: クリスマス・プレゼント (文春文庫)より
416766187X

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