サクリファイス
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あらすじ
九歳の少年ルークは“悪魔の子”だった。これまで自分の弟や幼児を刃物でめった刺しにして殺していた。しかし、日頃はおとなしく、天才的なIQをもつ彼は、自分が殺人を犯したことを全く覚えていない。両親から凄惨な性的虐待を受け、その苦痛と恐怖がトラウマとなって多重人格者となり、自分の知らぬ人格が凶暴な殺人者となるのだ。むしろルークは、子供を弄ぶ残虐な大人たちの犠性者だった。ルークと同じように幼児虐待の辛い体験をもつ探偵バークは、治療センターに保護監禁されている少年のために敢然と立ち上がる。真の“悪魔”をさがしだし、彼らに代償を払わせなければ、バーク自身も自分の過去との決着がつかないのだった…。魔都ニューヨークに暗躍する無法の探偵バーク・シリーズ第6弾。幼児虐待をテーマに現代の犯罪と悲劇を追求してきた人気ハードボイルド・シリーズ最終作。(「BOOK」データベースより)
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評判
サクリファイスの評価:
8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
サクリファイスの総合評価:
7.33/10点 レビュー 3件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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10歳にも満たない男の子が自分の弟や里親の子どもを殺してしまうと言うショッキングな事件。
しかし男の子は自分のした事を全く覚えておらず、バークの仲間や精神科医にゆだねられ守られて、虐待の被害者でもあると言うことがわかってくる。
それにしてもフィクションだとわかっていても目を背けたくなるほどの凄まじいほどの虐待の描写。
しかし、日本の10倍以上はあると言われる虐待件数を考えた時、あながち嘘ではないのではないかと思える。また虐待された子どもを守るため実際に弁護士をしている作者の事を考えると、どれだけ奔走してもいっこうに減っていかない現実に作者の願望が含まれているのではと思えてしまう。
虐待された子どもがやがて怪物へと変っていく連鎖はとぎれることなく悪循環となって続いていくことの現実を作者は誰よりも実感しているのではないだろうか。
同じように子どもの虐待をテーマにした天童荒太氏の『永遠の仔』も凄まじいものがあったが、結末にはまだいくらか救いがあったような気がする。しかしバークの物語には救いがない。ルークと同じようなバーク自身の救い難い子ども時代を考えると、そう言った悪人を狩り続けることでしか生きられない悲哀を感じてしまう。それでも兄弟と呼ぶ信頼できる仲間達が存在することで、なんとか自分を保っているのではないだろうか。
日本でも最近は頻繁に虐待死のニュースを見るが、少子化を憂えているくせに福祉を切り捨てようとする政治家達や世間の風潮を見ていると、そう遠くない将来アメリカと同じような現実がやってくるのではないかと思えてならない。