おとなしいアメリカ人
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
おとなしいアメリカ人の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
おとなしいアメリカ人の総合評価:
8.73/10点 レビュー 11件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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マグサイサイを、アメリカ軍のエドワード・ランスデール将軍が監察していた。
その後、エドワード・ランスデール将軍がマグサイサイの軍事顧問になったことは世に知られている。
ランスデールは、フランスがベトナムで苦戦している1953年に対仏軍事顧問団の一員としてインドシナに派遣され、フィリピンで成功したことをベトナムでも行おうとした男である。
本書の巻末でグリーンはこのころベトナムに何度も行き取材しているから、ランスデールの存在も知っていたから本書に登場するパイルをランスデールに重ねて描写したようである。
パイルはアメリカのハーバート大を卒業した世間知らずの若者で、ヨーク・ハーディングという机上の思想家に傾倒していて、親しくなった本書の主人公イギリスのジャーナリストファウラーが忠告しても訊く耳もたなかった。
ランスデールの辿ってきた経歴を知れば、パイルのような軟な理想家など比べるべくもないが、グリーンはフィクション小説としてのアクチュアリティーを読者に与えるためにパイルを登場させたのだろう。
主人公のファウラーは、コレスポンデント(通信者で記者の意見も入れる)ではなくリポーター(報道のみする)に徹したいジャーナリストを矜持とし、インドシナの風土を好みイギリスへ帰りたいと思うこともない変わり者である。(離婚したいが同意しない妻が待っているからでもある。)
が、戦争そのものを嫌悪していて「この国の民は平和に田圃で働きたいだけなのだ」とよく口にする。
イギリスやフランスの植民地主義にもアメリカの共産主義のアジア侵食に対する恐れから介入することにも、ファウラーは辟易としているシニカルな男としてグリーンは描いている。
フォンというベトナム女性を、ファウラーとパイルが争うことをこの物語の縦糸としているが、グリーンは本書を政治性に重きをおいて書いた小説だろうと評者は思いたい。
その後、1960年~1975年まで続いたベトナム戦争がなによりもこのグリーンの小説で予告していることの証であろう。
「おとなしいアメリカ人」ではなく「力のなくなったアメリカ人」と言い換え、現代世界を俯瞰しながら興味深く本書を読み終えました。