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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数105件
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※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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某所のレビューを見ても、3・11以前と以後では評価がかなり違いますね。
この作品が書かれたのは今から10年以上前です。 作品中で、「軽水炉の建屋のプール内の使用済燃料が弱点だ」と指摘されています。 東野氏は理系出身とはいえ、専門分野という訳ではないでしょう。 大量の取材、調査に基づいての執筆だったと思いますが、だとしたら、有識者の間でその弱点は、10年以上も前から既知の事実として存在していた事になります。 福島はその弱点をモロに突かれた事になりますが、東野氏の先見の明というより、弱点を弱点のまま改善できていなかったという事に驚きました。 今後も「100%の安全」を期待するのは難しいのだろうと感じました。 また、あれ程の切迫した状況に陥っても、「原発を停止する」と判断できない政府の対応から、原発に頼らざるを得ない現状そして原発の必要性を思い知らされた感じです。 安全性を主張する(せざるを得ない?)政府、煽るマスコミ、反対するごく一部の国民、そして無関心な大多数の国民。 皆それぞれ無責任な部分はあるとは言え、この中に「悪人」はいないと思う。 今作のテロリストにしても悪人だとは思えない。 問題があるとしたら、他人事のように思っている「無関心な大多数の国民」だとは思う。 私もその中にカテゴライズされるが、じゃあどうすればいいのかが分からない。 「搭乗券を買った覚えはないかもしれないが、日本国民は原発という飛行機にもう乗ってしまっている」 全くその通りだと思うが、どの立場の人間の主張もある意味正しく1つの正解を見い出す事ができない。 色々考えさせられた作品です。 |
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この作品には余談といえる箇所が殆ど無い。
誘拐犯に対する抵抗、妨害、そして犯人側の迷い、躊躇も殆ど無い。 シーケンシャルに一気に進む。 スピード感がある、テンポがいい。 倒叙モノ故推理の必要なし、読み手も犯人の完全犯罪をただただ見届けるだけでスラスラ読める。 400ページ超えの作品だが、通勤電車行き帰りで読めてしまった。(5時間ですが・・・) 慎吾の犯行に関して、技術的に実現可能か否かは野暮なので言いません。( 後書きで西澤先生も触れられてます ) コンピュータ好きの井上氏が、未来の犯行を予見して書かれたとか・・・ 20年以上も前の作品ですが、風化感ゼロ、今読んでも違和感ないです。 これは凄い。 コンピュータ業界の著しい進化を目の当たりにしてきた我々ですから、 当時の最新技術を駆使しての犯行など、今読むと失笑モノでしょうからね。 「パソコンって、あの電器店に売ってるあれ? コンピュータとは違って?」 刑事のこの発言には正直笑えました。 最初から「勝負あり」じゃないですか。 ・・・それでも絶対成功しないと思いますけどね。 慎吾のようなスーパーエンジニアは、世界中のどんな大企業であっても、社内に片手で数えられる程もいませんよ。 手口からリカード社社員もしくは関係者である事は明確です。 慎吾が最強の容疑者になるはずです。 アリバイなど無意味でしょう。 それにしても昭和63年という事なら「ラップトップパソコン」登場直後かと。 相当高価格だったはずで、入社数年の社員が何台も買える訳ないよな。 慎吾は会社のをくすねたのだろうか? まぁ面白かったです。 個人的には、兼介の反撃があっても面白かったと思いましたけど・・・ お薦めできる作品です。 ただ「暇つぶしにいいよ」って余計な事まで言ってしまいそうですが・・・ |
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仮面の主人、顔が判別不能な焼死体、指だけポロリ、そして登場人物の一人が死体発見後から行方不明。
トリックに関しては、所謂「王道」という感じで、今読むとイージーさは否めないと思います。 多分半分近い読者の方が半ばで( 犯行の全貌までは無理としても )犯人の目星はついたのではないかと思います。 館シリーズの中では、作品が醸し出す雰囲気という意味では一番好みです。 登場人物の不気味さ、動機を持つ人物の多さ、そして不気味な館・・・これぞミステリーだと感じました。( 初心者っぽい意見でスミマセン ) 「金田一少年の事件簿」が好きだった人は絶対この作品好きでしょうね。 館シリーズでは、「十角館」「水車館」までが「入門編」かなと思います。 以降は、構成という面でも嗜好を凝らしていたり、トリックが大掛かりだったりと、好き嫌いが分かれそうです。 唯一の不満は、幽閉された少女を最後まで同情できる対象として描き切って欲しかったなぁと。 ちょっと最後印象が変わってしまったもんで・・・ |
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凄い作品。
「巻き込まれる」「裏切られる」「利用される」「狙われる」 軌道を外しどんどん深みに嵌っていく主婦たち。 テンポもよくスリリングな展開の連続。 読後「読み終えたぁ」という充足感はこれまで読んできた作品の中でも5指に入ります。 次の展開が気になりドキドキしながらの読書タイムでしたが、純粋に「楽しめながら」読めた訳ではありませんでした。 「気色悪い」 常に頭の中の三分の一くらいはそう感じながら読んでいました。 描写がグロくて「気色悪かった」という訳ではなく、 主婦4人を含む主要登場人物の誰一人にも共感できるものがなかった事が原因かなと。 確かに主婦4人がかかえている問題は暗くて重いものなんですが、自分自身の境遇と余りにかけ離れているため、その思考、発言、態度、もうその存在全てに「怖さ」「気味の悪さ」を感じずにおれませんでした。 クライマックスシーンは、表現は悪いですが、 「熟女モノのAV」を無理矢理見せられているような、それでも目を背けられない自分がいる。 みたいな何とも表現しづらい気分でした。 私は1つの作品を、少し間をおいて2回読む事が多いのですが、 この作品は2回目読む気にはなりませんね。 文句なしの高評価作品で、おすすめもしますけどね。 |
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