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梁山泊 さんのレビュー一覧

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レビュー数166

全166件 1~20 1/9ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.166:
(7pt)

鍵のない夢を見るの感想

閉塞した環境に生きる女性にありがちな悩みを、泥棒、放火、逃亡、殺人、誘拐といった犯罪に絡めて描いた短編集。
「女性は、こういう状況ではこう考える」
犯罪という非日常的な状況ですが、妙にリアル感あり。
メンヘラ女を描くのが上手い作家さんですね。
鍵のない夢を見る (文春文庫)
辻村深月鍵のない夢を見る についてのレビュー
No.165:
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

AX アックスの感想

殺し屋シリーズ第三弾。
テーマはこれまで同様「家族愛」ですかね。
視点切り替えを多用した過去2作と違って、ずっと視点独占の主人公。
そんな主人公を、たった一行で殺してしまった時には驚いたけど、この後の「泣かせ」のポイントになっているように思いました。
個人的には、前作までのハチャメチャな方がこのシリーズには合ってそうに思いました。
AX アックス (角川文庫)
伊坂幸太郎AX アックス についてのレビュー
No.164:
(7pt)

誘拐の感想

総理大臣の娘を誘拐する器には到底思えない主人公。
更に明確にされていない動機といい何か隠し玉がありそうだと思っていたが・・・この点については、ラストでスッキリ腹落ちさせてくれた。
しかし、あの総理大臣には一言言わせて欲しい。
「キミは大学出たのか?」
誘拐(新装改版) (双葉文庫)
五十嵐貴久誘拐 についてのレビュー
No.163:
(7pt)

蹴りたい背中の感想

自意識過剰で人間関係が上手く築けない女。
同じあぶれ者のアイドルオタクの男に興味を示すが、ベクトルが一方向に振り切れている彼は自分に全く興味を示さない。
で、「蹴りたい」ってか。笑ってしまう。
いい歳してアイドルオタクって情けなくて見苦しいけど、自意識過剰で孤立してる奴の方がよっぽどタチが悪い。
蹴りたい背中 (河出文庫)
綿矢りさ蹴りたい背中 についてのレビュー
No.162:
(7pt)

MOMENTの感想

「人は人生の終わりに誰を想い、何を願うのか」
裏表紙の解説にある様に確かに「静かに胸を打つ物語」なのは間違いないのだが、当初想像していたのとは違っていました。
読んでいて目頭が熱く・・・ではなく、寧ろ眉間にシワが・・・でしたね。
これこそが、残り時間が少なくなった人間にしか達せない境地なのかなって思いました。
MOMENT (集英社文庫)
本多孝好MOMENT についてのレビュー
No.161: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

黒笑小説の感想

笑シリーズ3作目。
1編10分程度で読めてしまう全13編の全くミステリ要素のない短編集ですが、作者の意外性を見たっていうか、短編集は作家の実力が出るなぁって実感しました。
良品が目白押しです。
個人的には白夜行雪穂を主人公にした「シンデレラ白夜行」が好きですね。
黒笑小説 (集英社文庫)
東野圭吾黒笑小説 についてのレビュー
No.160:
(7pt)

インストールの感想

娘の部屋には、祖母が母親に教えたピアノ、祖父が娘とのコミュニケーションを取らんとし買い与えたパソコン。
一方、父親は不在、母親は生活を守るため働く事に精一杯。
今の親って子育て出来てないんだろうな。
家族の時間はどこへ?っていうかこんな時代に誰がした。
17歳の作者の皮肉めいて聞こえました。鋭い指摘です。
インストール (河出文庫)
綿矢りさインストール についてのレビュー
No.159:
(7pt)

夜は短し歩けよ乙女の感想

作者初読。
これがこの作者さんの世界観なんですかね。森見ワールド?
私は「うる星やつら」と「めぞん一刻」を足して2で割ったような印象を受けました。
主人公の男女は、響子さんと五代くんに置き換えても違和感なさそうです。
第三章のドタバタ喜劇や魑魅魍魎のサブキャラクタなんて「うる星やつら」っぽくなかったですか。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦夜は短し歩けよ乙女 についてのレビュー
No.158:
(7pt)

屋上のテロリストの感想

帯に「あなたは100回騙される」的な事が書いてありますが「100回突っ込める」が正解でしょうか。
意図的に浅く描いているという気もしなくはないですが、単に浅いだけかも知れない。
深く描けないのであれば、もっと分かりやすく徹底的に架空色を出した方がよかった気がします。
屋上のテロリスト (光文社文庫)
知念実希人屋上のテロリスト についてのレビュー
No.157:
(7pt)

宮辻薬東宮の感想

5人の人気作家による世にも奇妙な物語系アンソロジー。
宮部さんがトップバッターのリレー小説って事で後続はさぞかし頭を悩ませたのでは(笑)
繋がりという点でさすがの辻村さん。
サービス精神旺盛な薬丸さん。
自分の色をしっかり出した東山さん、宮内さん。
どれも素晴らしかったです。
宮辻薬東宮 (講談社文庫)
宮部みゆき宮辻薬東宮 についてのレビュー
No.156: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

護られなかった者たちへの感想

作者の作品の特徴からラストの展開は早い段階で読めてしまいますかね。
生活保護をテーマにした作品ですが、タイトルからも作者がどっちサイドの考えをお持ちで何を言いたかったのかは明白。
ラストの結果云々より、読み手はそこを汲むべきだろうと思いました。
護られなかった者たちへ (宝島社文庫)
中山七里護られなかった者たちへ についてのレビュー
No.155:
(7pt)

コンビニ人間の感想

芥川賞受賞作品。
作者の作品は「消滅世界」に続いて2作目の読了。
すごい作品を描く人だな、と思ってましたが、この作品も発想というか着眼点が凄い。
コンビニでマニュアル化された店員を擬態する事で「普通」を目指した「普通じゃない」人が、最後コンビニの一部となって生きていく事を決意する物語です。
歪過ぎる。
「普通」という価値観の押しつけへの批判には同意できなくもないですが、取り敢えず私は「普通」でいたいです。
コンビニ人間
村田沙耶香コンビニ人間 についてのレビュー
No.154:
(7pt)

紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官の感想

法医昆虫学が古参の捜査員にとって捜査を混乱させるだけの存在ってのがお約束なんだろうけど、もうそろそろこの縛りを打ち破ってもよいように思うけどなぁ。
警察側は毎回完膚なきまでに完敗だけど、今作はこれまで以上にワンサイドゲームでしたよ。
ここまで実績上げてこの扱いって、警察機構の古い体質っぽいとこ連想できちゃって、そろそろ・・・
好きなシリーズだけに、次回は新しい展開に期待したいですね。
紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
No.153:
(7pt)

贖いの感想

犯人は明らかで、動機も途中で想像がつくのですが、想定していた以上のラストで満足。
そのラストですが、実際その発言や行動のみ切り取って見た場合、見えすいた「いわゆる茶番」ってレベルなんだけど、そこまでの犯人と刑事の人物造形がそう思わせる事を許さないですね。
贖い(上) (双葉文庫)
五十嵐貴久贖い についてのレビュー
No.152:
(7pt)

アシンメトリーの感想

T村M月さんの作品に時々出てくるような面倒くさい女性二人が物語の中心。
女性は恋愛となると何故こうも物事を複雑に考えるんでしょうね。
最後は何かを悟ったかのような終わり方ですが、このままだとまた泣く事になると思いますね。
男から見ると何の解決にもなってない(笑)
男女で感想も相当違いそうな作品です。
アシンメトリー (角川文庫)
飛鳥井千砂アシンメトリー についてのレビュー
No.151: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

死と砂時計の感想

作者初読。
死刑囚ばかりを収容する終末監獄が舞台という一風変わった設定の連作短編集です。
「インパクトに欠けるけど、なんかセンスはいいよなぁ」なんて思って読んでたら、ラストにとんでもない結末が・・・
「いい意味での後味の悪さ」 是非味わってみて下さい。
死と砂時計 (創元推理文庫)
鳥飼否宇死と砂時計 についてのレビュー
No.150:
(7pt)

悲素の感想

現役医師である作者が、実在の事件を題材に描いた作品です。
医師仲間から「和歌山カレー事件」の鑑定資料を託された、というのだから驚きだ。
ただ、ルポルタージュっぽく、捜査、裁判と同じ事の繰り返しが描かれていてかなり冗長に思えます。
鑑定資料をベースに「小説」にして欲しかったなぁ。
悲素 上 (新潮文庫)
帚木蓬生悲素 についてのレビュー
No.149: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ルビンの壺が割れたの感想

フェイスブック上での男女のメッセージのやり取りだけな作品。
読中から考えていたオチの想定の範囲内だったので驚きはなかったですね。
再読する程でもないですが、読了後、あの時の発言の裏には・・・など振り返ってみるのが楽しい作品だと思います。
ルビンの壺が割れた (新潮文庫)
宿野かほるルビンの壺が割れた についてのレビュー
No.148: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

殺人喜劇の13人の感想

デビュー作を読めばその作家が一番何を描きたいのかが分かるって感じですかね。
作者の作品は何作か読んでいますが、なる程なぁって気がします。
ミステリマニアによるミステリマニアのための作品ですね。
兎に角ぶち込みすぎているので、読んでいて落ち着かないところがあるのですが、そこは処女作ってことで。
殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)
芦辺拓殺人喜劇の13人 についてのレビュー
No.147:
(7pt)

夏服パースペクティヴの感想

樋口真由シリーズ2作目。
前作が、私のこれまでの読書歴の中でもかなり上位に位置づけられる作品。
今作の、虚構と現実の殺人の交差、ってのもアイデアだと思って読んでましたし、この作者さんいいな、って印象。
ここのレビューにもある通り、登場人物が多いのですが、ほんの数名の人物を除いては、没個性の登場人物が多すぎて区別が付き辛かったです。
前作、この手のトリックがありましたので、今回もまたここに何かあるなと思っていたんですが、何もなかったですよね。
だとすると、キャラの描き込みが足りないという事になるでしょうか。
あと、後半物語が動き出してからはキレッキレで面白いんですけど、前半が冗長すぎますかね。

前作は少し「現実離れしている」箇所があったけど、「騙された」感はありました。
こちらとしては、多少現実離れしてようがフィクションだって割り切って読んでるわけですから、やっぱ騙された感があるかないかって大きいですね。
という意味でも、前作に軍配ですね。凝ってるのは今作な気もしますけどね。

夏服パースペクティヴ (角川文庫)
長沢樹夏服パースペクティヴ についてのレビュー