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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへレビュー数26件
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「百舌」シリ-ズと呼ばれている5作目。このシリ-ズが百舌に関わる括りで呼ばれるのであれば、本作は全く百舌は出てこないし関係ない。だが、警察官僚・政治家の闇の陰謀との戦いという意味での括りであればシリ-ズとして呼べる。
登場人物も過去の「百舌」シリ-ズでだいぶ死んでしまい、本作はホントお馴染みの倉木美希と大杉のみ。 物語は呆気ない程、どストレ-トで何もヒネリも無かったが、相変わらず読み易く読み進めたくなるちょっとした展開の連続はさすが。 ただ、今作の陰謀はちょっと強引かなと思う。その事の為に人を殺すというのはちょっと現実から離れているし、やはり人が死に過ぎる。 今作の登場人物、美人刑事の「洲走かりほ」の描き方は何か勿体なかった。 |
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外国にツア-に行った参加者が拉致され、監禁場所で語られる参加者8人の朗読会の物語。1人1話で自分について語る物語で爆発により全員死亡してしまうのがプロロ-グでわかるが、事件についてはプロロ-グ以外で語られる事はない。
人質になって監禁された時、何を語るのか。自分がそれまで生きてきた中での語るエピソ-ドは特別なはずで、本当に特徴ある著者らしい話になっていた。 ちょっとした人生の小話だったりもするので、合わない人にはつまらないと思う。(ミステリ-ではありません)ただ、自分がそうなった時を想像してしまい、何を語るか考えると深みを増してくる。 |
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ミステリ-ではない。奥秩父の山小屋で起きる人間ドラマ作品集。山を登る困難さとか達成感を表現している山岳小説ではなく、登場人物の人生・人間性に焦点を絞っている。
登場人物は個性的で、特に主人公の山小屋経営を手伝う小屋営業シーズン以外は浮浪者をしているゴロさんは何かと物語のキモになっている。 当然どの話も不快はないし奥深い人間ドラマを堪能できる。じんわり癒されたい方は是非。 |
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空港という限られた空間の警備システムミステリ-3弾目。空港が誇る世界最高峰の警備システムに挑戦したテロとの戦いが1作目で、超高額の重要彫刻作品の窃盗団との戦いが2作品目。さすがに空港セキュリティという制限がハードルが高いのか、どちらかというと空港に挑戦というより、まず事件があってその最終目標が空港内での事件という展開。
ただ、相変わらず登場人物はキャラが魅力的だし、最近の著者の傾向だが民族問題にも踏み込んでいて普通に面白く読めた。 |
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この作品が発表された時代背景もあるかと思うが、ヤクザがヤクザをしていた時で今の感覚で読むとちょっとありえないって思ってしまうかも。
物語はちょっと障害があって人づきあいが苦手な純粋無垢な山を愛す青年がヤクザが不法投棄している現場を知り兄が新聞記者という事もあり公表させる。その報復で兄や子供を宿している妻が襲われてしまう。 全体的に話が重い。主人公の兄や妻への報復、そして復讐と、人を殺し殺され、なかなか希望が見いだせない展開。(主人公の奥さんも悲惨な過去があってしゃべれない設定) 山岳小説を楽しむというより主人公の悲惨さが際立ってしまった。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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伝承技の「セオイ」ってなにか拳法ぽいけど別に暗殺拳ではありません。その名の通り背負うことで、人生に絶望した人の生き方を救う技。
序盤はセオイのエピソ-ドがいくつか入るが、別に本当に助けたいと思うようなかわいそうな人間が出てくるわけではなく、どちらかというと人生を舐め切ったムカつく野郎がセオイによって変わる様は、ちょっと良いかも。 最終的には主人公の過去にまつわる展開になるのだが、どうしても展開が荒く都合が良すぎるし、ちょっとマンガになりすぎている。刑事がそんな簡単に情報を教えてくれたり夢物語みたいな伝承技を信じるわけないし。 まぁ、デビュ-作という事だし物語自体は悪くなかったから次作に期待したい。 |
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文豪井上靖作の氷壁を読む。
昭和30年代の時代背景やそのときの人間像を受け入れられるか、文学としての評価は別として、面白いか否かが分かれるかもしれない。微妙な会話の言い方だったり、この人間関係は今どき無いと、古すぎると思ってしまったらそれが壁になる。 物語は主人公の親友が人妻に惚れてしまい、忘れる為に一緒に冬季の穂高の氷壁に挑戦し、頂上まじかでザイルが切れ親友が落下。切れる事の無いザイルが切れた原因は何なのか、決して技術的や故意的に切ったのでは無いと主張し続ける主人公。人妻は自殺ではないかと疑う。本題は氷壁と山岳小説ぽいが、実際は登山描写は少ない。 当時の社会の人間関係や主人公と親友が惚れた人妻との関係、親友の妹と古典的な心情描写が純粋。 古典としては読み易いし面白さも分かり易い。 |
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東京の挫折した刑事と過疎化した田舎で東京に憧れても地元を捨てられない夫を亡くした女婦警の連作短編集。1篇目で事件を追ってその田舎で出会い、過疎化された小さい村であるが為の悲しい事件の解決する。
その後は、各短編毎にどちらかが主人公として語られるが、過疎化された村に縛られる人の心情だったり、恋愛小説と言えるか微妙なほどの二人の距離感が妙だったりする。 ただなぁ、自分がこの著者に求めているのはこんな間接的な表現ではなくて、RIKOシリ-ズに見られるような直接的に性にあがらい傷つけ求めてしまうようなハ-ドな表現なので物足りないです。 普通に読めば、面白いんだろうけど。 |
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軽いノリでテンポよくガンガン物語は進むが、メッセ-ジ性は強い作品だと思う。
自殺願望者がネットで集まり、集団自殺しようとしたところに事件に巻き込まれ、やがて一人の少女を助けようとヤクザ・警察に追いまわされながら街中を駆け廻る。 生きることへの希望、決して全てが上手くいかない終わり方など、読みどころは多い。 ただ、街中で銃をぶっ放したり、車が台をつかってジャンプしたり現実離れした言わばコメディ部分はちょっと閉口。 |
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一夜のデパ-トで起こるドタバタコメディ。
まず、そもそも設定に無理がある。何組もの訳あり登場人物が同じ日にデパ-トに忍び込んで、実はそれぞれ何かしらの関係があって、その場での思惑や態度・行動で話が進んでいく。 そういうものだと割り切らないと、読み進められないだろうが、コメディとして割り切れれば逆におもしろいかもしれない。(本当に三谷幸喜映画ぽいけど・・。) 最後も、上手くまとめて良しとするか。。 |
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書かれたのがバブル時代ということで、今読むと所々当然に感覚が違うがそれでも、破天荒なスト-リ-展開で読み進める。
男に捨てられ、宝石屋でたまたま置いていかれた指輪を盗み、強盗に押し入られレイプされ、挙句の果てに襲われた2人組みの男と事件の真相を追うという展開。 主人公OLの不倫や、強姦した男との関係、時代背景も含めた変なミステリ-。 ありえねぇだろと思いつつも、何か不思議な感覚で読めます。 |
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巻末の著者あとがきにこの世界の継続を示唆していることでわかるが、終わり方に大きな含みを持たせていて完結感はない。
やはり、今後発表されると期待される作品の序章と言った位置づけなのか。 近未来の設定だが環境的な未来描写と言うより、どちらかというと考え方や心の闇みたいなところに将来観測が描かれていて、そこについてあながち違和感はない。 ただ、主人公サラは正直あまりキャラが立ってなく感情移入はしづらいが、事件の関与の仕方にキャラとして守っているものはなく、どっぷりはまって性的な欲望もあり、彼女の生い立ちがミステリ-要素になっていたりするので、読みどころはある。 また、形的には短編集だが、短編間に繋がり・時系列があるので、普通に1ペ-ジ目から順に読み進めましょう。 |
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話のネタも展開も好みで満足で楽しかったと言い切りたいところだが、一部の訳と物語の終盤がもったいなかった。
まず、この物語は森の中での殺し屋から逃げる女警官との緊迫した対決が面白味であり、そこでこの本でもっとも重要なのは「距離」だと思う。森の大きさ、追ってくる殺し屋との距離、別荘から管理事務所までの距離、崖の高さ等。 ところが、この重要な距離がこの翻訳では、マイル、ヤ-ド、フィ-ト、インチで書かれている。アメリカで暮らしていた方は馴染みがあるかもしれないが、通常日本人でこの単位で書かれてすぐに距離感がつかめる人はどれくらいいるのだろうか? 四分の三マイル先とか六フィートとか普通に書かれてるが、つい調べて計算してしまう。 この物語のようにスピ-ド感をもって読み進める上で、瞬時のイメ-ジ感覚が必要なのにそれが一瞬止まる。原文に忠実ではないとしても、誰が読んでもわかるような単位を使用するべきだった。 それと、この物語は2部構成になっていて追撃戦の1部(4月)とその後の2部(5月)があるが、2部は要らない。事件の全貌と登場人物のその後が分かるが、1部で切ったほうが物語として締まってよかったと思う。 変にだらけた感が残った。 |
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新しい麻薬ル-トをめぐるアメリカ・中国・日本を舞台にした壮大なスケ-ルだが、深みを感じられなかった。日本の麻薬捜査官を中心にアメリカのDEAとかCIAや中国の警察、やくざ、マフィアなど盛りだくさん。
謎のホワイトタイガ-を追って誰にも知らせず主人公が潜入捜査をしている事がひとつの面白味だと思うのだが、読んでて手に汗を握るような場面が少なく、後半には潜入と言えいる状態なのかと疑う場面も多々。 逆にホワイトタイガ-の正体が見えてきた終盤のほうが、展開が大沢先生らしく面白い。 ただ、そこまでが長すぎる。内容が良ければ全然苦にはならないのだが・・・。 |
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一体どんな内容か読んでみないとわからないところが、良いかもしれない。
無くなった叔母の遺産を受けてマンションや仕事を継いで、そこから知らない叔母の世界に入り込んで、いきなり朝鮮人に声をかけられたり、人が死んだりしていく。 叔母が可愛がっていた子供とあることで同居し親を探していくのだが、愛国心、家族など意外にテ-マは深い。 ただ、読み易いミステリ-になっているので、大きな山場は無いものの、それなりに読める。 |
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この小説を読んだ後、深読みすればミステリ-好きほど、あっさり感があって、それを期待はずれと読むかさすがと思うか分かれると思う。
いろんな事が起きそうな空間で、意外にシンプルに終わってしまうのでどうなんでしょうか? 読み手の期待に答えるべく、お約束という事でもう少し夜間エピソ-ドや凶器・金庫室・遊戯室・整備室などでの事件・推理が欲しかった。 続編に期待。 |
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この小説で出てくる透明人間は、なんでもすり抜けられる訳ではありません。
あくまで、ある事故によりその事故一帯の物質が透明になってしまってその中に人間もいたという話です。 ですので、その一帯にあった物や着ていた物は透明なのだが、ご飯を食べれば胃で消化していく様が見えてしまうし、物質自体は存在があるので、足跡は着くし、歩けばぶつかってしまうのです。 当然、事故後から調査機関に追われるのだが、その中でどう逃げるか、逃げられるのか。 この小説は30年間のベスト1という帯に釣られて読んで見たのだが、正直自分にはいまひとつ。 まず、主人公が証券マンということもあり、しゃべりや考えに好感が持てないし、パ-ティ-に参加やクラブなど日本ではなかなかイメ-ジが沸きにくい。 それと、追ってくるエ-ジェントの緊張感がもっとあってもよかったと思う。 いろんな罠や仕掛けが欲しかったし、ムフフなところももっと欲しかった。 ただ、これを読むと透明人間はいいやって思います。 |
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短編連作集。
ひとつひとつの事件で主人公も違うが、全てシズカという少女が絡んでいる。 章を読むごとにシズカという人物像が見えてくるという仕掛け。 すぐにこの仕掛けは分かるのだが、そうなるといちいち回りくどい短編の始まりから読むより 結論だけ知りたくなってしまった。 つまり、短編1作・1作の出来はそれほど良くない。 毎回主人公も違うので、背景から話が始まるし・・・。 長編にして、白夜行みたいな感じにしたほうが良かったのでは。(パクリになっちゃうか。。) |
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結構好きな作家でいろいろ読みたいのだが、なにぶん売れていない?ので本屋言っても置いてないのが
難点。読みやすく、どれもそこそこ面白いと思うのに・・。皆さんも一度読んで見てください。 この本も題名やあらすじを読むと、どんな内容かよくわからず、正直期待出来ないのだが・・・。 ただ、読んでみるとやはり読みやすくさくさく読み進める。 主人公は、今どきの今日だけ楽しければいいやという若者で、Jと呼ばれる女性の意志の強さに引かれ、自分でも単純ながら目標を持って生き出すという話。 ただ、そこにテロ、テロを請け負う組織が絡んできて、今の日本の問題、親の子供への無関心や裕福な日本が貧しい海外で犯している幼児買春などの犯罪に対する遺恨や、幼児売買での完全孤独な子供やすべてを失くした大人が安全に安らかに住める世界が作れるかなど、深いテ-マが潜んでいる。 |
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相変わらずの読みやすさ。
誰が読んでも途中挫折はあまり無いのではないでしょうか。 このシリ-ズは人気ありますよね。 本屋で年配の方が、店員に置いている場所を聞いている場面に何回も出くわしてるけど偶然? まぁ年配層の方々にこの主人公が支持されているにはちょっと分かるような気がする。 主人公(竜崎)は東大出のキャリア官僚。 東大以外は大学じゃないとかキャリアはこうあるべきだとか堅物ぶりが面白い。 第3弾の疑心は部下の女キャリアに心奪われる。(竜崎は妻子あり) 警察小説としては物足りないが堅物が自分の恋心にどうケリをつけていくかが今作の読みどころ。 このシリ-ズを読んでない方は是非1作目の隠蔽捜査からどうぞ。 |
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