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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数231件
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昭和時代も暮れのこと、発生した誘拐事件はコンピューターを駆使した前代未聞の犯罪だった!! コンピュータという言葉さえ一般的じゃない時代のお話。 カタカナ用語に狼狽える警察のなんとも情けないこと、本作は先進的な機械を使った誘拐事件を犯人視点も含め描いています。 誘拐事件という迫力には欠ける展開を次世代テクノロジーを扱った特殊性と事件を起こす側と追う側の交互視点で盛り立てております。 倒叙で誘拐モノということで小々地味な感じが否めないですね。 SF的要素も2018年から見てしまうと物足りなさを感ずる。 ★は6つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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舞台は新宿歌舞伎町。 様々な勢力が幅を利かせるこの街で綱を渡るように孤高に生きる男「劉健一」。 過去の因縁から人探しをすることになった劉、残された期間は三日。 自身の信念のもと一計を案じる劉の前に顕れる蠱惑の女、短兵急な計画は暗黒街の闇の中で容易く瓦解してゆく・・・。日本に巣食う中国マフィアを描いたアジアンノワール。 全員悪人を標榜した映画がありましたがあの映画だってもうちょっと善人じみた人はいたと思う。しかし本作は掛け値なしに全員悪人、油断すれば寝首を搔かれるとはこの事、誰一人信頼に値する人間はいない。 主人公の劉は仕事上「信用」は得ようとするが他人を「信頼」することはない一匹狼、恩義や血筋さえも自身の生き延びる糧として扱う。 こんな薄情な主人公を狂わせる巨悪の奸計と女への恋慕、未来を勝ち取るためでなく唯今日を生き延びるためにひたすらアウトローに徹する狼の生き様を味わってもらいたい。 ラスト数ページにて物語は帰結し主人公は完成する、常識や人情をかなぐり捨てたハードボイルド。 久しぶりのド硬派はちょっと自分には硬すぎたかな、★は6つ。 |
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前の作者がお題を決めれる北村薫主催の連作アンソロジー。 個性が尖りすぎてる錚々たる面々が並んでおります。 題を活かしつつ、前者の要素を絡めつつ連作の要素も兼ねている短編集。 面白いですけど全体的に話が暗い、特に後半の面々はイメージ通りの苦い話を持ってきています。 短編集ならもうちょっと軽い洒脱な話が合っても良かったですね。 功労者は間違いなく辻村氏、作品の大トリを締めるポジションを見事にこなしていて、このバラバラな短編群を一つの作品集に昇華しています。 |
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殺意や無実の証明とは難しいものである。 科学捜査や映像証拠の乏しい昔なら尚更のことで、本作は運命のすれ違いから思わぬ終わりを迎えてしまう。 フィクションではあるが元法曹家の作者が実際に出会ってしまった事件なのかもしれない・・・。
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海野十三の短編集。 1900年代前半に書かれ、未来を希望的観測ではなく「アンチ・ユートピア」で描いた作品が目立つ。 技術を持った人類への警鐘ともとれる筆致にはドキリとされる。
特段好みな「十八時の音楽浴」では性転換やロボットといった技術が進み、人間の快楽・娯楽的部分も機械にコントロールされる世で独善的な政治が行われる。 先進的技術で国を統治したり、他国を脅かす様は核をちらつかせ為政を行う様に重なる。 予言書として書かれた作品では勿論無いのだが80年前から予想された世界に面白さも感じる一方で恐ろしさも感じる。 |
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灯台守が不可解な死を遂げた。 大胆な物理トリックに輻輳した人間関係、退屈させない。 |
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医師としての誤った診断の可能性を指摘しつつ始まる殺人事件。 真相は読者任せの藪の中・・・。 |
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夢野久作にしてはあまりに普通過ぎる探偵小説。 つまり普通に犯人がいて動機があって社会性があって理にかなっている。 そして不思議なことに凡になっているのだ。 狂ってるくらいが丁度いいですよね。 |
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「坂口安吾盗難事件&坂口安吾探偵小説集」に収録
まだプロ野球の黎明期、球団経営の制度が整いきれていない時代に一人の大投手を複数の球団が狙っていた。 金絡み、恋愛絡みの思惑が渦巻く中その大投手は殺害されてしまう・・・。 坂口安吾の中編小説。 様々なミステリが出てしまった昨今としては驚きこそ少ないもののやはりこの時代のミステリも面白い。 トリックは面白いが人間関係が宙に浮いたままなのが残念。 |
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大阪圭吉氏のデビュー作。創元推理文庫「とむらい機関車」に収録。 デパートに現れた不審死体、彼はなぜ絞刑に処せられたのか。 戦前も戦前、一切奇を衒うことのない論理的な筆致からあくまで事件だけを描く。 そしてパズル的に導かれる身近な解答はまさに推理させる短編ミステリ。 |
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「弥生を殺したのは俺だよ」 時効間近の宵、容疑者の一人は宣言する。 どうやって毒殺を成し遂げたのか、ハウダニットを意識した倒叙ミステリー。 雪の山荘、限られた人数、限られたアイテムで遂行された毒殺事件。 2010年代では中々見ないオールドな設定な感じですね、出来はともかくこういう作品は消えないでほしいです。 「毒」という強力なアイテムが出てくるわけですがその扱いがちょっと自由過ぎるかなぁ、トリックにツッコミたくなるような欠点も散見する気がします。 アガサ・クリスティーを意識したようなどんでん返しもこれでは栄えない。 ★は4つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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天才探偵にも限度がある!? ワイン、デザイン、映像、工学、様々なスペシャリスト、でも謎解きは素人な人たちが日常の謎に挑んでいく短編集。
博学探偵を否定し、専門的素人探偵を押し出した意欲作。 専門的知識を扱うミステリが増えた昨今、あらゆる視点から事件を俯瞰すれば解けない謎なんて無いのだと思うことも屡々。 蘊蓄満載の日常ミステリーになってます。 コンセプト、キャラクターは良しだが全体的に起伏不足な感じ、短編集はもっと大袈裟でいいと思います。★は5つ。 |
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復讐を企み犯罪組織に潜入した「鈴木」は復讐の相手を何者かに横取りされてしまう。 存在不確かな殺し屋「押し屋」の仕業? 後に引けなくなった鈴木は押し屋の正体に迫ろうとする。 その他方で、押し屋の存在を嗅ぎ付けた殺し屋「鯨」と「蝉」もそれぞれの思惑を持って動き始めた。 3人の男の視点で描かれ、幻想的要素も綯交ぜにした殺し屋エンターテイメント。 復讐、殺し屋そして裏社会とアンダーグラウンドな世界を舞台にしながら、暗い雰囲気はほとんど搔き消されてます。 鈴木の行き当たりばったりの行動や蝉と岩西の掛け合いは笑ってしまうような愉快さを持ち合わせ、3つの視点で流れるように展開される物語は殺し屋小説ながら非常に軽快です。 しかし「押し屋」に迫る群像劇、完全に消化されないまま尻すぼみに終わった感じは否めないです。 ★は6つ |
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人間の暗黒面を全面に滲ませた乙一さんらしい作品。 残酷な一面を持つ高校生二人と短編ならではの大胆なトリックが光る。 自分としては「犬」や「リストカット事件」、物語としては本筋外の作品の方が楽しめました。 乙一作品の雰囲気を味わいたい人なら読んで損は無いんじゃないでしょうか、★は6つ |
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鯉ヶ窪学園シリーズ1作目。 「探偵部」を舞台にしたユーモラス学園ミステリー。 メイントリックは大分自由でユーモアミステリだから許される範囲です。 細かな謎解きは身近で楽しい。 最大の欠点は女の子が足りない!! 東川篤哉氏の作品にはやはり女性キャラは欲しい、★は6つ それにしても広島カープ強くなったなぁ。 |
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