天使

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評判

天使の評価:

4.28/5点 レビュー 25件。 A ランク

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平均点4.28pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21〜31 2/2ページ
No.11
(5pt)

装飾を削ぎ落とした無愛想な文体こそが・・・

 装飾を削ぎ落とした無愛想な文体こそが、佐藤亜紀の真骨頂だ。文章が凝縮されており、情報量が非常に多い。それでいて、無駄が少ないのである。無駄が少ないから、ストーリーの展開も速い。そのため、漫然と読み流せるような読み物として、この『天使』に向かうと、読みにくいのである。
 しかし、一旦その凝縮された文章に頭の波長を合わせると、目に次々と情報が飛び込んできて、目まぐるしく進むストーリーとともに、読者は眩暈の様な興奮を味わう。 それこそまさに、超能力のように。
 最初は読みにくいので、とっつき難く感じる読者も多いだろうが、独特の香りに嵌まれれば病み付きになる。日本語の文章としての一つの到達点であろう。設定には、少女マンガ的なモチーフも盛り込まれており、エンターテインメントとして楽しめる。
天使 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 天使 (文春文庫)より
4167647036
No.10
(5pt)

文字による映画

現実離れした要素を扱っているにも関わらず、この小説には圧倒的なリアリティがある。それを成立させるのは、状況説明など作品世界を外から俯瞰する視点を排除した書き方だ。事物を視覚的に記述する文章を追っていく間に、まるで映画を見ているように、読者の眼前に世界が立ち上がって来る。しかし読者は読みながら頭の中で再現するのだから、自分で映写機の役割も果たさなければならない。それだけ読むのに苦労するが、それに見合う快楽を与えてくれる小説だ。
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100
No.9
(5pt)

活字が苦手な人にも

端正で熱のない文体は、最初に読むのをためらってしまうくらい。
「え?俺読んでもいいの?」と実際に思った。
けれど、この突き放されてる感覚は、物語を読み進めてく内に大きな錯覚であったと気付く。
一つ一つは目を留めて見るほどのものではないんだけれど、
それを丁寧につなぎ合わせていったら、いつの間にか凄く綺麗なオブジェが出来上がってた。
そんな感じがした。
僕は頭も悪く、趣味もヲタク丸出しな文学とは程遠い所にいるダメ人間ですが、
そんな自分でも最後まで読むことが出来ました。
分からない単語や読めない漢字、第1次世界大戦時の欧州の様子など、気になったところは調べてでも読みました。(プロイセンなどという国は聞いたことがなかった
物語が硬派なファンタジーであること、何より著者から語られる登場人物達の描写が
とてもとても美しかったことが、最後まで読ませる力を与えてくれたのだと思います。
とてもよい作品だと思います。大好きな小説です。
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100
No.8
(5pt)

こういうものはどうでせうか?

 小説としてしか表現できない形でもって超能力者を描ききった傑作である。ちょっと漫画や映像で表現するのは不可能だろう。作品世界で描かれている超能力である「感覚」の描写は抽象語のオンパレードなため、その点で読者は骨が折れるかもしれない。まあ、それも仕方なし。そういう能力なんだから。
 しかし、これもまた芸事として文芸を捉えれば、この作品はまさに至芸である。生半可な「純文学」よりも遥かに文学的である、というよりもこの作品のほうが真っ当な文学である。
 ただし、である。読者を選ぶ。ライトノベルしか読まない人間はやめて置いた方がいいだろう、というか古典作品をあらかた読んでから手を出した方がよろしい。
天使 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 天使 (文春文庫)より
4167647036
No.7
(5pt)

天使のような悪魔のような

この稀有な作家の存在をつい最近知った。まだ文庫化されている3冊しか読んでいないが、そのどれもが異なる素材と主題を選びながら、全て日本の小説ではちょっとお目にかかれないような完成度を誇っている。凝りに凝ったプロット、魅力的な人物造型、歴史と政治への深い理解。そして何よりも、読むことの快楽を極限まで追求した、無駄の一切ない、それでいて密度の濃い文章。小説の世界にどっぷり浸ることが出来る。この『天使』は、そうした佐藤亜紀の魅力が頂点に達した作品だと私は思う。当然面白い。しかし、その分難解なのである。まだ佐藤氏の小説を読んでいない方は、『バルタザール』『1806』から読み始めることをお勧めする。他のレヴューにあるとおり、この小説は「説明」というものを理解不能になるぎりぎりのところまで削ぎ落としている。だが、氏の小説をある程度読みなれれば、この難解さは容易に快楽へと変わるだろう。というわけで、佐藤亜紀の小説を読んだことがあり、かつ面白いと思った方には、留保無しで胸をはってお勧めできる本である。
天使 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 天使 (文春文庫)より
4167647036
No.6
(5pt)

感覚描写の傑作!

ドイツ語圏近代に徹底的にこだわる奇才、佐藤亜紀の、帯に拠れば「サイキック・ウォーズ」である。彼女の語り口は毎度極めてスタイリッシュにして難解、そのため完成度に比し、一般的知名度は高いとは言えないが、世界観の構築という意味では右に出る作家は少ないだろう。本作の特色はSF的世界観や舞台設定の緻密さで語られることが多いが私見では、感覚描写の巧みさにあると考える。安く言えばエスパーの戦いが、幼稚な劇画に陥らないのは肉体に結びついた確かな感覚描写があるからだろう。そういう意味では、舞台設定に反して、極めて女性的な作品である。
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100
No.5
(5pt)

キャラクタと文体にしびれましょう。

傑作。
文芸でも、かっこいい超能力/諜報モノはかけるんだ、という最高の証明。
作者は喜ばんだろうけど、推理作家協会賞とか星雲賞とかSFプロパも
賞をあげなきゃだめだよ。
超能力者同士の戦いの描写は、読んでいて頭が捻れそうになるし、
キャラも魅力的で、これなら大友や萩尾のコミックにも拮抗できる。
もちろん佐藤亜紀作品ですから、小中学生にもわかります。という
親切なエンタメ作ではないので、下記(ご亭主の解説)が参考になるでしょう。
http://home.att.ne.jp/iota/aloysius/someone/shelf/t_angel.html
天使 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 天使 (文春文庫)より
4167647036
No.4
(5pt)

やっとーーー

出ました!「天使」文庫版!!待ちかねてました。単行本買いそびれた方、単行本も文庫本も買って普段は文庫本で読む方、文庫本のみ買って愛蔵するぞ、という方。。皆様待ったかいがありましたね。雲雀も早く文庫になって下さい。
天使 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 天使 (文春文庫)より
4167647036
No.3
(4pt)

ボリス・ヴィアンを彷彿とさせます

ボリス・ヴィアンを思わせる繊細で少女的で潔い文体。まさにデューク・エリントンの音楽を聴いているかのような心地良さです。ただ、定義付けされていない”力”での戦いが些か分かり辛いところもありましたが。親子の掛け合いや兄弟との交流が情に流され過ぎず、しかし確かな繋がりも感じられさすがに上手いなあと思いました。
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100
No.2
(4pt)

この感覚を今から味わうのは最高の贅沢。

ぼきぼきと折れるような力強い文体と、ざわざわと首筋に這い寄るような異能の表現がいわく表現しがたい融合を見せている作品。もしあなたが「物語と文体の間に溺れる」という体験をしていみたいのなら、まさにうってつけの一冊。「あらすじ」などをカンテラにせず、この本へと飛び込まれたい。
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100
No.1
(4pt)

サイキック・ウォーズの新しい形

人の心に触れる事ができ、心の力で戦うことが出きる者達の闘い。表立っては書かれていないが、まさにサイキック・ウォーズ。しかし、「サイキック・フォース」や「幻魔大戦」の様ではなく、サイキック・ウォーズの新しい形を見せてくれます。一歩間違えれば、マンガっぽくなってしまいそうですが…冷静な筆致とムダをそぎ落とした構成がハードボイルドなムード。戦時下のウィーンを中心に繰り広げられるのは駆け引き、謀略、腹の探り合い…といったスリリングな展開。しかし、ラストは無駄を省きすぎたのか、物足りなく感じてしまった。この素っ気無さがハードボイルドなのかもしれませんけどね
天使 Amazon書評・レビュー: 天使より
4163214100