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荒野のホームズ



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【この小説が収録されている参考書籍】
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)

荒野のホームズの評価: 4.50/5点 レビュー 8件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(5pt)

面白い。文庫化を望む

西部開拓時代の雇われカウボーイ兄弟、シャーロック・ホームズに憧れ探偵になりたい兄グスタフと、兄を尊敬してついていくワトソンポジションの弟オットーが挑む殺人事件。この設定を見るとコメディっぽく感じますが、真面目に本格的にミステリ小説です。ユーモアはたっぷりあります。語り部である弟オットーの軽妙な語り口にニヤっとさせられます。ウェスタンな推理小説はないかと探して、この小説に行き当たりましたが大当たりでした。もっと早くに気づけばよかった…。友人にも勧めているのですが、いかんせん絶版で買って配るということができないのが痛いところ。できたら文庫化、または再版をしてくれるといいのですが。続編の「荒野のホームズ西へ行く」大変良いできでした。支えあって生きていく兄弟の未来に幸あれ。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.7:
(5pt)

自分を自分でなんとかしなければいけないだろうすべての人に。

70年代末くらいからホームズ関連のものはパスティーシュ含めて
見つけては喜んで読んで参りましたが、これはとんでもなく素晴らしい。
紹介とかいって 中をつまんでしまってよいのか、大変悩ましいところです。

 読み書きを学ぶ機会のなかった無学なカウボーイ グスタフ。知識では
なく、観察し考える事で事実にたどりつくホームズは彼のヒーローです。
 カウボーイである自分が、なぜ危険を犯し目の前の殺人事件を解決
しようとしているのか、 荒野で枯れ枝を火にくべながら、彼は弟に語ります。

    俺が伯父に「なぜ俺達はカルビン派じゃないのか」と聞いた時の
    ことを憶えているか。伯父はいった「おめえが地獄に堕ちたら、
    それは神様のせいじゃなくて自分のせいだからさ」。
    ……運命ってものがこの世にあるんだとしたら、貧しくてバカな男の
    行く先がどうなるかなんて分かりきっている。 
         だがな、オレはそれが我慢できない。

ビルドゥングスロマンとしての探偵、人が簡単に死ぬ西部の荒野で
ホームズになろうとする男。

非正規雇用の率が増え、正規雇用であれば過酷な働かされ方をし、しかし
明日の保障はないかもしれない。アメリカが先にその状態に突入していま
したが、彼我の時間差を超えて日本にもその波は到達しました。

色々な方が、身にせまってこの過酷な西部のホームズ崇拝譚を
興味深く読めるのではないかと思います。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.6:
(5pt)

何がホームズか良く分からないが、面白い

探偵を始めたきっかけという点以外、ホームズっぽさはあまり感じられません。
しかし、西部劇を背景に展開される物語は謎解きという点では解決が唐突に思えることなど弱い気がしますが、西部の荒くれ男たちのなかで垣間見せる兄弟の思い会う姿など丹念に描かれており、十分に楽しめました。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.5:
(4pt)

兄貴がかっこいい

なんか、高校時代の自分を思い出してしまいました。当時、活字だけの小説を読んだことはほとんどなく、新潮文庫のホームズシリーズで探偵小説に一気にのめりこんだことを。

だから主人公のグスタフ・アムリングマイヤーには時代と国が違っても共感を覚えてしまいました。

西部を舞台に荒くれ者の中で、ホームズに心酔し、憧れを持つグスタフは雇われた牧場で、支配人の死と接する。制止する弟に耳を貸さずに操作を開始する兄、それを疎ましく思う牧場関係者。そして、牧場のオーナーが現れた後に、今度は屋外トイレで死体が現れる。

グスタフはかっこいい!! お勧めです。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.4:
(4pt)

ホームズもののパスティーシュを超えた、“存在感”あるウェスタン・ミステリー

’08年、「このミステリーがすごい!」海外編第9位にランクインした、スティーヴ・ホッケンスミスの長編デビュー作。

時は19世紀末。ところはアメリカ北西部モンタナ州の荒野の牧場。洪水で家族と財産をすっかり失った‘おれ’ことビッグ・レッドと‘兄貴’のオールド・レッドの兄弟は、西部の牧場を渡り歩いた末に、ここで雇われカウボーイの一員となった。このバー・VR牧場はイギリスからやってきた貴族がオーナーをつとめており、どこか怪しげでキナくさい。
彼らは監禁同然の扱いを受けるが、やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が発見される。さらには、密室状況下で黒人カウボーイが額に銃痕のある状態で死んでいるという事件も発生する。

‘おれ’が語って聞かせるシャーロック・ホームズの物語にすっかり心酔した‘兄貴’はこの名探偵よろしく、どちらも殺人事件として調査を進めてゆく。

ホームズが実在の人物として扱われていたり、読み書きのできない‘兄貴’が、ワトスン役の‘おれ’を従えて大西部のホームズとして、その魂を宿して活躍したりという設定はユニークである。

本書は、ウェスタンとホームズの謎解きという一見、ミスマッチな取り合わせながら、それを感じさせない、古今東西のホームズもののパロディやパスティーシュを超えた存在感と読みごたえが‘兄貴’にも‘おれ’にもあり、カウボーイ小説の醍醐味をたっぷり盛り込みながら、かつホームズばりの謎解きの興味を加えた、痛快なミステリーである。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.3:
(5pt)

ホームズ物語は焚き火のそばで

19世紀後半のアメリカの荒野で朗読される「赤毛連盟」。聞くは文字の読めない赤毛のカウボーイ、オールド・レッド。ホームズを神とあがめ、探偵に目覚めた彼は、弟ビッグ・レッドをワトソン役に、雇われ先の牧場の難事件を解決します。ホームズ本人は登場しませんが、正典「独身貴族」の登場人物たちが、重要な役回りで登場します。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
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No.2:
(4pt)

ホームズにも登場願いたい

タイトルに「荒野」と「ホームズ」が二つ並んでいるのが面白く、読み始めた。
ホームズ好きの兄と共にカウボーイの仕事をしている弟が、ワトソンよろしく、語り手となっている。
この弟の語り口が面白かった。
兄が事件を探る様子を、ハラハラしながら、全幅の信頼を寄せることはなく、語っている。
そこには、控えめながらも愛情が感じられて、時にはしんみりとさせられた。
ホームズが小説中の探偵というだけでなく、実在しているという設定というのが楽しい。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
4150018146
No.1:
(4pt)

西部劇での推理小説は珍しい

シャーロックホームズを信奉し、心の師とするカウボーイ兄と補佐役弟の2人が主人公で
なかなか展開も地味だがリアルで当時の西部を理解しやすくどんどん引き込まれる。
しかし、翻訳も難しかったのでは。と、推測する。
まあ、続けては読めないけど、時間が開けば続編も読みたくなるかも。
荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)Amazon書評・レビュー:荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814)より
4150018146

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