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鉄の骨
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鉄の骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全242件 241~242 13/13ページ
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全く門外漢だった「建設業界」や「談合」について、よく理解できたしおもしろかった。 談合とか銀行とか女性にとってとっつきにくい題材でも、池井戸さんの手にかかるとほんとに楽しませてくれます。 中堅ゼネコンの現場で働く入社4年目の富島平太は、突然業務部への異動を言い渡される。 業務部とは、営業、しかも大口の公共事業などが中心。まったく畑違いの部署に不平を募らせる平太だったが、業界のフィクサーと噂される人物と知り合ったり信念を持った上司たちの素晴らしい働き振りを目の当たりにし、徐々に仕事にのめりこんでいく。 しかし、「談合」という壁が常に目の前にたちはだかり…。 世の中には、間違っているとわかっていても仕方ないとあきらめなければならないこととかがたくさんあると思うんだけど、常に自分で何が正しいのか考え続けて主張し続ければ、少しはこの低迷する日本を変えていけるのかもと思わせられた。 建設業界、銀行、東京地検など、さまざまな人たちの立場から事件を見せてくれたのでさらにわかりやすかった。 平太の彼女・萌が、若い平太と先輩のエリート銀行員との間で悩む気持ちがリアル。 確かに、若い時には多少経験を持っている人がかっこよく見えたりするから。 ラストはびっくりです。 | ||||
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分かりやすく言うと“山崎豊子のエンタメ版”って感じなのだけど(失礼!)、すっごく面白かった。 中堅ゼネコンの4年目社員が、突然現場担当から談合課と呼ばれる業務課に異動して起こる、談合を舞台にした話。世間から悪の根源的なイメージのある談合が、必要悪であるのかどうか、下っ端のサラリーマンという立場でありながらその当事者としての葛藤を描かれている。 さらには不況で喘ぐ建設土木業界を中から、そして銀行という立場から眺めつつ、それが結婚を前にする彼氏、彼女の関係におよんでいたり、その背後では東京地検特捜部が談合の真相に迫っていたり・・・。結末までずーっと楽しく読めた。 非常によく練られたエンタメ小説。 マスコミの報道には、なんでもかんでも「いいモン or 悪いモン」のレッテルを貼り、問題を論じる風潮がある。 けれども、登場人物それぞれの立場による考え方や、言動によって、単純な「いいモン or 悪いモン」ではなく自然と多角的な視点を示してくれるのは小説ならではなのかも知れないと思った。そういう意味で、この小説の本当の価値は、 「読み手の価値観を揺さぶってくれること」 にある気がする。 “いい小説”ってのは、色恋物でもなんでもそうなのかも知れないけれど。 | ||||
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