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鉄の骨
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鉄の骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全242件 181~200 10/13ページ
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中堅の土建業である一松組に就職した平太は,現場が好きで,作業服にヘルメットで働いていたが,突如本社の業務課に異動となる。 最初は理不尽な異動に納得がいかず,さらにやりたくもない談合に協力しなければならない状況になった平太も,業務課の仕事をしていくうえで, 「ここでの仕事は難しく厳しいが,やりがいのある何かがここには,ある」 と思うようになる。 この平太を中心とした成長物語として読んでも本書はとても面白い。 一見おちゃらけてやる気の感じられなかった先輩社員西田も,平太が,何のために業務課に配属されたのか,自分に対する自信を失いかけている姿を見て, 「肝心なのはこれからの時間,なにをするかじゃねえのか」 「いま,まるで仕事が分からないのは実力のせいじゃない。経験がないからだ。なんでここにいるのかなんて青臭いことを考える暇があるなら,このチャンスを生かすことを考えな。目の前に転がってきた運をつかむ資格があるとかないとか,そんなことを考えるやつは結局,なにやったってだめなんだ」 と,とてもいいことを言ったりする。 このあたりは,自分のあり方を見つめ直させる内容で,本書のとても良いところだと感じます。 本書は,平太の目線のほか,銀行で働く彼女萌の目線,談合捜査をする検察官の視点など,「空飛ぶタイヤ」同様多視点で物語が進行していき,読者の気持ちをわしづかみにしたら離さないという,相変わらず実に巧い構成をとっています。 社会人としての生き方,談合の是非についてまで考えさせられつつも,人間味のある脇役的登場人物の描写などで飽きがこず,最後まで一気に読まずにおれなくなる良質な作品です。 | ||||
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空とぶタイヤが面白かったので、手に取りました。 池井戸さんは、銀行ものが多いというので、毛色の違うもの、 って言うことで選びました。 基本的に銀行ものがあまり得意ではないので。 期待にたがわぬ作品です。 タイトルから想像できるように、談合をテーマにしています。 そこに関わる富島平太。その彼女萌。若い二人は建設業界と 銀行に働く、そして成長期。 その初な気持ちには、あまりにも汚い世界が存在し、汚い世界を 汚くしている社会を描いています。 その汚さとは、談合。 サラリーマン金太郎を読んだことがある人には、あまりにも 筋が読めてしまうので、期待はずれなところもあるでしょう。 働いて、50も近くなれば、施設の建て替え、機器の買い替えの 際に、疑問が生じること、何回か経験するでしょう。そんな現実に 比較すると、むしろ拍子抜けと感じるかもしれません。 個人的に、お気に入りだったのは三橋さん。 何も肯定せず、何も否定せず、風流もアイディアも勝負運も持つ フィクサーの、優しさ。交渉力。 出来過ぎなストーリーとは言え、故郷の記憶をたぐる平太との やり取り。 常務の描いた終末と、特捜の描いた終末の行方とは。 98点。 空とぶタイヤを読んだ後では、ちょっとねえ。というところも ありますが、良好。 談合の末に、低予算で建てられた建築物は、本当に安全なのか。 そんなテーマで次回作があったりすればなあ。 どう見ても、おかしな入札で、手抜きの機器で仕事をしなければ いけなかった私としては、社会のひずみ。そんな方面からもお願い、 というところです。 それにしても某古本屋のあこぎなこと。半沢大ヒットの直後に 池井戸作品を全国的に一時引き上げてしまうのですから。怒怒怒。 | ||||
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例の半沢効果で池井戸潤は今や本屋に平積みの山がいくつもできるほどの人気作家である。だからというわけではないが、初めて読んでみた。しかし600Pを超えるこの小説、建設業界の談合をめぐるかけひきや内幕を、主人公と主人公の勤める中堅ゼネコンのメインバンクに勤務する彼女の恋愛を交えながら描いている。 正直、最初の方はあまり面白くなく、人物の相関図もよくわからなかった。建設業界をよく知る人や実際に関わっている人には面白いのかもしれないが、かなり最初は間延びする。 この程度の話で600Pってどうなの?と思いながら読み進んでいくと、最初に面白いと思えたのは、平太の彼女の萌が、銀行の先輩であるエリートの彼に惹かれていき、平太との関係が危うなりはじめる、2人の関係が変化していくくだり。 揺れ動く萌の心情、行動が手にとるようにわかり、恋愛小説ではないのにかなり入り込んでしまった。 次の山は、やはり、地下鉄工事をめぐる熾烈な戦い。ここでポイントとなるのが、フィクサー的存在の三橋。映像化するならさしずめ 津川雅彦のようなちょい悪な雰囲気にどうしようもない孤独をまとったような、そんな印象だが 三橋をとりまく人間関係、とくにまだまだ青い、純粋な平太とのやりとりは、魑魅魍魎が跋扈し、とてもクリーンとはいえない業界の中では新鮮、鮮烈に感じられる。 そしてまさにクライマックスはさまざまな思惑に包まれながら挑んだ最終入札の場面。 思惑と調整に負けてしまうのか、はたまた真っ向勝負した平太の会社が勝利をおさめるのか。。 最後は何となくドタバタで出来すぎでしょ?と思わないこともなかったが、勧善懲悪的終わり方でよかったし、平田と萌の恋愛の展開も 落ち着くところに落ち着いてよかった。 期待をいい意味で裏切られ、途中で投げ出さないでよかった。 100Pがそんなに苦でもなくあっという間に進んでいったというのだからこの小説やはり面白かったのだと思った。 | ||||
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あの倍返しの池井戸さんの作品。 この手の作品は、純粋に?下僕として日々会社人として生きている 自分にとって、共感できるできないはともかく、さくさくさくって 読めてしまう作品なのです。 ノンフィクションではないから、心の奥底まで染み渡る読後の気分は 味わえないけど、自分と同じ業界を経験されているだけに、池井戸さんの作品にはぐいぐいと自分の感性を引っ張ってくれる強さを感じることができて、しかも最後は全うな人間が勝利する筋書きが何とも現実との違いから、嬉しいのです。 サラリーマン生活に疲れ、一泡吹かせたいけどどうにもならないことで日々悶々としている「おっさん」にお勧め、、です。 | ||||
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談合は必要悪なのか、談合をやめることで一時的にたくさんの会社、人が路頭に迷ってもいいのか考えさせられました。 | ||||
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読んだあとに知りました。とても面白かったです。空飛ぶタイヤが受賞していないのが、不思議。 | ||||
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書籍の状態がよく、とても満足しています。 今後もこの調子でよろしくお願いいたします。 | ||||
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綺麗な状態で送っていただき、満足しています。 今後ともよろしくお願い致します。 | ||||
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何せ2,500円になるように適当に選んで購入したが、題材が面白そうで楽しみにしています。 | ||||
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さすがの池井戸作品で外れなし、今回は建設業を描いた作品ですが、池井戸ワールド全開!!!! 最後の一大どんでん返しには拍手すら。「小説は面白くないといけない」と百田尚樹氏が言っていたが まさに、その言葉を呈上したい。 | ||||
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ページ数が多い…と思いながら読み出しましたが、その面白さにあっーという間に読破しましたf^_^;) 談合の話だということで、もっと読みにくい作品だと思っていたので、そういう面ではちょっと拍子抜けした感も無きにしも非ず。 でもこれくらいの方が一般読者には読みやすいと思いました。 池井戸作品は硬派な題材でも物語に読者が入り込めやすい(^_^) ただ読み応えを期待している人にはちょっと軽過ぎるかな〜。 | ||||
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数年前から池井戸さんの本を読み始め (他の作家もよみつつ・・・) これですべての作品を読み終えました。 大ファンです。 購入はすべてAMAZON あらすじとタイトルで次はどれにしようかな・・・ 最後まで残ったのがこれ・・・。 池井戸さん タイトル悪すぎ・・・(笑) 「鉄の骨」すべてを読み終えた私の中での池井戸作品の上位に入ります。 それくらい面白くて良かったですよ。 末巻の他作家の記述に タイトルを悩んで変えたとありましたので、やっぱり(笑)と思いましたが 次の作品いつかなあ・・・ 待ち遠しいです★ | ||||
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主人公、富島平太は大手ゼネコンの就職がかなわず、 中堅のゼネコン・一松組に入社する。 希望していた現場での仕事が3年を過ぎたころ、突然業務課へ異動となる。 現場で汗水垂らして働くのとは大きく異なり、 業務課での仕事は入札から受注、請けとの価格交渉など。 そして「調整」。それは談合のことだった。 談合について全く知識のない平太と読者の目線が重なり、 いけないことと解っていつつもどうしても抜けられない苦しさが伝わってくる。 平太の彼女、野村萌は一松組のメインバンクである白水銀行に勤めているが、 萌の目線からは極めてまっとうな理論で正されてしまう。 業界に勤めている人が読んだらリアルな小説なのでしょうか? 最近は『半沢直樹』、『七つの会議』と同一クールで同時に原作がドラマ化されるなど飛ぶ鳥を落とすような勢いの池井戸潤ですが、 本作も骨太な作品でした。 | ||||
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著者の小説」は、てんぽがよいので、物語にはいり込みやすい、この作品もそうで、いつのまにか読み終えていた。 | ||||
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ゼネコンの談合をテーマにした物語。現場から突然、別名談合課に異動になった平太。そこには、知ってか知らずかわからないけれど、平太と同郷で母幼馴染である談合界の天皇と平太を近づける思惑が。談合の是非、法律と会社のルールの間で揺れる平太。そんな平太を銀行員の目でみて距離を感じる恋人。恋人の前には超エリート銀行マンが現れてその二人の間で揺れ。。。池井戸ワールドを堪能しました。最後が、すかっと終わるところもさすが池井戸潤。 | ||||
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ものすごいおもしろい本。 談合がテーマになっているが、 単に建設業界の談合という話のみならず、 社畜として平然と社会に反する行為を受け入れる、 サラリーマン全員に向けられた警句の書だ。 フィクサー三橋の言葉。 「人間であることを忘れたサラリーマンはつまらない部品」。 さて今の日本のサラリーマンに、 人間であることを覚えている人がどれだけいるか。 生き方・働き方を考える良書です。 | ||||
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とても面白い。 著者の本は何冊か読んだが、その中でも特に面白かった。 建設業で働く以前にまだ社会人でもない私にとって、談合はいわば「悪」であったが、この本を呼んだことでその考えが変わった。 バブル崩壊後の日本経済の停滞の中で育った私は、テレビで多くの談合事件を知り、間と民の癒着に私利私欲のこもった純粋なる「悪」を感じていた。 本作でも議員に金が流れているという点では確かに私利私欲のもとで行われた「悪」たる談合ではある。 しかし一方で、マクロ的な視点に立ったとき、そこには共存共栄によって多くの雇用を守り、日本経済への大きな打撃を回避するという側面も隠れている。 確かに必死で働いた税金を官民の癒着によって無駄に使っていいとは限らないが、少しの税金を節約した反動が長期的な将来の大きな損失になることもまた避けなければならない。 長短の利益や官民の利害をどう調整するか、この線引きは非常に難しいものであり、そういった解決策を提示することもまた難しいだろう。 談合というテーマの下で、談合のよしあしだけでなく、談合そのものに対して考えさせられるとともに、間とミントの関係やマクロ経済的な考察など多くのことを考えさせられた。 また、本作の面白さは、サラリーマンにしっかり焦点をあてていることである。 主人公の平太に起こるのは仕事に絡んだものだけでなく、恋人との別れの危機や、親の病気など、プライベートにおいても多くのことが起こり、仕事だけでなくそういったことにも困惑するという設定のために、この談合事件をいちサラリーマンの視点から身近に感じさせられ、また会社の談合への参加という大きな出来事と恋人や親への心配という身近なことの二つの狭間に揺れるサラリーマンの立場の厳しさを感じさせられた。 総じてとても面白く、分厚い本だけれど一気に読み終えてしまった。 | ||||
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建設業界の談合の理想と現実の狭間でゆれるフィクサー、常連、駆け出しの 人たちの人間性がすごく魅力的。 単純に悪者といい者に色分けせず、清濁あわせる感じで進む話の展開は、 先が読み難く、ひさしぶりに読み応えのある一冊だった。 ページ数は多いがそれをまったく感じさせない、というよりむしろ足りない 印象だ。もっと読みたいと思わせてくれた。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算381作品目の読書完。2012/06/07 | ||||
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建設業界の談合が主題であるため、書店で手に取る際ややとっつきにくさを感じたのですが、 読み進むうちに、談合はある意味生きるものの真理に関わるテーマなのだと気づきました。 ダーウィンの言葉 「一番強いものが生き残るわけではない。一番賢いものが生き残るわけでもない。 変化に適応できるものが生き残るのだ。」 企業もある意味1つの生命体であり、業界は種であると考えるならば、 環境の変化に適応し、進化して行かなければ生き残れない、それが真理だと思います。 しかし、談合は強者、賢者の論理でその真理に抗っている。 環境の変化に適応するには痛みを伴うが、それを避け現状の秩序を保つことを優先する。 その様に考えながら読むと、なかなか味わい深いテーマであると感じました。 また、中堅ゼネコンに勤める主人公、富島平太の人間描写も秀逸だったと思います。 彼は、銀行に勤める恋人の前では、談合を必要悪とする建設業界の代弁者となり、 一方で、彼の会社にとって不利益な談合を進めようとする大手ゼネコンの役員の前では、 企業は自由競争の下で努力すべきだと正論を吐く。 この様に一人の青年の価値観が形成途上で不安定である様が巧く描かれています。 また、ある時は会社における自分の存在意義を見失い気弱になったり、 両親の前では心配させまいと気丈に振舞ったりする。 この様に一人の青年の内面と外面が立体的に描写されてもいます。 以上の様に、人間描写も面でも味わい深さがありました。 「経済もの」で「ミステリー的」という独自のポジションニグの著者の作品ですが、 それだけではない味わい深さがあり、 他のものも書店で手にとってみたい、そう感じさせるものがありました。 | ||||
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