ひとがた流し

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

ひとがた流しの評価:

3.84/5点 レビュー 45件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 21〜40 2/3ページ
No.39
(4pt)

流れるように

私は北村先生の小説は全て読みました。

その上で、レビューを書かせていただきますが、この作品は北村作品の中では地味な方ではないかと思います。とりたてて大きな事件のない、淡々としたお話です。流れゆく水のような、穏やかなリズムで展開されていきます。ですが、読み終わって心がじんとしました。

私も千波と同じように、病気の検査をしたことがあり、不安な日々を過ごしたことがあるので、他人事とは思えませんでした。この小説でリアリティを求めたり、トリックを求めることは必要ありません。日常のミステリーが、この小説にに潜んでいます。それを楽しみながら読んで欲しい、そう思います。

私が言うのもおかしな話ですが、北村先生は(文章を読んだことのある方ならご存知だと思いますが)繊細な気配りのできる方です。敢えて病名を伏せたり、死に至るまでの細かな描写をしないこと、同じ病気の女性に対して失礼にならないように注意を払って書いているのだと思いました。

「月の砂漠をさばさばと」を読んでから読むと、より一層この小説を楽しめるのではないかと思います。

北村作品初心者の方は、「夜の蝉」「リセット」などをお薦めします。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.38
(1pt)

小説は、泣ければいいのか?

ストーリーテラーにとって「死に至る病」をモチーフにすることは、禁断の果実だ。手にとってかじりつけば甘い。読者を「涙」というカタルシスに導くことが容易なのだから。同時に、作家本人の生死感が問われることになる。だからこそ志のある作家は、軽々にはモチーフにできないのではないか。だって出来上がった作品が単なる「お涙頂戴」なら、底の浅さを露呈することになるから。

さて、この作品はといえば、私にとってはただの「お涙頂戴」に過ぎなかった。人物造形や設定にリアリティがない、などということは言わない。それが北村センセの持ち味だから。だけど、死に至る病を得た中年女性が、病を得た途端に降って湧いた年下の求愛者を、何の躊躇もなく即座に受け入れ、その「愛」に救われて死に向かう、というストーリーは、ベテランの域に達した作家としていかがなもんでしょう。

死に至る病を得た多くの人々が、たとえ愛する人がいても「一人で死ぬ」ということに我を忘れて怯え、苦しみ、孤独の泥沼の中でのた打ち回っています。その真っ暗な心の中に、一筋の光をさしかけることができる。そういう力量がなければ、「死に至る病」なんて書くもんじゃない。

主人公が人生の土壇場で愛を得て救われたのは、美しくて才能があったからって設定じゃ、美も才もない我々一中年女性は、そりゃないヨ、って感じ。そして、そんな美も才もない(失礼)ふつーの中年女性である友が一人、同じ病気で死の孤独と戦っている。彼女には家族もいない。

そんな厳しい状況の読者に、一条の光を投げかけることのできる。そういう力量がないのであれば、こんなテーマを扱うことは、人として不遜だ。私はそう思う。

「泣ける」というだけで、小説をホメるのはいい加減ヤメようよ。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.37
(1pt)

抑揚のないストーリー。盛り上がらない。つまらない。

ボクには響かなかったです。抑揚のない物語。淡々と進む会話。ちっとも盛り上がりませんでした。

 私は北村さんの小説を初めて読んだものですから、これはどんな小説なんだろうかととても悩みました。青春ドラマ?恋愛小説?それともホラー小説になるの?これは一体、なんと言う部類に入るのでしょう。

 家族と友人と恋愛とを描いた小説になるのかもしれませんが、出てくる人物、物語が想定内の範囲でしか動かないし、さほど魅力的な人物でもない。基本的に軽い会話や日常の細かなディテールの描写が、ドラマティックな展開をスポイルしているようにも感じました。

 日常ってこれくらい淡々としたものなのかもしれませんが、何なのだろうと。ボクにはちっともわかりませんでした。つまらない。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.36
(5pt)

よりいっそう北村薫が好きになった

ミステリー作家としての実力や面白さは衆目が認めるところ。その北村薫が書いた女性を主人公にした小説。

もともとストーリーテラーとしての実力があるところに、泣かせる物語を当てはめてみると、もうとまりません。すごいです。

あつい友情物語というわけではない。一人一人がしっかりとしていながら、どこかに脆さなどが出てくる。そして依存するわけではなく、ただ3人は寄り添って時を重ね続けてきた。お互いがお互いを支えあいながら。

人間が生きるとき。こういう人が身の回りにどれだけいるか。それが重要なのかもしれない。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.35
(4pt)

まっすぐ。

「月の砂漠をさばさばと」が大好きだったので、さきちゃんにまた逢えるのが嬉しかったのですが、連載されていた当時、切り取るだけで読むのは断念してしまってました。
北村作品に登場する女性は何でいつも魅力的なんだろう。千波のやり直せないことが好きな生き方に象徴されるように、挫けそうになっても、いつもまっすぐに前を向いて歩いてる印象があります。北村氏の描く女性に憧れてしまいます。
後半は涙が溢れる場面が目白押しで、電車の中で何度も本を閉じてしまいました。哀しい終わり方なのに、読後感が爽やかなのは、北村マジックかなと思います。
ひとつだけ残念なのは、新聞連載時に素敵に添えられていたおーなり由子さんの挿絵が見られなかったことです。
なので、星4つ。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.34
(5pt)

北村ワールド堪能しました

一気に読んでしまいました。そのあと千波さんの出ていたところに戻って読み返さずにはいられませんでした。とくにプロポーズを受けるところは頭のなかで「ラストシーン」(西城秀樹)という曲がBGMにかかっていました。

3人の女友達の友情と台詞はさすが北村薫さんだなと思いました。

おすすめです。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.33
(5pt)

『秋の花』と響きあう物語------《一所懸命》はどこに残るか。

第三章「道路標識」以降、《一所懸命》という言葉が繰り返し出てきます。

尊敬する父、類の言葉を受け止めようとする玲の姿の表現として。

美々と類の夫婦が、父を慕う娘=玲の心を語る言葉として。

牧子が類に語った、彼の写真に見入る親友・千波の姿を示す表現として。

千波が類に、自らの病を宣告された時の思いを語る言葉として。

鴨足屋良秋が千波との思い出を書いた手紙の中に。

*   *   *

若き日の屈辱を胸に、二十年以上、病も寄せ付けずに誇りを持って仕事を続けてきた千波。

その心に秘めた目標が遂に現実のものになろうとした時、その未来は唐突に奪われます。

これまで《一所懸命》に生きてきて、これからもそう生きていこうとしていた人。その生が明日を失った時、その美しい人の《一所懸命》はどこに残るのか。

この叫びは、『秋の花』での《私》の疑問、

「明日輝くような何かをしようと思った、その明日が消えてしまったら、どうなのですか。その人の《生きた》ということはどこに残るのです」

と重なります。

その答えもまた、『秋の花』のそれと響きあう。思い出が残る。同じく《一所懸命》に生き、彼女と触れ合い、彼女が《生きていて欲しい》と心から願い、支えた人の中に。

真理子が明日へと向けた《きっと》という清冽な思い。

千波がその胸に棘が刺さった時から抱き続けた思いと、重ねていった《時》の重み。

北村薫はそうして宝石のような輝ける意志を描いた上で、そうした美しいものが、花開かないまま終わることもあることを示します。

そして、彼らに餞(はなむけ)を贈り、《それでも》その意志には意味があると謳うのです。

*   *   *

《子、川の上に在りて曰く、逝く者は斯くのごときか。晝夜を舍かず。》

ひとがたは思いを乗せ、消えない記憶を残し、《時》という川を流れていく。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.32
(4pt)

大切な人はいますか?

40を過ぎた3人の女性の友情と
彼女達を取り囲む家族たちを描く感動作です。

みんなが自分以外の大切な人を思う優しい気持ちに
涙がとまりませんでした。
人は1人では生きられない。
大切な人の悲しみや喜びに触れた時に、
頭で考えるより先に体で行動してしまうのが
本当の愛情なのかもしれません。
人を頼って寄りかかって生きることは
実は恥ずかしくも情けなくもなんともない。
むしろ、そんな存在がいることは誇れることなのかもしれません。

千波さんが飼っているギンジローという猫が
とても効果的に関わっていて物語を彩っています。
特にイチョーヤさんのプロポーズにギンジローを絡めたとこなんか流石!!
あれで落ちない女はいないと思います(笑)

題字・装画はおーなり由子さん。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.31
(4pt)

まったり時間が流れていく

新聞連載中は途中で読むのを断念した作品でした。ストーリー展開がゆっくりなので,新聞連載には向かなかったと改めて実感しました。そのまったり感の中に,40代独身女性特有の,一人で生きていくにはそうせざるを得ないくらいのやむをえなさが,ひかえめにではありますがぽつぽつと表現されている。そこに涙してしまいました。それ以外の年代の人もそれぞれの思いで頼り頼られながら生きているのがよくわかります。星3つ後半〜4つ位。
ひとがた流し (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (朝日文庫)より
4022650605
No.30
(2pt)

日常的な大事件勃発?

内容:未婚でアナウンサーの千波、子供が1人いるが離婚した牧子、子供が1人いるが再婚した美々、3人は幼なじみで、アラフィフとなった今でも仲良し。美々の旦那が実の父親ではないと、子供が気づいたり、美々の後押しもあって千波が結婚したり、千波が病気になって亡くなったりと、大きな問題起きますが、学生時代の思い出等振り返りながら、登場人物の心の揺れを写し出しでいきます。
感想:文学的な表現が多く、好きな人は好きなんだと思う。さくさくと事実だけをベースに読んでいきたい合理主義的な読み方をする私には、良く理解できませんでした。教養が足りないのか?私が男性だからなのか?いや筆者も男性だよな?と思いつつ、結局何が言いたいんだっけと思ってしまいました。仲良しな友達がいて羨ましいぞ、とは思いましたが。※個人的見解です。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.29
(5pt)

泣きました

私にもかけがえのない友達が何人かいます。 千波が牧子に最後に会いに来るシーンは、涙なくしては読めませんでした。 北村薫の描く人物、人間関係は「こんなの現実にはないよ、もっとどろどろしてるよ」と思わせるところもあります。 北村さん自身が学校の先生だったからか、なんとなく教科書っぽいイメージもあります。 でも、よく男の人がここまで、女性同士の感情の機微を書くなあ、と思って感心させられます。 いろんな友達におすすめ本としてプレゼントした私の大好きな一冊です。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.28
(5pt)

ドラマで感動、読んで感動

2007年暮れにNHKで放送されて原作はと思い購入しました。
やはりドラマ同様、トムさんがなくなるところは涙して読みました。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.27
(5pt)

ドラマで感動、読んで感動

2007年暮れにNHKで放送されて原作はと思い購入しました。
やはりドラマ同様、トムさんがなくなるところは涙して読みました。
ひとがた流し Amazon書評・レビュー: ひとがた流しより
4022501995
No.26
(5pt)

心にゆっくり染み渡る上質な小説

チープなお涙ちょうだいものになりそうな物語を、心にゆっくり染み込む話にしあげている。
タイトルがそれほどキーにもなってないところなど、数え上げたらきりがない数々の表現が人の世の美しさをあぶり出す。
生きることは周りの人に照らされることでいくらでも輝きを増すということを教わった。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.25
(5pt)

心にゆっくり染み渡る上質な小説

チープなお涙ちょうだいものになりそうな物語を、心にゆっくり染み込む話にしあげている。
タイトルがそれほどキーにもなってないところなど、数え上げたらきりがない数々の表現が人の世の美しさをあぶり出す。
生きることは周りの人に照らされることでいくらでも輝きを増すということを教わった。
ひとがた流し Amazon書評・レビュー: ひとがた流しより
4022501995
No.24
(3pt)

とても満足しています。

感動しました。納品や支払い手続きにストレスはなく満足しています。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.23
(3pt)

とても満足しています。

感動しました。納品や支払い手続きにストレスはなく満足しています。
ひとがた流し Amazon書評・レビュー: ひとがた流しより
4022501995
No.22
(5pt)

心を言葉で味わう 〜女の幸せって?

円紫さんシリーズと、時の3部作は大好きで何度も読んでいましたが
今回、この作品を読んで、
改めて北村薫さんの作品は間違いないな…と思いました。

あらすじを書くと薄っぺらい。だから書きません。
他のレビューで言いつくされているでしょうしね。
テーマだって、一つ一つをとれば目新しいわけじゃない。

でも、ありそうなテーマを違和感なく繊細に紡ぎ、
様々な人間からの心を豊かに描き出す言葉の巧みさは
他の作家さんとは一線を画すのではないかと感じています。
言葉の遣い方が、とにかく丁寧で、優しいです。
命を燃やして必死に、時に不器用に生きる人間への愛を感じます。
直接的な描写を避け、想像の余地を残してくれているのが好きです。

そして、北村さんの小説のキモは会話でしょう。
淡々とした日常会話がとても知的で詩的。
劇的でない日常にこそ、幸せが宿っていたり。

決して順風満帆でない人間たち、
不完全な、とても「人間らしい」人間たちばかり出てきます。

それぞれの立場に身を置きながら、
「女の幸せって、何だろう…」
そんなことを思いながら、でも悲観的にならず、味わえる作品です。
だって、ここに出てくる女性たちはみな、
それぞれに痛みを抱えているけれど、不幸ではないですから。

私も丁寧に生きよう。
自分の心を細やかに感じて、表現して生きよう。
身近な人と、きちんと向き合おう。
悲しみや寂しさに満ちた場面を経て、擬似的にそれを乗り越えたのち、
そんな前向きな決意を静かに持つことができる。
私にとっては、そんな作品でした。

様々な年齢層の、特に女性に読んでいただきたい本です。

別れ、死、愛、血縁、孤独、仕事、
抗えない・取り戻せない時の流れ、
そんなものに、静かに向き合いたい時に。
ひとがた流し Amazon書評・レビュー: ひとがた流しより
4022501995
No.21
(5pt)

心を言葉で味わう 〜女の幸せって?

円紫さんシリーズと、時の3部作は大好きで何度も読んでいましたが
今回、この作品を読んで、
改めて北村薫さんの作品は間違いないな…と思いました。

あらすじを書くと薄っぺらい。だから書きません。
他のレビューで言いつくされているでしょうしね。
テーマだって、一つ一つをとれば目新しいわけじゃない。

でも、ありそうなテーマを違和感なく繊細に紡ぎ、
様々な人間からの心を豊かに描き出す言葉の巧みさは
他の作家さんとは一線を画すのではないかと感じています。
言葉の遣い方が、とにかく丁寧で、優しいです。
命を燃やして必死に、時に不器用に生きる人間への愛を感じます。
直接的な描写を避け、想像の余地を残してくれているのが好きです。

そして、北村さんの小説のキモは会話でしょう。
淡々とした日常会話がとても知的で詩的。
劇的でない日常にこそ、幸せが宿っていたり。

決して順風満帆でない人間たち、
不完全な、とても「人間らしい」人間たちばかり出てきます。

それぞれの立場に身を置きながら、
「女の幸せって、何だろう…」
そんなことを思いながら、でも悲観的にならず、味わえる作品です。
だって、ここに出てくる女性たちはみな、
それぞれに痛みを抱えているけれど、不幸ではないですから。

私も丁寧に生きよう。
自分の心を細やかに感じて、表現して生きよう。
身近な人と、きちんと向き合おう。
悲しみや寂しさに満ちた場面を経て、擬似的にそれを乗り越えたのち、
そんな前向きな決意を静かに持つことができる。
私にとっては、そんな作品でした。

様々な年齢層の、特に女性に読んでいただきたい本です。

別れ、死、愛、血縁、孤独、仕事、
抗えない・取り戻せない時の流れ、
そんなものに、静かに向き合いたい時に。
ひとがた流し (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ひとがた流し (新潮文庫)より
4101373310
No.20
(5pt)

生きる

初めに読んだのは、単行本を図書館で借りて、でした。しかし、どうしても手元に置いておきたくなり、文庫で購入しました。40歳を過ぎた3人の女性たち。その友情は、長い時を経ており、会えても、会えない日々が続いても、必要としあう。彼女たちは、それぞれの未来に向け、生きていく。過去と、今と、そして運命と向き合いながら・・・
ひとがた流し Amazon書評・レビュー: ひとがた流しより
4022501995