世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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評判

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:

4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全238件 101〜120 6/12ページ
No.138
(4pt)

そうだなぁ。

いろいろレビュー読んでて、やっぱり村上春樹さんの本は無理だ、っていう人は全ての物事をいちいち考えすぎているのだと思います。
やみくろって一体何なの?記号士と計算士の争いはなぜ起こっているの?結局何が言いたいの?
なんでサンドウィッチなんかつくるの?なんでパスタなんか茹でるの?なんでそんなに女が寄ってくるの?
みたいに。
そんなこといちいち考えてしまう人はきっとこの人の本は受けつけないのかな、と思います。

洗練された文章、構成が織りなす不思議な世界、雰囲気にただ身をあずける。
それが自然にできるか、できないか。
それによって評価が変わってくるのだと思います。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.137
(4pt)

そうだなぁ。

いろいろレビュー読んでて、やっぱり村上春樹さんの本は無理だ、っていう人は全ての物事をいちいち考えすぎているのだと思います。
やみくろって一体何なの?記号士と計算士の争いはなぜ起こっているの?結局何が言いたいの?
なんでサンドウィッチなんかつくるの?なんでパスタなんか茹でるの?なんでそんなに女が寄ってくるの?
みたいに。
そんなこといちいち考えてしまう人はきっとこの人の本は受けつけないのかな、と思います。

洗練された文章、構成が織りなす不思議な世界、雰囲気にただ身をあずける。
それが自然にできるか、できないか。
それによって評価が変わってくるのだと思います。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.136
(4pt)

言いたいことはわかった

彼の作品はいくつか読んだが、いわゆる村上ワールドのようなものが一番出ているのは多分これだろう
なぜ村上春樹は人気なのか、彼の魅力は何なのか、みたいなことを知りたい人はとりあえずこの作品を読むのがいいと思う。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.135
(4pt)

言いたいことはわかった

彼の作品はいくつか読んだが、いわゆる村上ワールドのようなものが一番出ているのは多分これだろう
なぜ村上春樹は人気なのか、彼の魅力は何なのか、みたいなことを知りたい人はとりあえずこの作品を読むのがいいと思う。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.134
(5pt)

映像化

今頃(2011年)になり、ついにこちらの作品を読み終えました。
1985年当時に創造された作品なのに、
現代の近未来の描き方と変わってないことに圧倒されました。
是非、映像として見て見たい!

70、80年代のインディアナジョーンズやブレードランナーなどの冒険物やSF物の匂いもするなか、
90年から2000年にかけてのダークシティやマトリックスのさらに無機質で進化した世界につながっていき、
また昨今のインセプションにいたるまで、
世界の終わりもハードボイルドワンダーランドも、どちらの世界観も
時代を超え、国境を超えた影響力が実はあるのではないかと思います。

人間の奥深さ、複雑さをを味わうために、
現代の技術をもってして、美しい映像で堪能してみたい作品です。
映像美は後付けで、Paul Thomas Anderson監督あたりが
ストーリー重視で、新天地を開拓してみてほしいものです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.133
(5pt)

映像化

今頃(2011年)になり、ついにこちらの作品を読み終えました。
1985年当時に創造された作品なのに、
現代の近未来の描き方と変わってないことに圧倒されました。
是非、映像として見て見たい!

70、80年代のインディアナジョーンズやブレードランナーなどの冒険物やSF物の匂いもするなか、
90年から2000年にかけてのダークシティやマトリックスのさらに無機質で進化した世界につながっていき、
また昨今のインセプションにいたるまで、
世界の終わりもハードボイルドワンダーランドも、どちらの世界観も
時代を超え、国境を超えた影響力が実はあるのではないかと思います。

人間の奥深さ、複雑さをを味わうために、
現代の技術をもってして、美しい映像で堪能してみたい作品です。
映像美は後付けで、Paul Thomas Anderson監督あたりが
ストーリー重視で、新天地を開拓してみてほしいものです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.132
(5pt)

『1Q84』出版以前に書いた文章です

高校時代に『ノルウェイの森』を読んで衝撃を受けて以来、村上春樹は、常に僕のヒーローであり、ロール・モデルであり続けてきた。

1985年に出版された本作。個人的には、村上春樹が世界的作家としての一歩を踏み出した、記念碑的作品だと思っている。驚嘆すべきイマジネーション、抜群の面白さ、人の内面世界に迫る物語の深み、そして、小説としての完成度の高さに、胸が震えた。何度も読み返しているのに、そのすばらしさに、感嘆のため息が出た。これだけの作品を、「作家としてのキャリアの初期に」書いたのか!?

村上春樹は、読者とのメールのやり取りを単行本化したものの中で、この作品(そして『ねじまき鳥クロニクル』)を書いたことに触れ、「骨をごりごりと削るような作業だった。一生のうちで、何度もできることではない」と語っている。

この作品が上梓されてから20年以上経った今も、村上春樹は、作家として進化し続け、自らの小説世界を異様なまでに深化させている。

個人的には、この『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に加え、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』が、現段階での村上春樹の三大傑作だと思う。

Wikipediaの「村上春樹」の項目からの引用だが…



2008年4月、共同通信社とのインタビューで「今、次の長編を書いてます。長いんです。やたら長いの!」と明かした。「毎日五、六時間も机に向かい、もう一年二カ月ぐらい、ずっと書いてる。」と語り、新作のポイントを問う質問に対し、「それは『恐怖』です。手応えはある。僕の重要な作品になる気がする。」と答えた。



キャリアの初期にこれだけの達成をし、約30年のキャリアの間で、異様なまでに物語を深化させてきた作家が、これ以上、物語の深みを追求する…もう、言葉が出ない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.131
(5pt)

『1Q84』出版以前に書いた文章です

高校時代に『ノルウェイの森』を読んで衝撃を受けて以来、村上春樹は、常に僕のヒーローであり、ロール・モデルであり続けてきた。

1985年に出版された本作。個人的には、村上春樹が世界的作家としての一歩を踏み出した、記念碑的作品だと思っている。驚嘆すべきイマジネーション、抜群の面白さ、人の内面世界に迫る物語の深み、そして、小説としての完成度の高さに、胸が震えた。何度も読み返しているのに、そのすばらしさに、感嘆のため息が出た。これだけの作品を、「作家としてのキャリアの初期に」書いたのか!?

村上春樹は、読者とのメールのやり取りを単行本化したものの中で、この作品(そして『ねじまき鳥クロニクル』)を書いたことに触れ、「骨をごりごりと削るような作業だった。一生のうちで、何度もできることではない」と語っている。

この作品が上梓されてから20年以上経った今も、村上春樹は、作家として進化し続け、自らの小説世界を異様なまでに深化させている。

個人的には、この『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に加え、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』が、現段階での村上春樹の三大傑作だと思う。

Wikipediaの「村上春樹」の項目からの引用だが…



2008年4月、共同通信社とのインタビューで「今、次の長編を書いてます。長いんです。やたら長いの!」と明かした。「毎日五、六時間も机に向かい、もう一年二カ月ぐらい、ずっと書いてる。」と語り、新作のポイントを問う質問に対し、「それは『恐怖』です。手応えはある。僕の重要な作品になる気がする。」と答えた。



キャリアの初期にこれだけの達成をし、約30年のキャリアの間で、異様なまでに物語を深化させてきた作家が、これ以上、物語の深みを追求する…もう、言葉が出ない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.130
(5pt)

大好きです

最初、舞台に入っていけませんでした。異様で、奇妙で、安っぽい架空の世界のようにさえ感じました。その状態から舞台に入り込むまで、100ページ程かかりました。 そこからは、読むのを止められませんでした。上下巻、1日で読み切ってしまいました。 突拍子も無い世界から、”こんな事もあり得るかもしれない”と思わせる所まで引っ張っていく、(僭越ながら)春樹氏のパワーを感じたと言いたいです。 他の作品も楽しみです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.129
(5pt)

大好きです

最初、舞台に入っていけませんでした。異様で、奇妙で、安っぽい架空の世界のようにさえ感じました。その状態から舞台に入り込むまで、100ページ程かかりました。そこからは、読むのを止められませんでした。上下巻、1日で読み切ってしまいました。突拍子も無い世界から、”こんな事もあり得るかもしれない”と思わせる所まで引っ張っていく、(僭越ながら)春樹氏のパワーを感じたと言いたいです。他の作品も楽しみです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.128
(4pt)

まるで、よくできた精密機械のよう…

この作品は例えるなら、よくできた精密機械のようだ。余分な隙間が無い。細かいパーツも素晴らしく、その出で立ちは美しいほどに完璧に近い。 読み始めると、この作品の持つ圧倒的な文章力と巧みに練られたストーリーで、ぐいぐいと引っ張るパワーを感じることが出来る。そこですんなり感情移入となれば良かったが、自分はそのドアを見付けるのに手間取った。それを見つけたのは、下巻の半分を過ぎた辺りだ。だから純粋に楽しめたかと言うと、そうではない。 好きな人はとことん好きになるんだろうな、と思う。そういう意味では残念だ。けれど、素直にいい作品だとは言える。最高傑作と謳われるのも分かる気がする。文章、ストーリー共に解りやすい。結末は他の村上作品と比べても、すっきりしている。あとに残る独特な余韻は例によってあるが、それは決して居心地の悪いものではない。少なくとも、個人的にはそう感じた。またいつか読み返してみようと思わせる一冊だ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.127
(5pt)

最高に好きな作品です

大学生の頃に村上春樹作品を読みあさり、その中で一番好きだったのがこの本です。切なさがたまりません。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.126
(5pt)

いつまでも「新しい」作品!!

個人的には最高傑作。2つのストーリーが同時進行していく構成は、読み進めるとともにリンクする。村上春樹氏の作品は「哲学」を題材にし、深層心理の描写に比喩表現が多く用いられる。しかし、本作品は「科学」を題材にし、現実と虚構の狭間を上手く表現している。珍しくオチが理解しやすい。(東野圭吾氏の作品、「パラレルワールドラブストーリー」と似通った雰囲気を持っているだろうか?)本題に入るまでの長さは相変わらずだが、入ってからの物語の展開速度は他作品の追随を許さない。「もし存在するなら巻き込まれてみてもいい世界」、ぜひ一読していただきたい。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.125
(4pt)

まるで、よくできた精密機械のよう…

この作品は例えるなら、よくできた精密機械のようだ。余分な隙間が無い。細かいパーツも素晴らしく、その出で立ちは美しいほどに完璧に近い。 読み始めると、この作品の持つ圧倒的な文章力と巧みに練られたストーリーで、ぐいぐいと引っ張るパワーを感じることが出来る。そこですんなり感情移入となれば良かったが、自分はそのドアを見付けるのに手間取った。それを見つけたのは、下巻の半分を過ぎた辺りだ。だから純粋に楽しめたかと言うと、そうではない。 好きな人はとことん好きになるんだろうな、と思う。そういう意味では残念だ。けれど、素直にいい作品だとは言える。最高傑作と謳われるのも分かる気がする。文章、ストーリー共に解りやすい。結末は他の村上作品と比べても、すっきりしている。あとに残る独特な余韻は例によってあるが、それは決して居心地の悪いものではない。少なくとも、個人的にはそう感じた。またいつか読み返してみようと思わせる一冊だ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.124
(5pt)

不思議なストーリーの中で

村上春樹さんの本を何冊か読みましたが、面白い面白くないに関わらず、気がつけばなぜか引き込まれてしまうものが多いと感じました。
この本も例外ではなく、不思議で実際にはあり得ない世界をリアルに描いていました。初めはこのタイトルの2つの関連性について全く分かりませんでしたが、これを見事に関連づけて表現していました。
少々ネタばれになってしまいますが、特に自然と共感できる部分があったので引用させて頂きます。
『世界には涙を流すことのできない哀しみというのが存在するのだ。それは誰に向かっても説明することが出来ないし、たとえ説明できたとしても、誰にも理解してもらうことのできない種類のものなのだ。その哀しみはどのような形に変えることもできず、風の無い夜の雪のようにただ静かに心に積っていくだけのものなのだ。』
この部分を見た時なにかジーンとくるものがありました。多分十年前の私が同じ部分を見たとしても何も思わなかったと思いますが、この哀しみというのは、人が年月を経て、あるいはいろいろな経験をしていく過程を通して自然と感じるものなのかもしれませんね。結局、人は他人になることはできず、自分も他人には成り得ない、そういった所でなにか説明できない、あるいは言葉には表現できない、自分だけしか分からないものがあるのではないでしょうか。
最後に、私の独りよがりかも知れませんが、村上氏はこういった小説を書くことで必死になって”自分探し”をしているのではないかと思いました。自分という存在がなに者であるのか、自分自身でも説明がつかない自己のアイデンティティーについて。村上氏の本では”森”や”井戸”といった場面が度々見られますが、進めば進むほど、下れば下るほど、深淵へとつながるこの2つの様に、自分という存在についても深いところまで考えることで徐々にその意義や核心に迫っているのではないか、そう感じました。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.123
(4pt)

パラレルワールド

以前にカフカを読んだことがあり、全く面白くなかったし、いちいち鼻につくし、カーネルサンダースみたいな登場人物って。。。冗談のつもりか?
(私にはよくわからん世界観だ)と思っていました。
でも気になる作家なんで、それで読んでみました。
とても面白かったです。
世界の終わりと、ハードボイルドワンダーランド
選択を迫られる世界と、選択権のない現実
心がない分平和にすぎていく世界と、心にふりまわせれたりひきずられたりしながら生きていく世界
失ってきたものと残っているもの
。。。。
二つの世界の主人公、それぞれに葛藤があってとてもとてもよかったです。
『僕』と『影』の関係がなんだか切ない気分になったなー。
ただ音楽に関して自分は知識がないので、深く読み込めていないのではないかと思い星を一つ減らしました。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.122
(5pt)

パラレル。「世界の終り」より

「懲りるのはいいことだ。人は懲りると用心深くなる。用心深くなるとけがをしなくなる。良い樵というのは体に一つだけ傷をもっているもんだ。それ以上でもなく、それ以下でもない。ひとつだけさ。俺の言っていることはあんたわかるよな?」
「俺はこの前、君に会ったときに、この町は不自然で間違っていると言った。そして不自然で間違っているなりに完結しているとね。たしかにここの人々は、誰も傷つけあわないし、だれも憎しみ合わないし、欲望も持たない。みんな満ち足りて平和に暮らしている。なぜだと思う?それは心というものを持たないからだよ。」
「しかし、君はいくつかのことを見落としている。まず心の問題だ。君は俺にこの町には戦いも憎しみも欲望もないと行った。それはそれで立派だ。俺だって元気があれば拍手したいくらいのもんさ。しかし戦いや憎しみや欲望がないということはつまりその逆のものがないということでもある。それは喜びであり、至福であり、愛情だ。絶望があり、幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない。それが俺の言う自然ということさ。」
「俺がこの町に必ず隠された出口があると思ったのは初めは直感だった。でも、そのうちにそれは確信になった。なぜだかわかるかい?なぜならこの町は完全な街だからだ。完全さというものは必ずあらゆる可能性を含んでいるものなんだ。そういう意味ではここは町とさえいえない。もっと流動的で総体的なものだ。あらゆる可能性を提示しながら絶えずその形を変え、そしてその完全性を維持している。つまりここは決して固定して完結した世界じゃないんだ。動きながら完結している世界なんだ。だからもし俺が脱出口を望むなら、脱出口はあるんだよ。君には俺のいっていることがわかるかい?」
「よくわかるよ。僕もその事に機能気付いたばかりだ。ここは可能性の世界だってね。
ここには何もかもがあるし、何もかもがない。」
「しかし、森の中の生活は君が考えているよりずっと大変なものだよ。街とは何から何までが違うんだ。生きのびるための労働は厳しいし、冬は長くつらい。一度森に入れば二度とそこを出ることはできない。永遠にその中にいなくてはならないんだよ。」
「影を失ってしまうと、自分が宇宙の辺土に一人で残されたように感じられた。僕はもうどこにも行けず、どこにも戻れなかった。そこは世界の終りで、世界の終りはどこにも通じてはいないのだ。そこで世界は終息し、静かにとどまっているのだ。」
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4101001359
No.121
(5pt)

いつまでも「新しい」作品!!

個人的には最高傑作。2つのストーリーが同時進行していく構成は、読み進めるとともにリンクする。
村上春樹氏の作品は「哲学」を題材にし、深層心理の描写に比喩表現が多く用いられる。
しかし、本作品は「科学」を題材にし、現実と虚構の狭間を上手く表現している。珍しくオチが理解しやすい。
(東野圭吾氏の作品、「パラレルワールドラブストーリー」と似通った雰囲気を持っているだろうか?)
本題に入るまでの長さは相変わらずだが、入ってからの物語の展開速度は他作品の追随を許さない。
「もし存在するなら巻き込まれてみてもいい世界」、ぜひ一読していただきたい。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.120
(5pt)

静と動

●1回目
高い壁に囲まれ、外界から虐げられた街で織りなされる静寂な幻想世界、“世界の終り”。
意識の核にある思考回路を組み込まれ、回路に隠された秘密を巡って活躍する波瀾万丈の冒険活劇の“ハードボイルド・ワンダーランド”。
「生」という行為にさしたる意味はなく、「死」という行為には何かしらの意味が存在すると思われます。“世界の終り”を受け入れる時、人は何を思うのでしょうか…。
「絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない。」
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------●2回目
「君は自己を見失ってはいない。ただ記憶が巧妙に隠されているだけだ。だから君は混乱することになるんだ。しかし君は決して間違っちゃいない。たとえ記憶が失われても、心はそのあるがままの方向に進んでいくものなんだ。心というものはそれ自体が行動原理を持っている。それがすなわち自己さ。自分の力を信じるんだ。そうしないと君は外部の力にひっぱられてわけのわからない場所につれていかれることになる」
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.119
(5pt)

なんだか分かった気になる

おお、これが村上春樹か。
文学のことはよく分からないが、こういうのを文才と呼ぶのか。
一般人にはどう転んでも書けないなー
淡々と、ぼんやりと物語は進んでいく。
キーワードも散らばっているのだが、あえてそれを強調していない。
ファンタジー要素もぜんぜん目立たない。
とても余韻が残る。
ただただ、物語を追うのが楽しい。
そして、本当は全然わかっていないのに、なんだか分かった気になる。
そこに込められた寓話性の、気配を感じて高揚しました。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340