世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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評判

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:

4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク

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平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全238件 181〜200 10/12ページ
No.58
(5pt)

この作品で彼はノーベル賞を受賞するだろう。

作品冒頭、巨大なエレベーターでポケットのコインを数える印象的なシーン。そして、金色の一角獣、ピンクの太った娘、老博士、夢読み、影、やみくろ、歌の消失した世界……作家の豊かな想像力を見せつける数々のキーワード。2つの話が並行的に語られるが、あまり気にせず本の順序通りに読み進めると、不思議なシンクロ感が味わえる。意表をつく結末も、読む者におおきな宿題を投げつけられたようで、私自身未だ折に触れて読み返してしまう要因かもしれない。最初、読み通せずに挫折してしまう人も、それだけ読み応えのある作品だと思って、何度かトライしてください。きっとすばらしい作品だと感じ取れるはずです。ところで。単行本も文庫本も今のポップな装幀よりオリジナルの司修氏の暗いイメージのデザインがおすすめです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.57
(5pt)

運命とは

運命とは抵抗できるものなのか。皆さんは普段どのようにお考えでしょうか。この作品の解釈はさまざまだと思いますが、私の感じたこの本のテーマとはまさに「運命」なのではと思います。比較のしようがない「文体」「リズム」がまったく異なる2つのストーリーの展開される中、「運命」については完全に対となってこの物語は進行していきます。一方が自分は運命を自ら選ぶのだというハードボイルド、もう片方はまったく自らの意思が通じない世界の終わり。この物語が交わるとき、二人の主人公はその運命が逆転することを知る。村上春樹さんの作品の中でも最もエキサイティングで最も感慨深い作品だと思います。運命にもてあそばれたい人、運命を操りたいと思う人、一度読んでみてください。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.56
(5pt)

完璧に語られた不完全性

村上春樹の数ある著作の中で完成度が最も高いのは世間も私も認めるところである。それほどまでに、細部に至るまで精密に計算されつくされている。一章ごとに二つのストーリーがパラレルに展開している。二つの世界は互いに影響しあっている。この二つの物語がつむぎだす緊張感がたまらない。村上春樹は翻訳家でもある。翻訳というのは一つの物語を頭の中に概念として記録し、それを違う形のものに作り変える仕事である。小説の主人公は頭の中にブラックボックスを持っていてそこで、なにやら作業をする。作業の内容は主人公にもわからない。これは翻訳家である村上春樹だからこそ、思いついた一つの世界認識の方法であるよう気もする。この作品には考えるべく、問題がたくさんあると思う。しかし、そこを気にしなくても、不思議な冒険物語として気軽に読めるだろう。私は、村上春樹初心者には必ずこの本を進めることにしている。もっとも、読みやすく筆者のテイストも伝わるからだ。村上春樹の最初の一冊に思い悩んでいる人、これから読み始めたらどうですか?
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.55
(5pt)

異議なし!

圧倒的なベストセラーである『ノルウェイの森』の影響からか、どうも村上春樹を典型的な恋愛小説家と誤解している人が多いように思う。しかし、本当の彼は求道的に文学を追求する方法論的な作家である。日本の作家で同じ姿勢をもつ現役の作家は、(私の知る限り)一時期の筒井康隆ぐらいだろう。さてさて、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』であるが、この作品は全く傷が見当たらない完璧な作品である。「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の全く別種であるはずの二つのストーリーが終盤になってスパークするかのように重複し、読者にあまりにも深すぎる余韻を読者に与える。テーマはあまりにも抽象的過ぎるため、おそらく読者ごとに捉え方や表現が異なるだろう。しかし、誰にでも読めるが、通でも深く読める、というのがこの作品の凄さ。量と質を高いレベルで成立させるという奇跡を日本文学で体現させ続ける村上春樹のまがう事なき代表作であるのは間違いない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.54
(4pt)

2つの話のつながりは・・・

世界の終りとハードボイルドワンダーランドの2本立てで書かれた小説ですが、もちろんこの2作にはつながりがあります。そのつながりは、話の最後にわかる仕掛けになっています。この話はほとんど空想でかかれたものだと思いますが、展開される話のステージが、東京の地下であったり、登場人物の設定が、記号士という一種の資格を持つ人物であったりして、非常にリアリティがあります。ここで仕掛けについて書くと面白くないので、是非読んでみてください。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.53
(5pt)

自分自身を取り戻す物語

「ハードボイルドワンダーランド」と「ä¸-界の終わり」の二つの物語が、奇数章と偶数章で同時並行ã-て展é-‹ã-ていくã"の小説ã‚'一言で表現するのは難ã-い。あえて言うならば、自分の意図とは無é-¢ä¿‚に、別の記憶ã‚'埋め込まれてã-まった主人å...¬ãŒã€è‡ªåˆ†è‡ªèº«ã‚'å-り戻ã-に出掛ã'る物語と言えるかもã-れませã‚"。個人のリアリティã‚'形成するものは記憶のæ-­ç‰‡ãŸã¡ã«éŽãŽãªã„。ã-かã-、そã‚"な記憶たちに意å'³ã‚'付与する行為、事象の底に流れる一貫性ã‚'見出す行為が、結果とã-て自己の人格のå"¯ä¸€æ€§ã‚'保っているのではないか。言い換えると、古い記憶、つまり自分がç"Ÿãã¦ããŸæ­'史とのé-¢ä¿‚性においてã-か、自己の存在基盤は規定するæ-¹æ³•はないのではないか、そã‚"なã"とã‚'考えさせられまã-た。手が届きそうでç...®ãˆåˆ‡ã‚‰ã!ª!!いエンディングが、æ˜"はあまり好きではなかったのですが、何å¹'も経ってから読みç›'すと、実はその安æ˜"にカタルシスã‚'与えないとã"ろに意å'³ãŒã‚るのだと思いまã-た。時é-"ã‚'置いて読むと印象ががらっと変わる不思議な小説です。
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4101001340
No.52
(5pt)

自分はここにしかいないし、どこにでもいる

欲しかったはずのものに囲まれていながら、生きている手応えのない世界と、目標に向かって奮闘しているつもりでいつつも、砂を噛んでいるような世界。どちらも、自分の世界を受け容れない限りは、よく生きることもよく死ぬこともできないみたいだ。人が、生きること、死ぬことを諦めて受け容れるには、こんなに手間がかかるものなんだなあと、半ば呆れつつもいとおしく思った。
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4101001340
No.51
(4pt)

世界観に圧倒されます

現実と「世界の終わり」の二つの空間でのストーリーが絡み合ってひとつへと収束していく。この手法はアレックス・ガーランドの四次元立方体でも見たものだが、村上春樹のほうが一枚上手だろう。「世界の終わり」の空気感は子供だった頃の秋の終わりや冬の始まりに感じた奇妙な寂しさを思い出させて懐かしい気分になった。しかし「世界の終わり」の構成の完成度に比べて現実世界の設定には少し無理があるかなとも思った。しかし記号士のような透徹した考え方ができるようになれたらと思わせられた。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.50
(5pt)

読むものを釘付けにする

緊張する物語の展開、ふたつの世界の謎、謎が解けた時の哀しみ、そして文章の美しさ。それら全てが、読むものを釘付けにする。これこそ「村上ワールド」の最高作だろう。人間が死ぬ最期の瞬間、つまり脳の機能が止まる直前に見たもの、それが天国なのだ。物理的にはほんの一瞬だが、見る人には「永遠」として認識される。「天国とはなにか」を、新しい方法で教えしてくれた書でもある。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.49
(5pt)

こ、これは・・・。

村上さんの作品の特徴どあげるとすれば、なんといってもその作品のタイトルの奇抜さであろう。特にこの本なんかはその特徴が顕著であると思う。ぼくは村上さんが好きというのもあるのだが、このタイトルを見てすぐ本を買ってしまった。読み始めるととまらない。なんともいえない村上ワールド。今の僕のこの虚無感はこれだ!こういう世界なのだ!と多少は大げさではあるが震えてしまった。このレビューを読んでいるそこの君!せっかく日本語がわかるんだから、日本語で直接村上ワールドを堪能してみてはいかがかな?
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.48
(5pt)

しあわせのカタチ

幸せといったいなんだろう?幸福とはいったい何か?この本はそんなテーゼをあたえてくれているように思う。人々が笑い、戦争もなく、憎しみがない世界。それは本当に幸せだろうか?作者は次々に問いかけてくる。読み終わるころには読み手それぞれの幸福論が確立することと思う。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.47
(5pt)

交錯する2つの世界と物語

村上春樹作品の中でも人気の高い作品だと思います。クールでリアルな世界で、ある特殊技能を持つエキスパートとして活躍している「私」。どこにあるとも知れぬ高い壁に囲まれた静かな街へやって来て、夢読み係となった「僕」。2人の生きる世界を繋げる鍵は、謎めいた一角獣の頭骨。ばらばらに進んできた2つの物語はやがて交錯し、主人公たちをひとつの地点へと導いて行きます。「ハードボイルド・ワンダーランド」も「世界の終り」も、どちらも何か心に染み入るものがあります。特に「世界の終り」の美しく物語めいた情景は、ロマンティックですらあります。「最近の村上春樹は変わった」とか言われがちだと思いますが、私の個人的な感じとしては、春樹さんはそんなに変わっていないのではないかと思います(もちろん変わったところもあるでしょうが)。少なくとも、「こころ」や「自由」を大切にする気持ち、不完全なこの世界を愛する気持ちは、昔からずっと持っているものなんじゃないのかな。この物語にもそういうものが描かれていると思います。 強さとせつなさを感じる物語です。あ、もちろん魅力的な女性たちも登場しますよ! これもお楽しみ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.46
(5pt)

村上ワールド炸裂!

世界の終わり、そしてハードボイルドワンダーランドという二つの物語が平行的に同時進行していく。そしてそれが最後に一つに繋がるとき、頭の中のもやもやが晴れていった。全く質の異なる話だが、どちらも面白い。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.45
(5pt)

村上春樹にしか書けない冒険物語

とにかくものすごいパラレルワールド。
まず、「ハードボイルド・ワンダーランド」。
首都東京の地下では「やみくろ」が跋扈し、計算士と記号士がお互いにしのぎをけずる。
計算士である主人公は、地下道の奥に住む博士から秘密の依頼を受けて徐々にトラブルに巻き込まれていく。
そしてもうひとつのストーリー「世界の終わり」。
高い壁で周囲を覆われている、とある街。
そこには争いも、悲しみも、欲望さえも存在しない静かで完璧に完結した街だった。
主人公は両目に「夢読み」としての刻印を入れられ、図書館で毎夜一角獣の頭骨から淡々と古い夢を読むのが仕事だった。
このまったく繋がりがないかのような二つのストーリーが交互に展開していく。
「ハードボイルド・ワンダーランド」で、博士から一角獣の頭骨をお土産にもらった主人公は、その頭骨を調べた時から図書館に勤める女の子と親しくなる。
「世界の終わり」で、図書館で一角獣の頭骨から夢を読む主人公は、そこで世話をしてくれる「心がない」女の子に好意を抱く。
一角獣。
図書館。
奇妙な接点を見せながら進行していく二つのストーリーは、終盤に驚くような展開をみせる。
「ハードボイルド・ワンダーランド」で、主人公が行なうシャフリング。
これは、頭の中で行なう暗号化だ。
シャフリングとは、記号士の脳の奥深くに暗号化に必要な手術を行なうことによって、記号士本人にも気づくことが出来ないうちに暗号化を行なうこと。
主人公はシャフリングの手術を受けると同時に、ひそかに主人公の意識の核を人為的に映像化したもうひとつの「意識の核」を脳内に組み込まれていた。
「世界の終わり」では、最初に「影」と身体を切り離された主人公は、自らの「影」から街の地図を描いて届けるように依頼される。
門番の警戒を潜り抜けて「影」に地図を届けた主人公は、街から抜け出す方法を「影」から知らされる。
こういう「とてつもない」独特の物語を書くことが出来るのは、やっぱり村上春樹しかいないのだ。
登場人物が困難な状況に陥っても、誰一人狼狽しない。
これだけの冒険物語を、心静かに読ませることが出来るのは彼しかいない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.44
(4pt)

吹き飛ばされたアイデンティティー

最後の最後まで、
登場人物の名前はだれ一人として明かされることはない。
博士が計算士である『私』に告げた「『世界の終わり』で取り戻されるはずの『失われたもの』」とは、
『私』自身のアイデンティティー、
じぶんが自分として存在するための意味や価値だったのでは。
自分が生きる価値をどこの世界に求めるのか、
なにが自分にとっての現実なのか。
限りなく非現実的な世界を描き出していながら、
頭の中に浮かんでくるイメージはどこまでもリアル。
脳が痺れた。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.43
(5pt)

どんどん読める!

メカニカルでアップテンポな物語と、寓話的な物語がエンディングに向けてリンクし始める様が脳を刺激します。ストーリーに引きずり込まれ、集中して読んでしまいますが、一度では作家の真意は掴めないのでは?掴めない僕は、何度読めばその真の世界観を共有できるのでしょうか。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.42
(4pt)

全体的に緩やか。

上巻と同じペースで緩やかにストーリーは進み、緩やかにトーンは下がる。
細部の描写は比喩も含めて上質ではないが、かと言って飽きる程でもない。
徐々に終熄というか、収束に向かい、最終的にハッピー過ぎずアンハッピー過ぎない終幕。
レビュアー自身、下手に結論を急いだ物語の終わりが好きでないので、この終わりは好きな部類。
全体的にのっぺりとしていて、前半・後半とも感想としては変わらない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.41
(5pt)

幻想的な現実感

村上作品はノルウェイの森以来2作目。
ハイテンポで現実的なハードボイルドワンダーランドと
ローテンポで幻想的な世界の終わり
その相反する二つの世界が繋がり重なり合う。
「私」が使うことが出来るシャフリングという能力に隠された謎。そのキーである「世界の終わり」という言葉。突如手にする事になる一角獣の頭骨。計算士と記号士。やみくろという謎の種族。システムとファクトリー。太った女とリファレンス係の胃拡張の女。そして博士。
「僕」が訪れた「世界の終わり」という街。心を持たないが故に穏やかな永遠の日々を暮らし続ける人々。「僕」の記憶の大半を持つ引き剥がされた「僕」の影。街に住む一角獣。古い夢と呼ばれる一角獣たちの頭角。夢読みである「僕」の手伝いをする図書館の女の子のなくしてしまったはずの心。「僕」の影の脱走計画。
全ての謎が優しく、それでいて複雑に絡み合い二つの世界は除々に重なってゆく。
本当にいい作品に出会えた。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.40
(5pt)

何時の時代もBobDylanはいい

 1985年(昭和60年)にオリジナルが出た本書は、平成20年を過ぎた今も面白く読むことがきる。
パラレル・ワールドを描く本書は、「カフカ」の先駆けのようなものだけに興味深いが、それにしても、当時は"Positive Fourth Street" "Watching the River Flow" "Menphis Blues Again" そして「激しい雨」が一本に収まったテープがあったんだなあ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.39
(5pt)

〈私〉の目覚める時

前々からこの作品の続編が噂されている。著者のファンである私もにわかに期待している。にわかに期待し続けてもう10年になるだろうか。後の長編ダンス・ダンス・ダンスで主人公である僕が、ある朝目覚めた首都高沿いの住居の一室で僕の居る場所の確認を再認識する場面があるが、その後に続く村上春樹作品に伏線として登場する〈私〉或いは〈僕〉の影のような存続性を垣間見せるところがあるように感じられる。 作品としてはふたつのパラレルワールドが同時進行する現実とも異世界ともどこかで繋がっていても決して不思議でないふたつの異なる世界で展開される。〔世界の終わり〕では、受動的な世界に居る〈僕〉は、分身である〈影〉を他界に送り出した後で〈彼女〉と共に新たな生活を選択する。〔ハードボイルドワンダーランド〕の世界では能動的な現世の中で半永久的な眠りに付く〈私〉は、目覚めることがあるとすれば果して本当は何時誰にどのように目覚められるのだろうか。ストーリーテリング溢れる、いろいろと想像力を掻き立てられる作品だと思う。 ふたつの世界の主人公である〈僕〉と〈私〉は巡り会うこと或いはひとつになることが出来るのか。果たしてそうなることが本当によいことなのか。 世界はもう終わっているのに。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359