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【山田正紀】
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神君幻法帖の評価:
4.00/5点 レビュー 5件。 B ランク
Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点4.00pt
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。 未読の方はご注意ください
完成度のかなり高いオマージュだが
山風先生の忍法バトルを俺もやってみたいんだよ!
実は、以前に漫画版の『バジリスク~桜花忍法帖~』を読んでいるので、著者にオマージュの力量が十分あるのは確認済み。むしろ同書や『ミステリオペラ』における著者の多次元嗜好から、本作もそちら方面を盛り込んでいるものと予想していたが、見事に外れたw
その一方で、風太郎オマージュだからという想定以上に、プロットや始まりの演出等々において『甲賀忍法帖』に寄せていて驚いた。
風太郎忍法帖では、怪しげな医学的理由付けで飄々と忍法を説明するのが脱力系お約束というか、魅力の一つでもあったが、本書ではバイオテクノロジーまで広げた解釈をぶち込んでおり隙がないw オマージュ作品として、ハイレベルの出来栄えだと思う。
だというのに、それほど楽しめなかったのはなぜだろう……。
冷静に考えると、読んだ時期、タイミングの問題が理由のほとんどかもしれない【注1】が、幻法という設定がよくわからんというのがひとつある。
最初の方にそこそこの頁数を使って、「道々の輩」系の言説を援用して幻法者を説明しているが、表紙でもわかるように、風太郎オマージュだと高らかに宣伝しているのだから、忍法でいいじゃないかと感じてしまった。
本書に登場する忍者は集団戦闘のゲリラ部隊という位置づけで、特殊能力は持っていない。幻法者が後世になって忍者と混同されたのかもしれないなんて記述にニヤリとはしたものの、哀しい哉、幻法者のアテ馬になる一点しか機能がなかったw
おそらくは出版社の配慮で、それぞれ七人ずつの山王一族と摩多羅一族の登場人物表がつけられているが、輿車の名前が「身乾薪如」で、山王一族と摩多羅一族がそれぞれ担当する輿の名前は「先自身焦」、「未他焼能」。誰がどの一族で、どれを守って、そもそも目的はなんだったっけ……と混乱して、中盤以降はどーでもいいわと登場人物表をあたる労もサボってしまった。
どうもこの物語構成を考えると、著者はわざと混乱させるようにした可能性があるものの、物語への没入感が下がってしまえば本末転倒だろう。
そうした混乱も踏まえての山王主殿介の動きや天海の策謀も、ふぅんで流してしまったし、オチに繋げる歴史ネタも、あるにはあるが弱い。
勝手な妄想だが、本書の失敗を踏まえて、よりダイレクトに『甲賀忍法帖』に繋げて再オマージュに挑戦したのが『桜花忍法帖』なのかもしれない。
【注1】本書をせがわまさきかシヒラ竜也が漫画化いてくれれば、印象を確認できるかもw