アフリカの蹄

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アフリカの蹄の評価:

3.86/5点 レビュー 14件。 B ランク

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平均点3.86pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(1pt)

南アフリカに一度も行ったことがない人は読むな

 私は多少、南アフリカ共和国の歴史に関心を持つ者なので、日本人の小説家による南アフリカを題材とした小説が出たことに喜びをもってこの本を手にしました。ただ、おそらくあまり大して感動することはないだろうと思いながらでしたが。 私は最初から期待していなかった分だけ裏切られたというような気分にはなりませんでしたが、南アフリカの社会や歴史について知っている人にとっては読むだけ時間の無駄となる本であることは間違いありません。というのも、このお話の中で登場人物が当たり前のように「名誉白人」について話しますが、多くの南アフリカ人だけでなく英語を話す人々のうちのほとんどは"honorary white"という言葉を知りません。あまりにも、知的水準の高すぎる人々が登場しすぎるので、この物語の展開にはついていけなくなります。 ただ、この小説は日本人向けに日本語で書かれているので、あまり細かい批判をすべきでないかもしれません。日本の義務教育の教科書の南アフリカの項目に「名誉白人」なる言葉が出ているので、南アフリカで「名誉白人」という言葉が当たり前のように使われるとの前提に立つのは仕方がないのでしょう。「日本人は名誉白人だった」とされる根拠となるボタ内務相(当時)の国会答弁は「日本人は通商上の関係の重要性から公共施設などの利用についてはヨーロッパ系と同様に扱う」としか言っておらず、「名誉白人」に相当する表現は使われたことがないのですから。 この小説は「日本人による日本人のための名誉白人的(南)アフリカ小説」として学術的に研究する上では参考資料となりますが、一般には偏見を増殖させるだけで百害あって一利なしとしか言いようがありません。 私にとっては上のような意味で、再認識できたので「金返せ」とは言いませんが。
アフリカの蹄 Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄より
4062057468
No.9
(3pt)

人はみな、平等に生きる権利がある

以前は、私たちの想像をはるかに超える黒人に対する激しい人種差別が
あった。彼らは、全ての権利や人としての尊厳さえも奪われ、家畜や
物以下の扱いを受けた。白人にとっては目障りな存在でしかなかったのだ。
この作品は、そういう時代の物語だ。白人たちは、黒人を排除するために
「天然痘」を流行させる。予防接種を受けていない黒人の子供たちが
次々に命を落としていく描写は読むのがつらかったが、黒人を救おうと
する作田たちと排除しようとする者たちとの闘いは、読み応えがあった。
やがて、作田たちの勇気と信念は、社会を大きく動かしていく。苦しんで
いる黒人たちに手が差し伸べられた時には、感動を覚えた。たとえ外見が
違っても、人はみな平等に生きる権利がある。この作品を読んで、あらためて
そのことを強く感じた。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.8
(5pt)

やっぱり読む視点が違ってしまう(泣)

 帚木氏の作品を初期の方から読んできて、当然これに当たったわけだが、うん、舞台がアフリカなのも、日本人の正義の味方のお医者さんのかっこよさも、それは十分、物語を面白く読むための材料にはなっていて楽しく読んだのだけれど、私が一番気になったのは、今、どこかで天然痘がはやったら、世界にはこの程度の力しかないのかということ。それを考えるととても怖かった。これって皆さんには当たり前、常識の範囲の話なのだろうか。
 それでも、そんな恐怖はきれいに忘れ去っていたのに、麻疹やら結核やらが流行り出している。新しい病気も怖いけれど、こういう復活系の病気の話は、やっぱり結構怖い。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.7
(2pt)

正義の味方

主人公の罪の意識を解消させるためには小説中でまずたくさんの子供達が死ぬしかなかったのか?主人公が完全にアフリカ人に溶け込んでいけたのは、作品中のアフリカ人たちがまるで日本人のようだから?世の中の人は、差別主義の悪人か正義のために命を投げ出す善人に分けられるの?いろいろ考えさせてくれる小説です。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.6
(4pt)

南アフリカの夜明け前

5年程前、ヨハネスバーグの空港から市内へ向かう道で唖然としたことがあります。先には摩天楼、道ばたにはスラムが続き、夕餉準備をする為の薪をたく煙が立ちあがっていたからです。アパルトヘイトが撤廃されて10年で、まだこうなのか!と思ったのです。この小説の舞台は更にさかのぼること10年(多分)。黒人解放運動の黎明期を舞台に、心臓移植術の研修に来た日本の外科医が、黒人のおかれた立場を見るにつれて同情心を持ち、スラムの診療所で見たものは、死いいたる発疹性疾患。ここから医学ミステリーとも、冒険小説とも言える展開で物語がすすんで行きます。当時の状況を彷彿させる小説で、やや荒唐無稽とも言える話しですが、緊張感を感じさせながらも読者を引きつける筆力はさすが。十分に楽しめる小説としてお勧めします。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.5
(5pt)

あくまでフィクションとして読むべき

厳格な人種差別政策を敷くアフリカの架空の国を舞台にした、すばらしいヒューマン・サスペンス作品である。ただし、どうしても南アフリカ共和国をイメージしてしまうが、あくまでフィクションとして読むべき作品である。この作品の核となる事件は実際に起きていないし、どんな極右勢力と言えどもこれだけのことをやるのはまず不可能だろう。また、白人側に与する黒人をわずかに登場させただけで、黒人側の問題点には切り込んでいない。しかし、思わずノンフィクションと錯覚してしまうほど、プロットや描写力はすばらしい。よって☆は5つ。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.4
(5pt)

ヒューマンサスペンスとして読むには、面白いです。

私は、テレビドラマになったので、原作を読んでみようと思い、この本を購入しました。日本人の作家のサスペンスや、推理小説は、面白くない事が多いのであまり期待していなかったのですが、ヒューマンサスペンスとして読むには、最高に面白いです。小説としてのプロットも良く考えて書かれていると思います。 特にボツアナへ行った主人公が、再度、南アフリカへ戻ってくる部分は、ハラハラさせられます。 今の日本人の医者で自分の保身を考えず、本当に「人の役に立ちたい」と思って医療を行っている人は、どのくらいいるのでしょうか?この主人公の「自分を必要としてくれる人がいるから南アフリカに残って医療を続ける」という選択もすごい事だとおもう。 そういう点から考えると特に世界中の!難民、スラムなどに対する医療のあり方、本当の医療支援について考えさせられる部分も多く、是非、医療関係者にも読んでいただきたい本です。 ただ、南アフリカという場所については、あくまでも仮定であり、実名で南アフリカを名指ししている訳ではないので、本当の南アフリカとの相違点など追求せずに読んだほうが良いと思います。 それから、この本の内容ほど差別が明確でなくとも、我々人間は、心のどこかに差別意識を持っているのだという事も改めて教えられた本でした。 テレビドラマの方ももう1度じっくり観てみたいです。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.3
(4pt)

あわや20世紀の最後のホロスコープ

人間って、どうしてこんなに愚かなんだろう。人種の違い、思想、宗教などの差異でどうしてこんなに憎しみ、殺略し合わなければならないのだろう。舞台はアパルトヘイト以前の南アフリカ。そこへ黒人種を一掃しようと目論む衛生局の白人官吏、これが又三代続いての最右翼。武器は天然痘の細菌だと言うから、恐ろしい。それに立ち向かう主人公、日本人留学生医師。そこで診療している黒人医師らと共に、大変な思いで、これをくい止める。。。又帚木さんのリアリティあるタッチだから,ハラハラしどうしである。実際過去には、ベトナム戦で枯葉病原菌をばら撒くと言うむごい事を遣っていた。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.2
(5pt)

僻地医療をかんがえる

‾「東京都のきぬ」さんのご意見を拝見して、私見を述べさせていただこうと思いました‾
わたしはこの本に心動かされた側の人間です。
おそらく南アフリカという「国家」について造詣が深い方にとっては誤差が多く、それらに目をつぶることのできない仕上がりなのでしょう。しかし、南アフリカについて書かれている本いった視点から本作品に入っていくのではなく、あくまで南アフリカをモデルとした架空の国を舞台に、厳しい環境の下、所謂外地での僻地医療に従事する医師の物語として読む場合には、「青年海外協力隊」や「国境なき医師団」の活動とはまた違った海外での医療活動について考えることができ、非常に読み応えのある作品だと思います。
著者が得意とする医学サスペンスの中でもとりわけこの作品は、医療援助とは何なのか、必要とする人たちに必要な援助を行うには国として個人として何をすべきか、といった遠大なテーマをわたしたちに投げかけているような気がします。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879
No.1
(1pt)

南アフリカに一度も行ったことがない人は読むな

 私は多少、南アフリカ共和国の歴史に関心を持つ者なので、日本人の小説家による南アフリカを題材とした小説が出たことに喜びをもってこの本を手にしました。ただ、おそらくあまり大して感動することはないだろうと思いながらでしたが。 私は最初から期待していなかった分だけ裏切られたというような気分にはなりませんでしたが、南アフリカの社会や歴史について知っている人にとっては読むだけ時間の無駄となる本であることは間違いありません。というのも、このお話の中で登場人物が当たり前のように「名誉白人」について話しますが、多くの南アフリカ人だけでなく英語を話す人々のうちのほとんどは"honorary white"という言葉を知りません。あまりにも、知的水準の高すぎる人々が登場しすぎるので、この物語の展開にはついていけなくなります。 ただ、この小説は日本人向けに日本語で書かれているので、あまり細かい批判をすべきでないかもしれません。日本の義務教育の教科書の南アフリカの項目に「名誉白人」なる言葉が出ているので、南アフリカで「名誉白人」という言葉が当たり前のように使われるとの前提に立つのは仕方がないのでしょう。「日本人は名誉白人だった」とされる根拠となるボタ内務相(当時)の国会答弁は「日本人は通商上の関係の重要性から公共施設などの利用についてはヨーロッパ系と同様に扱う」としか言っておらず、「名誉白人」に相当する表現は使われたことがないのですから。 この小説は「日本人による日本人のための名誉白人的(南)アフリカ小説」として学術的に研究する上では参考資料となりますが、一般には偏見を増殖させるだけで百害あって一利なしとしか言いようがありません。 私にとっては上のような意味で、再認識できたので「金返せ」とは言いませんが。
アフリカの蹄 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アフリカの蹄 (講談社文庫)より
4062635879