さよなら妖精
評判
さよなら妖精の評価:
3.95/5点 レビュー 88件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全190件 21〜40 2/10ページ
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さよなら妖精の評価:
3.95/5点 レビュー 88件。 B ランク
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あらすじはシンプル。マーヤは地元の高校生と友情をはぐくみ、やがて内戦が起こった祖国に帰っていく。主人公君は悲惨なニュースが流れる戦地に渡航しようとするが……
最初は外国人のマーヤの小さな疑問や勘違いから始まる、日本でのありきたりな場面を小さなミステリーとして謎解きが続く。読者たる私はそのプロセスで登場人物の人となりを知り、感情移入していった。
描写は長いが冗長に感じない。なぜなら、文章がうまい。無駄がないのだ。読んだ文章は全て、結末に強い感情を与えるべくなっていた。
私が注目したのはマーヤの国家感だ。
マーヤの父は恐らく共産党エリート官僚で、マーヤ自身も政治家を目指している。
今はなきユーゴスラビアは六つの国家でなりたっていた。
マーヤはユーゴスラビアという連邦自体を七つ目の国家として考え、自分はそれに属する新しい国民だと宣言した。
彼女が政治家を目指すのは、そういう信念あればこそ。
すごく素敵ではないの?
だが、ユーゴは崩壊した。時代、そして人間の考え方の変化にマーヤは悲しむ。理想のもとに一つにユーゴスラビアが、ばらばらに戻ったからだ。感情移入した私も悲しい。
共産主義も連邦制も理想だ。残念ながら人間は理想だけでは生きてはいない。美しい理想だけでなく、醜い内面もある。嫉妬、マウンティング、金銭欲、肉欲……。それらは理想に巣食う癌で、理想は永続しない。
最近は日本でも外国人差別や排斥があり、一昔前の理想が鼻で笑われている。そういう意味でも心にささる小説だった。ディズニーのIt’s a small world は人気がないのか?
肝心のミステリーについては、私は楽しめた。地理をもとにしたミステリーが斬新だ。地図帳の挿絵など有れば、もっと楽しめただろう。私のように「大航海時代」というゲームが好きな人なら、絶対に楽しめる。