紫骸城事件-inside the apocalypse castle
評判
紫骸城事件-inside the apocalypse castleの評価:
4.00/5点 レビュー 10件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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紫骸城事件-inside the apocalypse castleの評価:
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今回は魔法がメインテーマ。前回ではそこまで深く触れられなかった魔法。その原理から応用までいろんな表情が描かれ、物語の鍵にもなっている。今回もファンタジーとしての読み味とミステリー要素を兼ね備えた作品。特に犯人が仕掛けたトリックは盲点だったので驚かされた。読み直してみると丁寧に伏線も張られていて、ファンタジーとミステリーのギリギリを狙っている感じが楽しい。舞台となっている紫骸城というロケーションも不気味なクローズドサークルになっていて、綾辻先生の館シリーズみたいで面白かった。
前作と同様、単なる謎解きではなく戦地調停士という立場から導かれる結末が用意されているのもポイント。前作で話に出てきたミラル・キラルが異様な存在感を放っている。後半で語られた血統の話がとても印象に残った。
「優れた血統などという発想は、生物存在の根本を考えるとき、本質的に矛盾した考え方ですよ。生物は自分とは異なる異性と交配することで、違う生物を産み出す可能性を繰り返していく存在なんです。自分とは違う存在になるからこそ、親は子供というものをつくる意味がある。親と同じとか、受け継いでいるとか、それは結局、ただ本来ならば変わっていくはずのものをただ停滞させているだけという、世界の“流れ”という視点から見ればそれはただの“落ちこぼれ”なんですよ。」
こういう哲学的な内容が零れ落ちてくるところが上遠野作品の好きなところでもある。
「最善というのは、所詮それだけで、その後というものがない─だが次善を良くしようという意志は、その決断以外のことにも広がっていく」
この言葉も好き。最善を選ばなければと思いがちなんだけど、そう思うほどにプレッシャーと最善以外はミスという意識にとらわれるんだよね。次善から広げる方が余地が生まれていいのかもなと感じた。