オリンピックの身代金

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オリンピックの身代金の評価:

4.15/5点 レビュー 176件。 A ランク

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平均点4.15pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全271件 241〜260 13/14ページ
No.31
(4pt)

面白かったよ

正直、20代の自分には時代背景は判らない。
ただ、あの時代の熱気は十分伝わって来た。
オリンピックに対する、いわゆる庶民とそれ以下の人々、そしてその上に立つ人、
それぞれの視点からの描写が細やかに描かれていて、
あの時代、もっと言うと高度経済成長期を知らない自分にとっては
新鮮な感覚で読み進められた。
でも、これはサスペンスなのか?時系列は入り組んでいるが、内容は淡々と進んでいく。
盛り上がるべきところも淡々と。
犯人、警察の捜査の進み具合、そして事件。
全てが予想通り、それ以上でも、それ以下でもなく。
でも、自分にはそも淡々とした進み方が妙に合った。納得しながら話は進んでいく。
「最悪」「邪魔」のしんどさ具合と、
「インザプール」に代表される作品の軽快さ。
その中間に位置するのが今作かな、と。
読後感は悪い訳でもなく、爽快な訳でもなく。
ただ、心地は良かった。
純粋に面白かった。
それは、けしてサスペンスと言う枠ではなく1つの作品として。
最後に一つ。
奥田さんはいわゆる「アカ」をどう捕らえているんだろう。
憧れなのか、冷ややかなのか。
そこが妙に気になった。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
4048738992
No.30
(1pt)

とにかく地味。

今までの奥田英朗作品が好きだから、という理由で読む人にはオススメしません。とにかく地味。そして無意味に長い。
構成はしっかりしてるし、破綻もしてないですが、淡々と話を進めて淡々と終わる、といった印象。やたらと長い割にラストは恐ろしくあっさり終わるのでかなり拍子抜けします。主人公始め、いろんな人物がいろいろ中途半端。
登場人物の視点、時系列をごちゃ混ぜにして書かれているのですが、その意味もあまりよく分かりません。誰のどの視点からでも大体真実は同じ。ミスリードを狙う感じでもなく、分かりきった話を「一応」前半は伏せて書いてあって、後半「ああやっぱりか」という、小説としてはあまりにも芸のない展開です。
ラストどうなるのか、という興味のみで最後まで読みましたが、最後は打ち切りマンガのようなあっさりとした終わり方。一番書くべき場所ではなかったのか。
オリンピックというネタ自体には興味がなく、これまでの奥田作品のファンだからという理由で読んだ自分には、かなり苦痛な作品でした。
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4048738992
No.29
(5pt)

戦後から復興する日本を背景に、東京と地方の格差をスパイスに極上のサスペンスが始まる

520ページの長編ですが、一気に読ませてくれます。
もう止まれません。爆弾犯と友人、負う警察、それぞれの視点から、
かつ、時間を行ったり来たりしながら、物語が進みます。やや混乱しますが、
頭の中にバラバラの映像を残しながら、それらが少しずつ、ひとつにまとまって行く過程で
読者は常に新たな発見をしながら、緊張感を維持しながら読み進めることができます。
そして、時代背景がまたいいんです。高速道路が、空港が、モノレールが、
次々と建設され、地方の貧しい出稼ぎ労働者を飲み込みながら、
東京が立ち上がって行く。そんな熱い昭和の時代の空気を
生き生きと描き出してくれます。
日本の裏社会の様子、公安と警察の微妙な関係など、社会派的な要素を
ふんだんに盛り込み、面白いだけでなく、読後にいろんな余韻を残してくれます。
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No.28
(5pt)

日の丸と太陽とアスリート

率直に面白かった。
というのもこれは勝手な想起だが、
『太陽を盗んだ男』や『強奪箱根駅伝』といった
フェイバリット作に通じるからだ。
クライムサスペンスと言えばいいのか、
この種の話はそのリアリティーの再構築が肝と思う。
その点さすがの著者のてなれば、外してない。
硬質な映像で見てみたい。
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No.27
(4pt)

警察側と東大生島崎国男との攻防

東京オリンピックが開催されようとするときに、警察を狙った爆破事件が起こった。これは、国民に伝わることはなかった。最後には、オリンピックを妨害するという。内密に捜査している警察側と東大生島崎国男との攻防は見ものだ。これは、長編大作で社会派サスペンスなんだろう。物語は節ごとに、島崎国男、警察官僚を父にもつテレビ局勤務の須賀忠、警察側が交互に話が展開される。
昭和39年は、貧富の差が激しい時代だなと感じます。島崎国男が夏休み中飯場でアルバイトを始めてから、周りの働いている人がぜんぜん報われない姿を見て、この社会をどうにかしたいという気持ちから犯行を決意するまでの姿といいますか心の動きはわかるところがあります。警察側との攻防で島崎国男がつかまってほしくないなあという風に思いましたから。
警察が嫌いなわけではないが島崎国男を犯罪へと駆り立てた社会背景はわからないではない。学生の島崎国男が警察に何かをやってやろうと思った動機背景を探るのもいいと思うし、警察側と東大生島崎国男との攻防を楽しむのもいいと思う。
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No.26
(4pt)

直球勝負の大作

昭和39年、オリンピック開催で盛り上がる東京を舞台としたサスペンス。
奥田さんの作品は、伊良部シリーズに代表されるように、ユーモラスなストーリーの中に、ちょっとしたアイロニーが含まれているところが魅力なのですが、この作品はシリアスな作品で、まさしく直球勝負の大作。
あらためて、奥田さんの筆力を知らしめたと言えるのではないでしょうか。
これだけの長編の割には、結末はあっさりとしていて捻りはありませんが、この時代の熱狂は伝わってきます。
特に、最後の数十ページ(開会式前日から当日の部分)の緊迫感とスピード感は見事です。
読んでいて、映像がイメージできました。
ストーリー展開的には、時系列に並んでいないところが、読者の戸惑いを招きます。
奥田作品は、一筋縄ではいきません。
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No.25
(5pt)

あなたは、犯人を助けたいですか

私が小学生の頃ですね。この頃の昭和をはっきり覚えていませんし、自分の住んでいるほかの地方のことは知りませんでしたね。読んでいて、悲しくなりました。落ち込んでしまいました。犯人をいつの間にか応援していました。数日は、あの結末でいいのかと考え込んでいました。
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No.24
(4pt)

『天国と地獄』を思い出しました。

読みながら黒澤明監督の『天国と地獄』を思い出しました。
プロットもストーリーも全く違いますが。
面白い作品でした。
が、貧しい村の出の主人公が義憤に駆られて犯罪に走るまでの葛藤とか
追い込まれていく様、堕ちていく様・・・の描写が少し弱いように感じました。
激情なのか、クールに神の立場から鉄槌を下そうとするのか、いずれにしても
最後の一歩を踏み出すときは狂気に支配され、疾走していく感じというのが
もう少し前面に出た方が、この時代の若者っぽかったのでは?と思います。
未だ読んでいない方は、少し待って文庫になって読んでもいいかなと思います。
文庫になったら即買いでもいいと思います。
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No.23
(3pt)

サスペンスというより、クライム・ノベル

 昭和30年代の世界観がしっかりと構成されている。文体も平易で読みやすい。殺人や覚せい剤などが出てくるわりには、小説全体のムードは明るい。そういう作風なのか、オリンピックのころの日本の活気が文章から感じられるからなのかは分からないが。
 そして物語は動き出す。爆弾騒ぎに脅迫状。犯人は本当に草加次郎という人物なのか。犯人の目的は?犯人らしき人物はあっさりと分かる。ミステリーとは思えず、ちょっと先の読めない小説である。犯人側や、警察側など、いろいろな視点が入れ替わってストーリーは進行する。
 物語の中で、マルクス主義について語られる部分がある。しかし、いささか時代錯誤という感が否めない。まあ、舞台が昭和39年なので仕方ないのだが。マルクスは、資本主義が世界中に行き渡り、その頂点にある国が崩壊すると予言したらしい。しかし、現実はどうか。サブプライムショックがあったとはいえ、アメリカはまだ崩壊してはおらず、そのずっと前にソ連はロシアに変わり、中国は資本主義経済を取り入れている。共産主義と比べて、どちらがより優れたシステムであるかは明らかであろう。
 この本を読んで、改めて共産主義の欠点が分かった。住居がタダで、食料も平等に配分されるなら、誰も真面目に働こうとは思わないだろう。易きに流れる。それが人間の性質だ。共産主義にしても、そのシステムを管理する人間が必要であり、その人々が上に立つ。そうすれば、どうしても格差が生じてくる。
 面白くは読めるのだが、クライム・ノベルとしてはいまひとつか。あっと驚くような奇抜なアイデアがあるわけでもなく、特に前半はアクションシーンもない。全体としては、もうひとひねり欲しいところである。
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No.22
(4pt)

当時の東京の熱さと苦しさが手に取るように伝わる

東京オリンピック目前の、昭和39年の夏。
オリンピック開催のため、ものすごいスピードで開発を進めていく首都東京。
秋田出身の東大生、島崎はそんな中で、オリンピックのために踏み台にされていく人々、さらに広がる地方と東京の格差に憤りを感じて「オリンピックを妨害する」という計画を立てる。
物語は、その島崎の側からと、事件を追う警察(落合警部補が中心)の側からと描かれていく。
筋書きという意味では、多少不満が残った。
切れ者なはずなのに、島崎の計画は行き当たりばったりな気がするし、ラストもやや読後感が悪い。
しかし、当時の社会の描かれ方は、すばらしいと言えよう。
まるで手に取るように、目に浮かぶように、国全体が東京オリンピックに向けて熱くなっている様子がわかる。
そして、そのために過酷な労働を強いられる出稼ぎの人たち。地方から出稼ぎに出てくる彼らとその家族。酷い労働条件。
いろんなもののひずみの上に、今の東京が立っている。知っているようで、知らなかった実態。
そして、また東京でオリンピックを開催しようとしている。
そして、また格差社会になりつつある。
東京は同じ事を繰り返すのか?
今だからこそ、タイムリーなテーマだったのではないだろうか。
オリンピックという華やかな舞台、主人公島崎のイケメンで孤独な東大生という人物像、対する落合警部補の熱血ぶり、どれもビジュアル化がイメージしやすい。
是非、映画化して欲しいものだ。
二回目の東京オリンピックが開催されることになるなら、その前に是非。
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No.21
(5pt)

東京オリンピック開催に舞い上がっている時代の臨場感や喧騒がリアルに伝わってきた

東京オリンピック開催を目前にして起きた爆弾事件を現在進行形で捜査する警察の視点と、一人の若者が東京と地方の豊かさの違いに疑問を抱きながら変貌していき、東京オリンピックの開催を妨害するために身代金を要求するまでの視点。それが時間差で描かれながら最後に交じり合う様子は最後まで目が離せなかった。昭和39年の東京オリンピックの時代、まだ僕は生まれていなかったのだが、誰もが東京オリンピック開催に舞い上がっている時代の臨場感や喧騒がリアルに伝わってきた。また、刑事部と公安部の足の引っ張り合い、過酷な労働や人間扱いされない地方労働者の苦しみ等、事件の裏側についてもきちんと描かれていてとても読み応えがあった。
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No.20
(5pt)

力作です!

昭和39年
東京オリンピック開催間近の東京
秋田の貧しい村出身でノンポリ東大院生・島崎国男は警察を狙った爆破事件を起こす
島崎国男の行動はアカと呼ばれる学生達の行動とは源を全く異にするもの
高度成長時代の始まり、日々姿を変えていく東京
その変貌を支えていたのは、地方からの出稼ぎ労働者達
出稼ぎ先で急死した兄の代わりに夏休み中飯場でアルバイトを始めた国男
今まで自分の知らなかった「底辺」の世界、そこで一生懸命働き、家族に仕送りをし、しかし決して裕福にはなれない人々との関わりを通して国男の中で価値観が変化していく
「おい、おめえ東大生なんだってな。そんな頭のいい野郎が、なんでまたお上に楯突こうと思った」
「それは、オリンピックが急造で見せかけの繁栄の上に行われようとしているからです。この国のプロレタリアートは完全に踏み台として扱われています。貧しい者は貧しいままです。これを許したら、国家はますます資本家を優遇するでしょう。誰かが反旗を翻さないと人民は今後ずっと権利を剥奪されたままなんです。」
テロリストvs警視庁・公安
テロが成功しなかったのは歴史上の事実、実際に同じような事件があったとしても公にはされず闇に葬り去られたはず
国男と仲間には何処かに逃げ延びて欲しい
これほどテロリスト側に思い入れが強くなった作品は初めてのような気がします
ナンセンス!
ナンセンス!
終盤で東大生が繰り返し叫びますが、何の意味も無い言葉に思えます
国男の東大の同級生、須賀忠
警察官僚の父、外務省勤務の兄、華族出身の母
そんな中でテレビ局に就職し異端視されている彼も結局は富裕層の人間だった
読み終わってとてもやるせない気持ちが残りました
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No.19
(3pt)

虚無の犯人に読者として興奮出来ない

オリンピックを盾に日本という国を相手に強請る話を、邪魔を描いた奥田氏が手がけたと聞けばついに本気で書いたのだと期待も上がる。
そんな期待が読み進める内に、除々に萎んでいったのがこの本だった。
昭和39年を舞台に、警察官僚を父に持つテレビ局に勤める須賀忠、古本屋の娘で製麺工場の事務員である小林良子、警視庁警部捜査一課の落合昌夫の3人が、犯人である東大院生島崎国男が犯罪に手を染めるいきさつと並行して、オリンピック開催までに重ねていく犯行に対して関連していく様子が2段組で521頁描かれている。
当時の様子や、島崎国男以外のキャラクターは違和感なく、オリンピック成功に向け島崎を捕まえようとする警察の動きは、公安もからめて練られた作品なのが十分に伝わる。
それなのに読んでいて「興奮」が湧き起こってこないのは、大事なキイワードである島崎が東大院生でありながら人夫仕事をひと夏だけという限定であっても働くことに納得できないからだ。しかも一日で寝を挙げることなく、プロレタリアートを実証するために肉体労働に従事し、蓄えた知識を頭の中で醸造する中で、オリンピックを国際社会の進出ではないと結論づけ妨害に至る島崎にどうしても共感出来ない。
島崎は何にも執着しないまま、東大院生の立場を捨て、人夫にもなり、犯罪も重ねていく。
よってその周囲が熱を帯びようとも、核心である筈の中心が熱が無い虚無だから、読者として興奮が起きない。手に汗握る面白さが無いまま終わってしまうが故に、肩透かしをくらったような気持ちになる。なぜ島崎みたいな男を造り上げてしまったのか、ここまで練られているだけに口惜しい。
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No.18
(3pt)

奥田英朗に求めるもの

奥田英朗の狙いはオリンピック当時の風情を味わいながら、サスペンスを堪能して欲しいってことだろうけど、素直にオリンピック当時に浸ることができなかった。
高度成長期の描写がさりげなくサスペンスを支えているのであればいいのだが、当時の流行の描写がこれでもかって位出てくる。ストーリーに何の関係もなく当時流行ったTV番組が書かれている辺りは興醒めする位だ。やはり、昭和30年代に書かれたサスペンスを読んで当時の世相を知るのと、現代の作家が昭和30年代の風情をかもし出そうとしたサスペンスを読むのは、似ているようで全く違う。
そもそも、奥田英朗に期待されているのは『松本清張風ミステリー』のような『○○風』の作品でもないし、昭和30年代ブームに乗ることでもない。次回は彼本来の持ち味である、アイデアとオリジナリティに富んだ彼にしか書くことができないような発想を期待したい。
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No.17
(4pt)

高度成長期の裏面物語

読み始めるととめられなくなって、一気に読んでしまいました。昭和39年のオリンピック前夜の様子が手に取るように感じられました。ただ、設定のためでしょうが、全体に印象が暗いのは否めません。一般の人たちの興奮とは一線を画した、最底辺の労働者や被差別者はこういう気持ちだったのかもしれない、とも感じます。
主人公は東大大学院に籍を置くエリートですが、事情があってオリンピックの工事現場に人夫として働くことになります。この経験を通じて考える日本の労働構造の歪みなどは、そのまま現在の派遣労働者の様子にも通じます。
本書のなかに何度も登場した「世界の一等国」というフレーズは、今を生きる私にはなんだか気恥ずかしい言葉でした。何等国だって関係ない、という気がしますけど、これは豊かになった日本しか知らないから言える傲慢さなんでしょう、きっと。
ちなみにこれを読んでいる間、光クラブを思い出していました。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
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No.16
(3pt)

これはいい!

久しぶりの新刊ってことで、楽しみにしていました。
どっかの広告にもあった気がしたけど、確かに従来とは作風が結構異なります。
特に最近のドクター伊良部やララピポやマドンナ、サウスバンドとは全く異なります。
あらすじは上に書いてあるとおりですが、色々深く考えさせられておもしろかったです。
古い時代を描く手法をとってみても、ちょっと前に読んだ乱歩賞作品と比べてると、やっぱプロその作家は違うなぁ、と思い知らされる。。。若干当時はなかった言葉も混ざっててるけど、別に気にはならないです。。。。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
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No.15
(4pt)

貧しく、必死に生き抜いている時代でした。

奥田英朗の新作。空中ブランコや最悪とは異なり、シリアス
な物語。「こんな作品も書けるんだ」と正直びっくりしまし
た。物語は、オリンピック開催に向けて激変している東京を
背景に、優秀な東大の院生が社会の矛盾を感じ、東京オリン
ピックの阻止をかかげて警察に”オリンピックの身代金”を
要求していく過程を丹念に描く、エンターテイメント小説で
す。
でも、この本の本骨頂は、ノンフィクションを読んでいるか
のような、当時の東京や地方の臨場感。地方の貧しさ、オリ
ンピックを迎えることができる日本国民の高揚感や優越感、
学生運動に対する実際に底辺の人々のあきらめ、東京の庶
民の”明日はもっといい日だ”と心から信じられる希望。
丹念に調べたであろう”時代”が目の当たりにされます。
エンターテイメントとしては普通の出来と思いますが、時代
のガイドとして楽しめ、かつ、衝撃的だった一冊です。
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No.14
(5pt)

切なくも力強く

久々の奥田節の一点の迷いもない力強さに心地よく引きつけられながら最後まで。途中これはどうかとつっかかるところもなく、資料も見事に揃え、完膚無き戦いをこの1冊でし尽くしたかのよう。お見事でありました。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
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No.13
(3pt)

“犯人”にどうしても心が重ならない

 昭和39年夏。まもなく開催されるオリンピックに向けて首都東京は街の相貌を大きく変えていた。国民が一丸となって五輪開催へと突き進んでいるかに見えるとき、警察を狙った爆破テロが発生し、当局に「オリンピック妨害」を宣言する脅迫状が届く。やがて警察の捜査線上に浮かんできたのは一人の東大大学院生だった…。
 上下二段組で500頁を超える大長編サスペンス小説です。
 膨大な史料にあたって書かれたと見え、あの時代の急激に変わりつつあった東京の空気の色や臭いにいたるまで精密に再現した著者の力量には脱帽です。
 そして物語の中心となる三人の男たち----東大大学院生の島崎、その同級生で今はTV局員の須賀、そして刑事の落合----そのそれぞれがいかにも今から40年前に存在したであろう人物に肉付けされています。
 その意味では、この「オリンピックの身代金」は現実味のある物語として読む者に迫ってくる勢いがあります。
 しかし読了した今、私はこの小説を十分に楽しめたとは言えない何かを抱えています。
 昭和39年、五輪景気に沸く東京と、その発展からこぼれ落ちた地方都市との間に生まれた経済格差は、平成21年の今の日本に大いに重なるところがあります。ですからこの小説の“犯人”が社会に対して抱く憎悪に対して共感を覚える読者も少なくはないかもしれません。ですが、彼の行いはやはりテロリズムであり、そこにいくばくかの賛意を示した途端に、私たちの社会は音を立てて崩れていかざるをえないといえます。
 となるとどうしてもこの“犯人”に私の心が添うことはありません。私にとってかろうじて「理解」は出来るにしても「同意」はできない類いのものです。
 中心的登場人物に心が重なる瞬間が見出せないとき、その物語は私にとってはやはり受け入れがたいものとなってしまいます。それがこの小説を十分に楽しめなかった一番の理由だといえるでしょう。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
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No.12
(4pt)

力作!傑作?

力作だと思います。
かなりのボリュームであるにもかかわらず、よどみのない流れで、緊張感を持続したまま話が進んでいき、どんどん引き込まれていきます。時間が行ったり来たりするので、何度も読み戻しましたが。
但し、この犯人の性格で(薬が後押ししたとはいえ)ここまで"おおごと"になるものなのか、とか、これだけの捜査体制なら普通途中で捕まるのでは、とか、何でエピローグに犯人のくだりが無いのか、等いくつか?がありましたので、この評価にしました。
でも、映画にしたら面白いだろうなとか考えたりして、やはり犯人はジャニーズ系(松潤?)かな、とか、ニールは谷原章介かな、とか、いろいろ想像をめぐらしたりしていました。
オリンピックの身代金 Amazon書評・レビュー: オリンピックの身代金より
4048738992