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輪違屋糸里
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輪違屋糸里の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 21~40 2/4ページ
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テレビやドラマでは、華やかなイメージで表現されるケースが多いが、この作品は、新選組に翻弄された女たちが、したたかに描かれているように感じる場面がある。何が真実かわからないが、浅田さん独特の、人の心の奥底が感じられる作品だと思います。 あっという間に読み終わりました。 | ||||
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女性にしか分からないような心情が多いですが、自分の意思を貫く女性の強さが印象的です。 | ||||
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みぶろに始まり、新撰組の芹沢鴨が暗殺されるまでを描いています。 表紙絵にありますように、幕末の歴史の渦に巻き込まれた女性たちの目線から 新撰組を見ています。 今まで読んできた私の芹沢鴨像が大きく変わった。 確かに局長になったような人なのだから、悪いばかりの人ではではないのだろう。 そんな観方の出来る一冊です。 あ、上下巻なので二冊です。orz 当時の女性は理不尽な事でも抗いながら、受け入れながら強く強く生きていく。 割り切れない、切ない思いで読ませていただきました。 幕末に精通していなくてもとても楽しく読めます。 | ||||
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『壬生義士伝』に続く「浅田新撰組」シリーズの第2弾。今はどこに何があったのかも分かりがたい遊郭・島原の雰囲気といい、「みぶろ(壬生浪士組=新撰組)」が生活の拠点にした壬生一帯の気配といい、維新前の京都の情景が浮かび上がってくるような描写のうまさにまず感心した。 礼儀正しく、元気のいい浪士組の若手隊員の様子と、テロリスト集団というほかない後世からの陰惨なイメージのギャップだけでも物語の仕立ては難しかろうと思うのに、作者は手練れの風情で楽々と登場人物を個性的に描き分け、読者を楽しませてくれる。壬生の屯所の台所の様子など、これまで誰がここまで入り込んでストーリーの借景として描き出しただろうか。ともあれ、下巻が楽しみだ。 | ||||
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最初、女性視点での新撰組というのに抵抗感あったが、芹沢鴨の新しい解釈や、永倉新八、斎藤一の書き方が面白く、一気に読み切りました。 男も女も自分の信じるもののために、懸命に生きている有様が、美しく書かれていて、読み応えがあります。 | ||||
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第三者の目を通して書かれる場面と独り語りで進められる場面とが交互に現れる。それは決して読みにくいと言うわけではなく、むしろ真実は見るものによって変わるのだと言うこの物語の真骨頂がここに顕示されているように感じる。ちょっとご都合主義なところもあるけど、面白かった。特に下巻は一気に読ませる力があった。 | ||||
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この作品の魅力とは、まず挙げられるのは女たちの京言葉、 ふわふわと風に揺れる木々のようで捉えどころのない、 しかし胸の深奥につきさる毒針のごとく、相手を魅了しつつも冷淡に排除する言霊。 「は」「ら」行の音と母音を多用しながら、上手く連ねていくそれは、 なかなか見事な節回しでした。 中でも島原の二人の天神のそれ、今の世でいえばギャル語なのですが愛らしい。 対する壬生八木家、前川家、 御内儀たちのそれはまた柔らかいようで抜け目のない、剣豪の刀のごとく美しい。 それに比較する、というよりも引き立て役、東男たちの野暮ったさ、 生真面目、朴訥でさえあります。 題材は新撰組、芹沢鴨暗殺事件。 凝った筋書き、なにせ会津藩主まで引っ張り出され、 最後の落ちまで因果はめぐる、という箇所は微笑ましくもありました。 が、ここが作家の作品アリバイ作り、というか意地悪読者を意識しすぎ、 なにかサイドブレーキを引いたまま喘ぎ喘ぎ走っている、 どこか重苦しい感がいたします。 強引な筋書き、ちぐはぐ、読者をけむに巻く、 そんな筆先でもこの会話の構成力、美麗な京言葉でねじ伏せてほしかった、 というのが素直な感想です。 私見ですが女性というのは、もっと狡猾、謎に満ちているというか、 更にずっと強欲で身勝手、損得抜きに感情に突っ走る、わけのわからない者、 そんなことを書き連ねる男も実はそうなのですが。 男の中の女性的脆弱さ、打算、倫理観の欠如、土方のそれでしょうか、 女性から見た女性の業の深さ、不可思議さ、 闇に包まれた底なしのどん底、喘ぐような絶望、 血糊の如き粘着で、かつ絢爛とした筆致で描いてほしい。 今後も熟練の技の披歴を願ってやみません。 | ||||
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先に「一刀斎夢録」を読んだ折に、浅田氏の新撰組3部作ということで、こちらも読んでみた次第です。 最初は、そのような訳でついでに本書を手に取った次第でしたが、結果はこちらのほうを大分気に入ってしまいました。 本書は、一人の女性を主人公に仕立て女性目線から全体を綴っていますが、その内容は、新撰組の成り立ちやその宿命ともいえる組織の変遷、歴史に与えた影響など、新撰組全体のことを網羅的に描写しています。 芹沢鴨を初めとした幹部連中のエピソードが事細やかに紹介され、何故彼の一派が粛清されなければならなかったのか、近藤や土方の意図はどこにあったのか、彼らが目指す方向性は何だったのか、新撰組は結局のところ歴史とどう関わっていたのか等、数々の部分が丁寧に紐解かれ説明されていて、新撰組ファンには”教本”ともいえる構成になっています。 我ながら、もっと早々に本書を読んで置くべきだったと今更ながらに感じた次第でした。 | ||||
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新撰組シリーズ3部作の第二弾。 新撰組をモデルに扱った作品は世に多いものの、女性たちの新撰組とのかかわりをモチーフにした作品は稀といえる。 結成間もない新撰組の芹沢鴨を始めとする内部粛清を物語の軸に据えつつ、個性派ぞろいの新撰組幹部たちのキャラクターを 余すところなく描写している。加えて新撰組と縁のあった女性たちをそこに登場させるなど、二重三重に物語に厚みを加えている。 結成から消滅まで決して一枚岩でなかった新撰組の姿を、結成初期とは言えども丹念に描いているところに、その後の新撰組が 辿るべくであろう道筋も見え隠れする。 | ||||
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芹沢鴨がただの乱暴者じゃないというところが、今まで読んだものとちょっと違う印象だった。 武士ならぬものが武士の世をぶっ潰すというのが幕末維新と呼ばれたあの時期の本質だったということなのだろうか。そうした世の中にあって、近藤、土方は明らかに武士ならぬもの、であり、芹沢は武士と武士ならぬものとの間にあって思い悩む存在。結局はいいように利用され、使い捨てられてしまうというのは、芹沢も近藤、土方も同じというわけです。 それにしても、女性陣が非常に印象的。お梅にしても、前川や八木のおかみさんにしても、もちろん糸里たちも。でもやっぱりお梅が一番かなあ、と思う。 | ||||
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浅田次郎の新撰組3部作は面白い。芹沢鴨はいつも悪者にされているが違った角度から書かれていて面白かった。 | ||||
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自分の認知している新撰組と当時の時代の移り変わりをこのような視点で見ることができるとは考えませんでした。 この作品を作成するに当たり著者の並みならぬ思いを感じた。また、現在と照らしてもさほど今の当時と生き方はかわらないような気がします。 | ||||
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歴史とは物理や数学等の様な純粋科学ではなく、歴然たる過去の事実にも拘わらず、数十年も過ぐれば何が真実なのか分らなくなる非常に厄介な代物。 芹沢鴨と言えば新撰組に関する話を少しでも齧ったことのある者なら誰もが稀代の悪漢として知る人物である。 本作は正史の視点を横にずらして見た時、そこに何が見えて来るかの実験と言える。 前作『壬生義士伝』では新撰組の陰の象徴である斎藤一の昔語りに圧倒されたが、ここでは陽の化身たる永倉新八の現在進行形の今語りが目を引く。 読みながら青春期の偏愛作家・澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』を想う。 新撰組フリークにはちょっと辛い内容では?関係者の語りを軸にした構成は『壬生義士伝 』に似ている。 前作の衝撃が余りにも大きかった為、二番煎じの気がしないでもないが、こちらを先に読んでいたら、真逆の印象を持ったかも知れない。 本を読むタイミングなんて偶然の産物に過ぎないので、これも一種の一期一会と言えよう。 一般には女性達の目から見た幕末史ってことになるのだろうが、私には時代に追い越されてゆく武士の矜持の物語と映った。 勿論、ここで言う侍とは近藤勇、土方歳三、沖田総司のことではない。斎藤・永倉の陰陽コンビが最高!! | ||||
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「壬生義士伝」の裏返しというか、女性の側からみた「新撰組」という感じでした。物語の進行がゆっくりで、ドラマチックな面からいえば少々物足らないところもあります。 | ||||
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浅田「新撰組」第二段。 新撰組マニアを自称する浅田氏の「壬生義士伝」に続く新撰組モノ。 清河と袂を割った後の近藤派、芹沢派の暗闘を女性の視線から描いた作品。 先行作となる「壬生義士伝」が家族を支える男の物語であるなら、本作は、本質を見抜く女性の視線から新撰組の「格好悪さ」を描き出している作品。 題材が人気のそれほどない芹沢鴨だし。 男性である浅田氏の筆による女性視線だし。 わざわざこんな難題を選ぶとは、浅田先生はM? それでもさすが手練れの技。 糸里も吉栄も音羽太夫もお梅もお勝も見事にキャラクターを書き分け、説得力のある作品に仕上げっているのだが。 それでも壬生義士伝の感動とは質の違う作品と見たほうが良いか。 私が男性だからだろうか? | ||||
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女性の視点から、新撰組をみたときに、こんなふうな景色が見えてくるのか… と、その新しい景色に感心した。 暴れん坊で悪行を繰り返した芹沢は、屯所の庭の片隅に、 「ろおず」を植える。 役者のような顔の美しい土方が鬼のような顔で拷問をする場面を 垣間見、屯所のおかみは震え上がるが、 島原の天神糸里にとっては、土方は、眼が見えずとも自分をかばってくれた 長兄に糸里を重ね、視力が弱い彼女に眼鏡を作り、 「世界を見ろ」と言ってくれるかけがえのない「愛しい人」だ。 そんな彼女たちは男たちに翻弄されているようで、実は彼女たちのやり方で 戦い続け、自分の足で踏ん張る。 まだ16歳の糸里が、芹沢暗殺の場面で血を滴らせた刀を土方に向けられながらも 吐き出す思いの丈は、圧巻である。 戦いの中で彼女たちが見せる誇りと言うのが、 実に眩しい。 | ||||
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新撰組と関わりのある女性…題名にあるように糸里だけではなく、芹沢鴨の愛人お梅などを中心に話が進んでいきます。 いや、面白い。 私的には壬生義士伝よりも面白いと感じました。 浅田さんの歴史物は結果は同じでも経過が違うんですよね。 辻褄が合いすぎて、ああ、本当はそうだったのかな。と納得したくなります(笑) 真実がわかっていない歴史は様々な考えを持つことができて楽しいですが、それを文で楽しむならこの浅田さんの小説をオススメします。 | ||||
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京都の壬生村、島原を舞台に、 創設当時の芹沢鴨が局長だったころの新撰組の人間たちを そこに係わった女性たちの視点で書かれてます。 係わった女性というのは、主に島原の芸者(天神)2人と 壬生村で新撰組の世話をしている家のおかみさん2人です。 幕末の激動に時代、自由に生きられない女性たちや 新撰組の面々の命のやり取りを描いて、 最終的には、命の大切さを訴えている物語です。 糸里さんの言動もさることながら 私個人としては、壬生八木家のおまささんの思い、 「どうも男というものは、人柄の判断はできても とっさの顔色を窺うことが不得手のようである。」 には、ぎくっとしました。 私も、人の表情や、感情の変化に鈍感で さっぱり気付かない人間なんです。。。 (^^; | ||||
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新選組局長芹沢鴨暗殺を、筆者独自の視点で解釈した本作。 相変わらず、筆者の想像力には驚かされる。特に新選組屯所内での隊士同士のやりとりは、「見てきたんかい」と言うほどリアルである。私の記憶では、筆者は自衛隊にいたこともあるんじゃなかったかなあ。さすが。 しかし、たくさんの登場人物の虚と実が入り交じり過ぎていて、矛盾している点もあるように感じた。また、感情移入できない部分も幾らかあった。 ちなみに壬生義士伝で泣かされた私でしたが、本作では泣けず。泣かされたい人は、あまり期待してはいけないかもしれない。 | ||||
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新撰組のファンとしては、どこまでも愉しめる作品だと思う。 それは史実を元に、作者浅田次郎の考える芹沢鴨の姿が、 破綻なく、道理に満ちた考えによって導き出されているからで、 そこの所の読みが浅いと、 『酔っ払いの鴨が、武士の鑑のような書かれていておかしい』と思ってしまうから要注意。 また土方や近藤らの各人物の本当の性格や、考えていたことは誰にも判らない。 判らないからこそ、自由に想像できるし、 そこに明確な理由が添えられ、筋が通るように描かれた物語を読むと、 読者には堪らなく面白く感じるはず。 また、作者自身も好きであると公言している、天神の糸里が丹念に描かれてて、 思わず糸里の物語だけを読みたくなるかも知れない。 殆ど資料も残っていない糸里を主にして、 これほどまでの物語を作り上げたのは、凄いとしか言い様がない。 そのうえ糸里が堪らなく可愛らしく、健気であり、それでいて恰好良い。 そういった人物の描き方も、風景描写も全てに於いて巧みなのだ。 そんじょそこらの作家が、 勝手な想像のままに手軽に書いたものとは全く異なるといえるだろう。 浅田先生が、伊坂幸多郎の文学賞受賞を悉く反対するのも肯ける。 | ||||
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