■スポンサードリンク


おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記
おかしな二人 (講談社文庫)

おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記の評価: 4.57/5点 レビュー 14件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.57pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

乱歩賞受賞者は消え無いんですよというのが懐かしい

二十八回乱歩賞受賞者の岡嶋二人のひとりである井上夢人著作の、岡嶋二人の自伝(半分)。
そこにあるのは、井上夢人側から一方的に描かれた岡嶋二人の盛衰記。
徳山と井上のやりとりは書かれているが、徳山がメールの本文を転載することを拒否している部分がある。
そこにフェアさがあるとは言えないだろう。しかし、作家として表現をしたいという井上の動機は生臭くもあるが、面白い。
このような二人で一人としてやっていくからには、仕事の配分や分け前などがアンフェアになることもあるだろう。
解説の大沢在昌の恋愛小説風であるという指摘は言い得て妙だと思う。距離感が一方的故に、読者は井上の立ち位置に立ち、
徳山を井上の視界で捉えることとなる。それは井上が他者の目を意識しながら文章を紡ぐにあたり、徳山本人の言葉を引用できないので、
必要以上に徳山を持ち上げる必要があったからだろう。只でさえ生臭い題材を井上の恨み節だけで進んでしまってはその後の作家生命も危うい。
そんな計算も透けて見える作品ではあるが、推理小説を作り上げる際にアイディアをどのように出して、それをどう料理するかが、実際の作品をベースに行われているところがこの作品のハイライトだろう。
正直なところ、解散後に徳山が出てこない時点で、作家としてのパッケージ能力は井上に寄っていたのだろうし、井上のその後を見ると徳山のアイデアはかなりの部分を占めていたのだろうという通り一遍の結果が出てしまっている。
作品中でしっかりとそこも客観視されているところは、冷徹な目で自分人身を描くことができていて、良かったと思う。

タッグで書いている作家の自伝としては、それほど毒のあるものではないが、推理小説を書くための方法論のひとつとしては面白い。
おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記Amazon書評・レビュー:おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記より
4062065991

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!