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おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記
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おかしな二人: 岡嶋二人盛衰記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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作品のネタバレがあるので、少しずつ作品を読み返しつつ、この本も読んでいった。 とても楽しい読書体験だった。 作者の大変さもわかる。 しかし、メールの文章のくどさとか執拗な責め方とかを読むにつけ、 これは相方の方も大変だっただろうな、と思わされる。 ある意味フェアな描き方かもしれない。 岡嶋二人という作者が好きだった。 でも終わるのが当然だったと、後期の作品とこの本を読んで納得できた。 読者が知り得なかった舞台裏を見せてくれたことに感謝しかない。 | ||||
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Very nice | ||||
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二十八回乱歩賞受賞者の岡嶋二人のひとりである井上夢人著作の、岡嶋二人の自伝(半分)。 そこにあるのは、井上夢人側から一方的に描かれた岡嶋二人の盛衰記。 徳山と井上のやりとりは書かれているが、徳山がメールの本文を転載することを拒否している部分がある。 そこにフェアさがあるとは言えないだろう。しかし、作家として表現をしたいという井上の動機は生臭くもあるが、面白い。 このような二人で一人としてやっていくからには、仕事の配分や分け前などがアンフェアになることもあるだろう。 解説の大沢在昌の恋愛小説風であるという指摘は言い得て妙だと思う。距離感が一方的故に、読者は井上の立ち位置に立ち、 徳山を井上の視界で捉えることとなる。それは井上が他者の目を意識しながら文章を紡ぐにあたり、徳山本人の言葉を引用できないので、 必要以上に徳山を持ち上げる必要があったからだろう。只でさえ生臭い題材を井上の恨み節だけで進んでしまってはその後の作家生命も危うい。 そんな計算も透けて見える作品ではあるが、推理小説を作り上げる際にアイディアをどのように出して、それをどう料理するかが、実際の作品をベースに行われているところがこの作品のハイライトだろう。 正直なところ、解散後に徳山が出てこない時点で、作家としてのパッケージ能力は井上に寄っていたのだろうし、井上のその後を見ると徳山のアイデアはかなりの部分を占めていたのだろうという通り一遍の結果が出てしまっている。 作品中でしっかりとそこも客観視されているところは、冷徹な目で自分人身を描くことができていて、良かったと思う。 タッグで書いている作家の自伝としては、それほど毒のあるものではないが、推理小説を書くための方法論のひとつとしては面白い。 | ||||
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推理小説の希代のヒットメーカーだった共作ユニット「岡嶋二人」の結成から解散までのてんまつを 片割れの井上夢人が綴ったもの。岡嶋二人の作品はどれでも抜群に面白かった。 バンドの物語のように「幸福な出会い」があって「つかの間の蜜月期」があって 最後はやはり、「ボロボロの別れ」がある。 それでも読後感が暗いものでないのは、 筆者が過去をいい方向に消化して書いているからだろう。 誰かと何かを共にすること、共に何かを作り出すこと。 その幸せと困難は、きっと誰でも経験のある事だと思います。 でも、追い求めてしまうんですよね(笑) | ||||
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タイトルの付け方もちょっと変わっているけれど。こういうセンスは好きかもしれない。映画のメイクアップみたいです。 | ||||
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高校時代に岡嶋二人にハマって以来20数年、ずっと手を出せずにいた本作品、ようやく読みました。 ホレ、全部が全部、知ればいいって訳ではないやないですか、知らない方がコッチで勝手に偶像化できるし。 で、読んでみてやっぱ面白い!!んですけど、読んでよかった様な悪かった様な…。グレーゾーンの部分って、置いといてもよかったかな?って感じもします。 確実に言えるのは、もし井上夢人からの流れで本作品に興味を持った方なら、必ず岡嶋二人を読破してから読んで欲しい!!って事です。 ご本人達もどっかで言っておられましたが、岡嶋二人の作品は何度読んでも面白いです。ただミステリーである以上、トリックやプロットが判ってない状況で読んだ方が断然面白いのも事実なんで…。 岡嶋二人に触れる前にコレ読んだら、確実に後悔すると思います。 それと、個人的に「衰の部」は読んでて辛かったです。意見や考え方の相違を埋めるために始めたパソ通が、一瞬昔を取り戻しつつも、結果解散を決定付けたくだりがこう…全く同じパターンでダメになった昔の彼女を思い出してねぇ(ToT) そういう意味で「悲恋話」としてのテイストを持った作品とも思います。 | ||||
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大好きな岡島二人の、最後まで読みたくない「おかしな二人」でした。 知識が浅いので、海外では合作の作者がいることは知っていますが、国内では、 漫画家の藤子不二雄大先生しか知りません。 藤子不二雄大先生の場合、それこそ高岡の町からのお話が、詳細に物語られていて、 とても有名。 しかしながら、とても謎めく岡島二人の世界には、誰もが不思議。誰もが噂。誰もが 覗いてみたくなる。 大体にして、人間って不思議だなあと思ってしまうのは、流行り歌ってありますよね。 いい例が原田真二という天才だと思います。知らない方も多いと思いますが、一時、 世良公則なんかと御三家と呼ばれていたのです。原田真二のリバイバルが流れていると、 やっぱり今も流行ります。いい歌なんです。いい曲なんです。天才だったんです。 やっぱり。 でも、みんなが飽きたんです。不思議です。 岡島二人って、飽きないんですね。これが。 そこが凄い。 産みの苦しみって言うんでしょうか。どちらも苦しんでいたと思います。そんな様子が、 夢を持っていた頃から、死に逝くときに到るまで、綴られています。 こんなギリギリの線から生まれていたから、みんなが魅了されたのかも。 そんな風に思うのは私だけなんでしょうか。 戸籍の無い岡島二人の生涯をどうぞ。文句なしの100点です。 岡島二人読破の後にお勧めします。ある意味読まないと損します。 | ||||
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これって、よく考えるとすごい本なんじゃないかって思う。 あたし個人でいうと、井上夢人さんの小説から入った。 最初は、メドゥーサ、鏡をごらん、だったかな? パワーオフ、オルファクトグラム、もつれっぱなし、あくむ、風が吹いたら桶屋がもうかる、 ダレカガナカニイル、プラスティック・・と続けて、かなり気に入っていた。 並行して、基本的に賞をとる作品群にも惹かれていたので、岡嶋二人の名前も知っていた。 ただ、競馬とかボクシングとかが好きでなかったのと、なんかタイトルがもっさい(失礼)ので、 古くさい感じがして読んでもいなかった。 でも、たまたまクラインの壷がちょっと面白かったので99%の誘拐を読み、ちょっとamazon先生に伺った所、 なんと、なーんと、井上夢人さんと徳山諄一さんとの共同執筆じゃないですか! で、最近たまたま手にしたこの本。分厚いし、ほれ、岡嶋二人はあまりすきじゃないし・・ って思って立ち読みモードではじめたら、止まんない。 これ、よっぽどそのへんのレンアイ小説よりもレンアイだ。 出会って、気があって、蜜月期で、倦怠期で、なんとかしようと努力して、ついに、わかれる。 細かいことのすれ違い。 大きな違いならばパーソナリティーの違いであると割り切れることも、 小さい故に声に出せずに溜って行き、でも結局溜ったところでひとつひとつは小さなことの集積だから、 それを持ち出して責めるのも気が引けて・・ 結局フラストレーションが残り、暴発しては自分も相手も怪我をする。 キレのいい刀よりも、なまくら刀のほうがキレが悪い分、嫌な怪我をし、治りにくいのは言葉も同じらしい。 間に流れているのがレンアイ感情ではなくリアルな生活だとか相手の生活への配慮だから、 逆に痛々しくも生々しい。 おかしな二人をもじってつけた、岡嶋二人。それがすごく皮肉に聞こえるのは、なんだかねぇ。 | ||||
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プロのミステリー作家になるのがいかに大変かがわかる。 アイデアで一儲けできないかという徳山諄一と、結婚し子供もでき定職を持ちたいという井上夢人のコンビが、乱歩賞をとれれば金持ちになれるという誤った(?)思いこみで、賞取りに挑戦する。落選に落選を重ね、5年間にわたって挑む。その熱意と持続力はすごい。 この受賞までの、盛衰記の「盛」の部分は躍動していて、面白い。 受賞作、「焦茶色のパステル」の創作アイデアが実作になるまでも、細かく書かれており、ミステリー作家を目指すものには参考になる。 さて、プロのなってから、アイデア提出の遅い徳山に、井上は悩まされるが、競馬やボクシングなどに精通し、無から有を産む徳山のアイデアの原石があったからこそ、岡嶋二人の傑作が生み出されたのだと思う。 同時に、アイデア、トリックだけではミステリー小説はできない。ミステリーの醍醐味は、トリックそのものでなく、それを解いていく過程にある。効果的なプロットを組み立て、伏線をはり、動機を作り、いかに解決するかを考え、実際の文章にするには、ものすごい技術と根気がいる。ここは、井上の才能があったればこそだろう。 その二人の才能が、すれ違い出し、破局にいたる「衰」の部分は、本当に悲しい。 二人の、話し合いと分業がうまくいった最後の合作でもあり、岡嶋の最高傑作の一つ「99%の誘拐」を改めて読み返してみたくなった。(それと、実質的に井上が1人で書いたとう「クラインの壺」も) | ||||
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日本では数少ない二人の合作による推理作家『岡嶋二人』の誕生 から消滅までを綴ったエッセイ。 作者はコンビの片割れであった井上夢人氏。 合作というシステムを、徳山氏と井上氏の二人は作品の量産化 ではなく、質的向上という面で生かしていたのだと思う。 だからこそ岡嶋作品が今もなを根強い人気を持っているのだろう。 しかし、それゆえに二人の間の葛藤は激しかったのではないか。 その辺の事情を、作者の井上氏は赤裸々に、包み隠さず語っている。 これを読むと、井上氏も大変だったんだろうけど、徳さんも大変だった んだろうなー、と思わずにはいられない。 残念ながら、徳山氏から見た文章は掲載されていないが。 個人的には、さらっと読める井上氏の文章のうまさだけでなく、 徳山諄一という『毒』があってこその岡嶋作品だと思う。 岡嶋二人のファンにはお勧めの一冊。 ただ、作品のネタバレがあるので、この本を読むのなら他の岡嶋 作品を読んでからにした方が良いだろう。 | ||||
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岡嶋二人・・・「おかしな二人」をもじってできた、井上夢人と徳山諄一のコンビ名(ペンネーム)。誕生から消滅まで、13年間の岡嶋二人物語。ノンフィクション的エッセイ。 文学青年でもなんでもない二人が、ただ一攫千金を夢見て、江戸川乱歩賞を狙う。 ずぶの素人が、全くのゼロから「読める小説」「おもしろい小説」をモノにしていくまでの過程は、小説作法としても読め、すごく興味深い。 また、二人が互いを補完しあい、刺激しあい、助けあうさまは、作品だけでなく二人の絆のようなものも、同時に作り上げていくように思えて、愛らしく微笑ましい。読みながらにこにこしてしまう。 だからよけいに、消滅にいたる「衰」の部は、悲しくやるせない。解説に大沢在昌氏も書いてあるが、本当に恋愛小説のようだと思った。 二人の人間が出会い、結びつき、別れる。そこに恋愛感情はなくても、深いところで関わり合いつながった関係は、恋愛に似た(もしかしたらそれ以上の)強い感情を生むものになるんだろう。 ラストの別れのシーンは、ちょっと放心してしまうくらい、せつない感動があった。 | ||||
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岡島二人はエラリークイーンのように、二人で一人の作家であった。つまり合作ですね。そのコンビは解消されたのだが、その一人のうちの一人の作家。「おかしな二人」のアナグラムというか、パロディというかで「岡島二人」になった。彼らの小説を含め、井上氏の小説は、頭をシャッフルさせられるものが多く、気分転換に良い。これは、それのエッセイなのでいろいろな裏話。喧嘩アリ、恋慕ありと、なかなか読ませる。破局へ向かうことがわかっているレールってのは、すごく物悲しいゆえに、ひきつけられる。平家物語のように。 | ||||
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まったくの素人から 小説家を目指し 作品を作る楽しさや辛さ。 そして 二人で小説を書く 難しさや楽しさ。 この本を、もう何度読んだかわかりません。 夢に向かって突き進む様子がとても 励みになりました。 | ||||
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コンビ解消から10年以上経った今でも根強い人気を誇る岡嶋二人の歴史を振り返ったエッセイ。作者はコンビの一人、井上夢人。 結成時のエピソードからコンビ解消にいたるまでの二人の心の葛藤と仕事振りが細かく描写され、ほんとにこんなこと書いていいの?と思われるシーンの続出。単なる歴史を語るタイプの本ではなく、コンビという形を通して、個人個人というものがいかにエゴを持っているかを教えてくれる一冊です。一人で生きるのも辛いですが、二人で生きるのもそれはそれで難しいといった・・・ 筆者の絶妙の筆致によっていやみなく二人の間に起こった様々な葛藤が描かれていきます。それはタイトルどおりまぎれもなく“おかしな二人”でした。 岡嶋二人の小説が人気があったのはストーリーが優れているだけでなく、その文章のうまさにもあったんだなあとこの本を読んで感じました。いまだに心に深く刻まれている一冊、文句なくオススメの作品です。 | ||||
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