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後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす
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後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となすの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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読み始めると止まらない。決して軽くない文体、設定ながらそれでいて読みやすく、最初の薬膳から引き込まれました。 中華風の後宮を舞台としたファンタジーでテーマは五行を軸とした毒と薬。 後宮に蔓延る地毒をこの世界の中の医食同源で解毒していきつつ、その人の背景にも触れて解いていく様子がとても良かった。主人公の慧玲と、鴆の関係性も良く、まだ明かされていない諸々も気になります。 おすすめの一作ですね。 | ||||
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ただ、表紙に引かれて購入しましたが、奥が深くてなかなか読み返してます。難しい漢字なども出てきて、これだけの内容を書けるなんて、最終話まで読まなきゃって思いました。 | ||||
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読みやすい文体です。 | ||||
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比較すると失礼ですが、十二国記並の読み応えと美しい文章に圧巻。 世間でいわれるような、いわゆる「なろう系」と呼ばれるテンポ良い軽い文章とは違い、重厚で深みのある表現力とその語彙力。 何より「これをどう解決させるのか?」という主人公の手腕と、実在する薬膳料理の食材と架空の食材どの組み合わせの数々に読む手が止まらなくなります。 | ||||
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出版される前からTwitter(X)などで話題にあがっていた〈夢見里龍先生〉の新作を楽しみにしてました。 テーマの《毒と薬》には漢方、薬膳料理、陰陽五行説も含まれていますが、ストーリーと調和しながら端的に解りやすく描写されているので、深遠な世界にワクワク、ドキドキしながらもどんどん引き込まれていきました。 《この食医に、解けない毒はない》 帯に書かれている、この言葉が心に深く染み入りました。 病気は因果の現れであり、その因となる毒を見つけ出し紐解いて薬とする食を創り出すのが主人公フェイリンの後宮での仕事です。彼女は暴虐で混沌と言われた先帝の廃姫であり、あらゆる毒を解す白澤一族の最後の末裔でもあります。 病んだ人間がが触れてほしくない奥深くに潜む怨みなどの根源の毒を見つけ出し、その毒を陰陽五行説と繋げて解き明かし、薬となる解毒の薬膳を作り毒を断ちきります。そしてその薬膳はうっとりするほど美味しいのです。美味しくなければ薬ではないとまで言い切ります。誰かの命を救うために自分の命を懸けて戦いながら解毒の薬膳を作り出す。決して自身が毒にまみれないで、最後まで薬として生き抜くことが母親との約束であり、その約束を守り通したいという意志が誇りとなり彼女自身を支えているのだと思います。《解けない毒はない》という言葉から、あらゆる毒を断つという強い意志が伝わってきます。 薬膳のレシピは想像もつかぬ食材を使っており、相手を想いながら流れるように手早く料理を作り出する光景に思いを馳せると、お皿に盛られた薬膳の食を、「う~~ん、食してみたい。」と思わずにはいられません。イマジネーションがどんどん膨らみ興味津々です。 そして毒の因が紐解かれた後には、病んだその者がなるべくしてなった状況があり悲しくなりました。しかしこれは時代や環境の違いが在れど、今現在のわたしたちと重なり、悪想念や誤解の毒を抱いたまま生きて、死んでいいのか?と、悲しさや切なさに涙が溢れてきました。 発売日から数日で重版決定となり、一か月ほどで第2巻の出版と続く、この《後宮食医の薬膳帖》は、今メディアワークス文庫一推しの小説ではないかと思われます。第2巻を手にするのが楽しみです。 | ||||
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デビュー作『死者殺しのメメント=モリア』も「今どきのラノベ」の常識を覆す衝撃的な作品でした。 徹頭徹尾に美にこだわった幻想描写のすさまじさたるや圧倒されるほどでした。 本作は二作目となります。後宮もので中華ファンタジーです。 作者の持ち味である美しい幻想世界はそのままに、難解な語彙や耽美な表現を前作よりは控えめにして読みやすさを重視し、広い読者層に手に取りやすい作品になっていると感じました。 聡明で行動的なヒロインの慧玲が魅力的です。彼女は皇姫という身分に生まれましたが、不幸な形で両親を亡くし、父帝の罪によって自身も廃姫されてしまいます。 白澤という医療に長けた一族を母に持つ彼女はすんでのところで死罪を免れ、後宮の食医として働くことになります。五行の知識を元に食材を組み合わせて薬を調え、おいしい料理として作り上げて、病に悩む人々を癒していきます。 恨みの渦巻く後宮には奇病が蔓延っていました。体が鱗に覆われ水桶からあがれない妃妾。四肢から梅の咲きこぼれる舞姫など……奇病といってもどこか幻想的な美しさがただよっているのが印象的でした 「最も重要なのは舌に美味いかどうか」「まずいものは、いかにあろうと毒だ」「薬とは、楽しき物であるべきだ」 彼女は薬をそう考えています。そのため食べ物の描写はみなおいしそうで、五感に訴えて食欲をそそります。これまで漢方薬=苦い、まずいものと考えていたので意外でした。現実の薬もこうだといいのに……! 薬となる料理は中華料理だけとは限りません。カレーやチョコやアボカドなども登場します。どれも違和感がなく世界に溶け込んでいます。 以下の引用は芙蓉蟹という食べたことのない料理ですが、読んでいるだけで心が躍りました。 「蟹のほぐし身を卵で綴じて、芙蓉の花を模したものである。卵白のみをつかうことで、ぷるぷるとした食感と綿雪のような美しさが楽しめる」 また、次は杏仁豆腐の描写です。 「白く、匙を差しこめば、はねかえすだけの弾力がある。すくいあげて、口に含めば、あまやかな芳香が鼻を抜けていった。熟成した果実酒にも似た芳醇さだ」 読んでいると口の中にぷるぷるの触感と甘い香りが広がります。 このようにどの料理の描写もおいしそうなのです。調理がはじまると、毎回何ができるのかわくわくしながら読んでいました。 慧玲は世の中を憎んでも仕方がないような生い立ちなのですが、それを是とはしません。後宮の病の裏には人の醜い心がありますが、それを断罪することもしません。彼女が望むのは毒を中和することのみ。 白澤の一族に受け告げられてきた膨大な知識を用いて「薬」となることを誇りとして生きてきました。 そこに現れた鴆という謎の美青年風水師。 彼は実は毒に深く関わる人物でした。毒と薬は相対するものであり同質のものでもあります。 人殺しを厭わない彼と、人を癒す慧玲。しかしふたりは似ている面もあります。鴆はそんな慧玲に興味を持つようになります。 「あんたの瞳の底には絶えず炎が燃えている。それは忿怒で、怨嗟で、絶望で――復讐への渇望だ」「僕が殺してやろうか」 鴆は慧玲が押し隠していた心のうちを見抜きます。そんな彼に慧玲も少しずつ心ひかれていき……。 このふたりのつかず離れずの距離感が絶妙です。いわゆる溺愛ものではありませんが、過酷な生を生きる者同士、ひかれあいます。 それぞれの闘いのさ中に背中を許せる唯一の相棒と呼ぶのが近いでしょうか。時には心を傷つけ抉りあいながらも、誰よりも理解し合える二人。奇妙で魅力的な関係性です。 原作は連載中ですが、次第に近づいていくこのふたりの関係がもう……もう……。どちらも「愛してる」なんて決して言わないタイプなのが、もう……。たいへんよきです。 作者様の作品をweb連載を含め何作か拝読しましたが、己の書きたい美的幻想をしっかりと持っており、しかも読者から求められる要素に応えることができる方です。 出版を重ねるごとに、両方を保持した上で質の高い作品を作り上げるバランス感覚の良さや、それを表現する技量が、さらに磨かれて増していっていると感じます。 一巻発売と同時に二巻の発売、さらにはコミカライズも決まっているそうで、この作品の人気の高さがうかがえます。 もう三十年ほど、国内外の素敵なファンタジーを愛好してきましたが、夢見里龍さんの作家力には目を見張るものがあります。目を醒まさせない幻想世界を紡いでくださる作家様です。きっとこれからもっともっと有名になり伸びていかれる方だと思っています。 初期の出版作から追うことができている幸せをかみしめています。 | ||||
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前作「死者殺しのメメント=モリア」のファンで、二作目のこちらも入手。 人間の不完全性への独自のまなざしは健在で、思った以上の面白さです。 人も食材も、毒にもなり、薬にもなる。 ひとつがどちらにも転じうる両極性を、視覚・味覚・嗅覚・皮膚感覚にダイレクトに響く耽美的な文章で描き出されています。 毒と薬という、矛盾する両極性を象徴するのがヒロイン・慧玲で、皇帝の姫から、暴君の一族として処刑されることになるが、母から受け継いだ食医の叡智を見込まれて助命されたところからお話は始まります。 賢帝だった父が豹変した謎とか、薬のように見えて毒っぽさが匂う皇后とか、五行を使って毒を『薬』にする叡智とか、すべてに両極があるのですが、人間都合での単純な図式にはしないところに作者さんの手腕と力量を感じます。 「薬であれ」という「白澤のおきて」と、復讐心という両極の葛藤もそう。 叡智ある娘の視点で展開するストーリーは、頭の回転も、心の機微も、こまやかで、速く、キレがあります。 ヒロインが500人分もの薬膳を一夜で調理する凄みの仕事ぶりを「剣舞」に比されていましたが、言い得て妙、この物語も文学という舞台で筆者が演じる「剣舞」。 【美味しくなければ「薬」ではない!】はヒロインのキメせりふですが、娯楽と美と芸術、ぜんぶおろそかにしないのが夢見里さんという作家さんなのかもしれません。 頭も心も目も耳もフル稼働して物語に入り込むと、ひとつの言葉のもつ「決め技」が、じわじわと効いて、御見事!と言いたくなります。 食医という「仕事人」である慧玲が、たったひとりで生き抜くための「ただのお姫様ではない」たくましさも、見どころです。 細腕を剛腕にして、よくある献立を、レトロ感ある漢語の美味な薬膳料理に生まれ変わらせる決死の仕事ぶりは、圧巻です。 父帝の死という最大の謎は解けるのか、2巻が超!楽しみです。 | ||||
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とても美しい物語です。情景が浮かび、風を感じ、料理のにおい、花の香が漂ってきます。 是非お読みいただきたい!!コミカライズもされ、早く読みたい!! 2巻も楽しみです!! | ||||
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他に疎まれる毒たる娘が、悪意渦巻く後宮で薬膳を通じて皆に認められ成り上がっていく中華ファンタジー。 展開のテンポも早いので飽きることなく、軽度のミステリ要素やざまぁ要素も。 なにより主人公とバディ役となる相手の距離感が堪らない。 渾沌と称された先帝の忘れ形見フェイリンと毒を操る暗殺者ヂェン。薬と毒、この異質な二人の絶妙な関係性に終始ゾクゾクさせられる(読んでると毒×毒にしか見えないが笑) また中国の五行思想が読者にもわかりやすい形で取り入れられているのも個人的に良かった。 食事も五行。かつ、オッと思わせる献立に毎回ニヤリ。 すでに2巻も予約が始まっており、コミカライズ企画も進行中とのこと。 創り込まれたファンタジー世界に浸りたい人、歪なバディものが好きな人にオススメです! | ||||
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料理ネタの中華ファンタジーの場合、作中で提供される料理が美味しそうと感じるか否かが重要だと思います。 お酢を使った料理がわりと多く登場し、私は酸味のある料理が苦手なので美味しそうとは思えませんでした。オーギョーチに黒蜜をかけるのも、黒蜜のクセのある甘さが爽やかさを台無しにしそうだな~などと考えてしまいました。カレーはこの手の話では見飽きました。 ストーリーは、処刑された先帝の娘が奇病を毒を用いた料理で解毒するというものです。ほとんどが架空の毒物なので、名を出されても猛毒ですか、そうですかという感じです。 | ||||
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