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死と奇術師
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死と奇術師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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カーをはじめクイーンやクレイトン・ロースンなどの雰囲気を感じさせる古き良き推理小説。スマホやパソコンなどのデジタルデバイスは登場せず、安心して古典的な推理を楽しめると思う。袋とじがあろうとなかろうと、解決編に差し掛かる前にあーだこーだと推理を巡らせる向きには、それだけのご褒美をもたらしてくれるので、安心してゲームを楽しんでいただきたい…… と言いたいところだが、1点だけ問題が(以下、ネタバレではない)。 p41下段1行目に「二時間後、十一時きっかりに、もの寂しい秋雨が降り出し……」とあるのに、p124下段最後から4行目には「殺人よりはるか前の九時過ぎから降り始めた。」と書いてある。私はここに引っかかり、犯人は分かったものの、スッキリとは解決できなかった。これは著者の書き損じではないのだろうか?(原書で確かめてみたい)。ということで星3つとしたが、これがなければ星4つかなあ。 | ||||
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ポケミス史上2度目の「袋とじ」! 不可能犯罪の本格! 読者への挑戦状! こんなに煽られたらミステリファンなら購入しない訳にいかない(笑) で実際に袋とじを切って解決編を読むと・・・ ネタバレなしで書くと不可能犯罪の解決は、カーの影響丸出しの割に一発芸ではなく、ややこしいプロットによるものと元ネタバレバレのエレベーターの殺人トリック。 しかも肝心の犯人当ての手がかりはほとんどなく、挑戦状の割にクイーンみたいな論理のアクロバットもない。 手がかりの一覧表だけで成り立っている、しかも、そこにもトリックが仕掛けられているキングのオベリスト・シリーズみたいなのを期待していたので、かなりがっかり。 完全に、早川さんの「袋とじ」商法に騙された感じ。(誉め言葉) しかし、こういう趣向は大好きなので大いにやって欲しい。 | ||||
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密室殺人に元奇術師の名探偵、読者への挑戦と袋とじと、近年の作品であるにもかかわらず、古典ミステリの趣向を前面に打ち出したものであるのが、とても楽しい。データや伏線をきっちり提示した堅実な構成や、容疑者たちの精神病理的な背景までも組みこんだ、巧みな密室トリックもよく考えられていて、本格推理ものの良作に仕上げられている。ただ袋とじ企画のせいで、過剰にオリジナリティの高いトリックや、斬新奇抜なアイディアなどを期待してしまい、やや評価のハードルをあげてしまった感があり、正直「袋とじにするほどでもないな…」とも思わされてしまった。 少し前に扶桑社ミステリーの『禁じられた館』という作品を読んだ。こちらは最近の作品ではなく、古典からの発掘作であったが、同じような密室ものの本格推理で、この種の古式ゆかしい本格作品が新たに読めることがとても喜ばしい。筆者はどちらかというと、よりケレン味のあった『禁じられた館』の方が好きだったが、本作も、随所にディクスン・カーへのリスペクトが見られることなどから、カーの怪奇趣味のような、何かあと少しの味付けが凝らされていたら、さらに満足のいく作品になっていただろうという感想をもった。 | ||||
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最後の千街晶之氏のうんちく解説によると、邦訳書で最初の袋とじミステリは1959年のポケミス(ハヤカワ・ミステリ)のバリンジャー『消された時間』だが、ポケミスにはその後袋とじはなく、本書は62年ぶりで、2冊めの袋とじポケミスであるという。 という有り難い本なので、1週間ぐらい拝んでから読み始めたほうがよいのかもしれないが、評判になるとどこかでネタバレされる可能性も高くなるので、届いてすぐに読み始めた。 以下のレビューにネタバレはありません。 原書は2022年刊で、原題は訳題に同じ。著者のトム・ミードはこれが長編デビュー作である。 本書の舞台は1936年のロンドン。当然の密室殺人で、探偵役は元奇術師のジョセフ・キャスター。カーの『三つの棺』(1935年)の密室講義が経典として使用される。 謎とトリックは小技の組み合わせで、よくできていると思う。十分楽しめた。残念ながら、袋とじの中の真相を当てることはできなかった。 個性的な登場人物たち、特に、殺される心理学者リーズ博士、謎の多い娘のリディア、盗癖のある女優デラの性格造型が面白い。 | ||||
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