■スポンサードリンク
嘘つきなふたり
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
嘘つきなふたりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は2人の女性。語り手であり、「東大に入って弁護士になってほしい」という母親の願いに従順に生きる光(19歳)と、その小学校のときの友人・琴葉(18歳)。2人は、小学校6年の修学旅行の直前に琴葉が母親の都合で転校してから音信不通だったが、19歳の夏に偶然再会した。その2人が修学旅行のコースをなぞる形で2泊3日の京都旅行をするというのが物語の縦糸で、そこに小学校時代の担任教師・中野の死が絡まり、その真相をラスト近くまで伏せるというミステリー的要素が変化を与えている。最後まで飽きずに読め、温かな読後感に包まれる佳作だ。 最も中心的なテーマは、親からの呪縛によって自ら考え自らの道を選ぶことを半ば放棄していた光が、琴葉との旅を通じてどんな気づきを得るか、という点にあると思う。琴葉は光とは対照的に、授業中に教室を抜け出したりする奔放な面のある女性だが、やはり家庭の事情を背景に屈折したものを抱えていた。再会によって、クラスメイトだった10年前からこれまでの歩みを、それぞれに振り返りながら今の自分を見つめ直す仕掛けとなっている。 それにしても、家族(特に母親)に翻弄されてきた女性同士の友情というモチーフが、特に女性作家の作品に目立つ。千早茜『ひきなみ』、一穂ミチ『光のとこにいてね』、そして本作。家族とのしがらみという面は薄いものの、綿矢りさの名作『生のみ生のままで』にも通じるところがある。これらの作品にもう一つ共通するのは、2人の女性が一定期間の空白を経て再会を果たし、さらに強い絆で結ばれることだ。それぞれが違う道を歩みつつも、心のどこかに相手の存在を残していたり、2人の思い出を支えにしていたことが生きる糧になってきたのだろうし、だからこそ会えなかった間の空白を埋める作業が双方にとって大切なのだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
嘘から始まった二人の旅。 惹きつけあるテーマとわかりやすいストーリーテラーは秀逸。故に簡略すぎてもう少し込んだ伏線があると面白かったかもしれない。 嘘のタチは悪いがそこには友情と自身で選択した人生に繋がった様に感じる。 秘密から嘘に縛られ全てが明らかになった時 はじめて悟るそんな物語。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!