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(短編集)
鬼平犯科帳 決定版1
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鬼平犯科帳 決定版1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 41~56 3/3ページ
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丁度、著者が40歳半ばから書き始めた小説なので、私も今くらいから呼んでいったほうが良いかもしれない。若い人にはあまりこういう大人の感覚が上手く掴めないかもしれない。宮部みゆきなんかの江戸物を読んで寛ぐ気分になるのとは少し訳が違うね。男の書く文章で骨があります。固いけど包み込まれるような包容力とでも言うのでしょうか。色もあって大変面白いし、池波正太郎は私の亡くなった父親の3歳上なので何か懐かしい気持ちで読めました。この時代の男たちは頑固というか一途というか、たいしたもんだねぇ。見習いましょう。 | ||||
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きっちりと各話でストーリーが完結している。 エピソード(事件)は同時進行していることがあるが、 その場合は各エピソード毎に話を分けているので、話の焦点が散漫にならない。 読み手が、情報の処理にストレスを感じないですむようになっている。 以上のような理由で、疲れずリズム良く読み進んでいける。 事件モノだが、張り巡らされた伏線を回収していく、 カタルシスを感じるような構造になってはいない。 物語上の未来に焦点がある「ミステリー」ではない。 逆に、「あの時、こんなことがあった」というように 過去に焦点をおき、ストーリーが展開されていくことが多い。 24巻まであるので、気をつけないとしばらく生活に支障が出ます。 | ||||
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池波正太郎の作品では、「剣客商売」、「梅安」、そして「鬼平」シリーズ。 さすが、評判の鬼平シリーズ。これは、一冊目からすーっと、入る。 剣客商売ほど生活とか家庭とかが見えるワケデハなく(時にほのぼの)、梅安シリーズのような殺伐さはない。 で、僕はてっきり鬼平が、ばったばったと悪を斬る!なんて話しかと思っていたんですね、実は。 ところがこれは結構違う。 どこがどう違うかと言うと、むしろ鬼平に追われる、鬼平が斬るべき相手である、盗賊、泥棒のたぐいにより多 くのページが割かれ、彼らの人となり、思い、その人生が深く語られている。 確かに鬼平は活躍し、悪を斬るんだけど、時に鬼平は舞台回しのような感じ、あるはトリを引き受けて幕を閉じ る役。 うーん、これは意外。 ま、これからシリーズが進むともっと鬼平が前面に出てくるんだろうけど。 多分あれかな。鬼平が使うスパイとも言うべき男達。彼らは元盗賊で、何かの縁で、鬼平を助ける事になる。 きっと、彼らはこれからこのシリーズを飾る大事な登場人物(脇役)になるんじゃないかな。 だから、そんな彼らはいったいどんな人物で、どういういきさつで鬼平のもとで働くようになったのか。今後の シリーズの展開のために、そんな脇役をうまく登場させるには、彼らを語らなくてはいかなくって、だからその 周囲にも話が及ぶと、これがことごとく悪者、盗賊だから、勢いそちらの話に偏った気がするのかもしれない。 ま、そんな彼ら、そして盗賊達のなんとも人間味溢れる様子。 鬼平もただ「鬼」だけではなく、そこはしっかり人情味ある、笑いあり(あんまり多くはないが)涙ありの、時 代物のツボが実によく押さえられ、飽きない。 私事ですが、剣客商売があと残すところ1冊になったから、これはありがたい。長いシリーズで嬉しい。 これでまた当分楽しめます。 | ||||
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自分はまだ20歳です。若い人は「時代劇は古臭い」と嫌煙しがちですが、そんな人にはぜひ、読んでほしいです。どんなケータイ小説にもライトノベルにもだせない味わいが「鬼平」にはあります。僕はこれを読んで「時代劇はこんなにおもしろかったのか」と驚きました。現代には無くなってしまった人情。そして人生の切なさも、全てが詰まっています。 | ||||
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おそらく、日本文学史上で、これほどの名台詞に溢れた小説は皆無でしょう。 若い頃に、『本所の鬼銕』と呼ばれた放蕩無頼の青春時代を過ごした平蔵が、悪を知っているからこそ、悪を取り締まれ、悪を知っているからこそ、悪を哀れむ。 ……よく世界の人々が、「日本人ははっきりさせない」と、批判しますが、その人たちには是非とも鬼平を読んでほしい! 人間が善悪で判断できるほど、白黒はっきり出来るほど単純な存在なのか? 理不尽だからこそ、曖昧だからこそ人間なのだと。 曖昧な人間が白黒はっきりさせようとするから、善悪で判断しようとするから、間違いを犯すのだと。 | ||||
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一作目からはまります。世の中の酸いも甘いも分っている平蔵。 悪を知らずして悪をとらえる事なぞできない。そんな清濁あわせのみ、 部下達に厳しくしながらも、ポイントポイントできちんとフォローしている。まさに長官(おかしら)です。 笑うとえくぼができる丸顔が、悪に対しては鬼と化す。 一巻読んだら最後まで行ってしまいます。 私も一発で虜になりました。私なら兎忠がお似合いかな? | ||||
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テレビで初めて鬼平を見て、小説を読んでみたくなったので手に取りましたが、とても面白いと思います。完璧な正義の人という感じではなく、今で言う「チョイ悪オヤジ」って感じでしょうか。 現代に忘れがちな義理人情が書かれていて、流行の本もいいですが、インテリぶって流行の本を読むより、こういうの読むほうがずっと素敵だと思います。 | ||||
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池波正太郎がこだわった“粋”ということ。 主人公「鬼平」こと長谷川平蔵は粋である。 悪人に対しても時には鬼に時には仏にと、道理に適った処置をする。 『剣客商売』の秋山父子もそうだが、 物事の道理をわきまえた分別のある立ち回りが読者にとって実に快い。 個性的な脇役も多く登場し、この物語の世界は実に魅力的で粋である。 1巻を手にしたらもう最後。ハマること間違いなし! 文学的にみても、乱れた日本語が飛び交う現代において、 池波作品がいかに優れているかはいうまでもないだろう。 物の好き好きは人それぞれではあるが、 池波文学を味わうのに読者の程度は関係ない。 この価値が理解できない人達が果たしてインテリなのか? 『剣客シリーズ』と並び、池波正太郎のエッセンスが凝縮された、 永く読み継がれてほしい名作。老若男女問わず絶対お薦め!!! | ||||
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友人にすすめられて初めてこの本を読みました。読み始めるとはまりますよ。主人公の人情味がとにかくいい味をだしています。テレビでは味わえないおもしろさをぜひこの本で味わって下さい。 | ||||
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~鬼平は、人として、やってはいけないことを 最大限譲歩する。 人間の弱みにつけ込まれて行ってしまった悪には、優しい。 その弱みから出てきた快感で行ってしまった悪は、とりしまる。 一度、悪にそまった人間は、悪行に手をそめやすいことを 冷徹な言葉で書き尽くした小説である。 終わったと思った事件が実は裏で展開を見せるのは そのせいであ~~り、その手法を描く術がいい気分である。 よきにつけ、悪しきにつけ。~ | ||||
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僕はTVをきっかけに「梅安」「剣客」「鬼平」と三大シリーズを遡って読んできたんですけど、やっぱり鬼平が一番面白い。 それぞれの特質を説明するなら、完成度の「梅安」、楽しさの「剣客」、味わいの「鬼平」だと思ってます。 簡潔で含蓄の深い文体で、マンガのようにさらりと読めてマンガ以上に味わい深い。 読み進めていくうちにどんどん登場人物達が好きになっていく。 人生の悲哀も感じさせ、江戸情緒にあふれ、食事描写が実に美味そう。こんな作品、ちょっと他にありませんよ。 ただ、他のシリーズを読み慣れた目で見ると初期の数巻は文章が若干固く、入り込みにくい気もします。 もしつっかえることがあっても、我慢して読み進めて下さい。至福の時間が待っています。 TVで見て「吉右衛門カッコいい!」なんて言ってる方はこれをちゃんと読まないと人生損しますよ。 | ||||
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火付盗賊改方の長官を務めることになった長谷川平蔵こと鬼平が主役を張るこのシリーズ。予想以上に面白くて、読み始めたら止まらないって感じ。 登場人物や彼らが関わる事件が、それぞれの話のなかで繋がっていますね。例えば、第三話で出てきた脇役が、第五話では主人公になるという具合に。やっぱりこういうシリーズものは、最初から順番に読んでいかないと面白味が半減してしまのだなあと、つくづくそう思いました。 まず「へえーっ」となったのは、モラルを守った“真の盗賊”と、兇悪無惨な殺しも平気でする“非道の盗賊”の二種類があるってえところ。真の盗賊の三箇条のモラルを守って盗みをする“真の盗賊”たちが、この道に背く“非道の盗賊”どもを嫌悪するところが面白かった。 また、平蔵の人柄や仕事のやる気に心を動かされて密偵として働くようになる盗賊や、平蔵の剣友・岸井左馬之助など、魅力的な脇役が次々と出てきます。何年もかけて大仕事の準備を進めていく“真の盗賊”の大親分なんてえのも、法に照らせばそりゃあ悪いことをしているんが、これが案外憎めない。どころか、大親分に惚れ込んで一度はその下で仕事をしてみようなんぞという気になる盗賊が出てくる。その気持ち、分かるなあってなもんです。 巻末の植草甚一さんの解説を読むと、巻が進むほどにますます面白くなっていくようなので、「これよりもっと面白くなるんか! わーい」と、もうわくわくしているのであります。 | ||||
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時代劇などで有名な〔鬼平犯科帳〕の原作である。 その文章には妙味があり、ぐいぐいと惹き付けられるように読み進みたくなる。 その理由としては、いくつかの言葉を〔括弧〕でくくり、心のうちを語るのにも括弧を用い、行を改める。 (改行が早いから、読みやすい) のである。 動詞「いる」の連用中止法(例:「居を構えてい、……」)、年齢を「三十がらみ」などと表すなどの型は、昨今ではお目にかからなくなったもので、読みはじめに違和感を覚えるやもしれぬ。 しかし、文体もさることながら、 (やはり、内容の質が高いな……) と、感心することしきりなのである。 また、江戸の町並みをよく調べているだけあって、読み手もいつの間にやらその場にいるかと惑わされるのも見事だ。 〔鬼平犯科帳〕は、そこかしこにあるような時代小説や捕物噺ではない。 ことわざに〔盗人にも三分の理〕とあるように、毎回現れる盗人にも、さまざまな訳があって盗みをするようになったのである。 また、主人公〔長谷川平蔵〕の部下である同心や与力、また密偵も、ただの駒ではない。 (それぞれ、心を持っている) のである。 それを長谷川平蔵も理解してい、かなった対応を取るのである。 これこそが、まさに鬼平犯科帳の〔美学〕のように思われる。 〔一騎当千〕の勇猛ぶりを見るよりも、痛快である。 一巻では、いわゆる〔チャンバラ〕は存在しない。 もし頻りに刃を合わせるようなものであったら、私は、 (一巻で放り出したことであろう) と思うのである。 食い気をそそる〔食の描写〕についても書きたいが、字数の余裕がなさそうだ。 | ||||
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こう言っちゃ何ですが、捕り物は滅多に読まない私も、この作品にだけは唸らされました。全くもって上手いんです。 日本人には日本の読み物があるといった感じですかね。 | ||||
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『鬼平犯科帳』は現代風に言うと、「刑事もの」の人気シリーズということになるだろうか。 この短編集の主役は、「鬼平」こと長谷川平蔵、幕府の火付盗賊改方という部署の長官である。何といっても、時代は江戸。風俗も人間の生き方も、現代とはまったく異なっている。それにも関わらず、私たちがこの小説に多くの共感を寄せるのは、今も昔も変わらない人間の営みが、ここに生き生きと描かれているからだろう。 江戸に跋扈する盗賊を、長谷川平蔵が、部下や密偵を使っていかに捕まえるか、というのがこの作品の主題である。ただし、この世界には盗賊にはっきりと2種類の区別があり、それぞれ「大盗賊」「小泥棒」などと呼びあらわされている。前者は「盗まれて難儀するものには手を出さず、殺さず、犯さず」を金科玉条とする、どこか憎みきれない盗賊。一方後者は、一家皆殺しの「急ぎ盗(ばたらき)」を基本とする、憎んでも憎みきれない盗賊である。捕らえた盗賊の処置は平蔵に一任されているのだが、浮世の機微に通じた彼の罪人に対する柔軟性に富んだ裁きも、この小説の見どころの一つとなっている。 | ||||
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どうやったらこういった物語が作れるのか、そう思いたくなる名人芸の小説である。 鬼平とその世界が生きている。その世界は、原作者の筆から生まれたが、登場人物自身の力によって、生きている。名作とは、こういうものなのか。 | ||||
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