シルバービュー荘にて

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評判

シルバービュー荘にての評価:

4.67/5点 レビュー 12件。 A ランク

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平均点4.67pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21〜23 2/2ページ
No.3
(4pt)

死者からかかってきた電話

ルカレは、引退宣言後も2冊出してくれて、しかもその一冊ではギラムとあの方まで出てきましたが、亡くなられた後にもう一冊出てくるとは思いもよりませんでした。いつもは原書を読んで加賀山さんの和訳を待つのですが、今回は原書の刊行に気づかず和訳で初めて読みました。読後の息子さんの文章も、私もBBCのカーラ3部作のラジオドラマをよく聞くこともあり、嬉しかったです。
シルバービュー荘にて Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にてより
4152100699
No.2
(5pt)

秘密は誰にでもあって、誰にでも話せるものではない

2020/7月に読んだ「スパイは今も謀略の地に」(これが遺作だと思っていましたが)以来になります。「シルバービュー荘にて "Silverview"」(ジョン・ル・カレ 早川書房)を読み終えました。
 <部(サービス)>の国内保安責任者、プロクターの視点。蹲るベオグラード。ポーランド人、バレリーナ・アニアの存在。「ああ、平和だ。疑問の余地なく」と即座に答えるベオグラード元支局長・フィリップ。書店主・ジュリアンの視点。そして、シルバービューの女主人・デボラとその夫・エドワード。エドワードの依頼を受けてジュリアンが手紙を渡す相手は、デボラの娘・リリーか?。何かが起きているようで、何も起きていない事件の中、導かれるようにして、シルバービュー荘に集うジュリアン、リリー、デボラ、エドワードの会話、そのダイアローグのすべてが圧巻でした。「ドクトル・ジバゴ」のスカーフのように。
 リクルート、研修と管理、諜報技術(トレードクラフト)、その成果は?
 「スマイリーの仲間たち」が繰り広げる冷戦以降の世界が、愛と信条と国家への忠節と平和への希求が、形のない場所で蜃気楼のように繰り広げられます。このような「スパイ小説」を構築できる作家の物語が、もう読めなくなってしまうのでしょうか?秘密は誰にでもあって、誰にでも話せるものではない。家庭劇のようでありながら、実は英国という国家を表現しながら、やはり誰もが望んでいるものがあるとすれば、それは「平和」だったのでしょうか?
 巻末にル・カレの御子息、ニック・コーンウェルによる「あとがき」がアタッチされていますが、ル・カレへの愛に溢れた、しかしながらこの物語に描かれる「繊細な真実」を紐解いてみせて、とても興味深いものでした。ル・カレの数々の経験の歌は、エドワードのアイデンティティが国家のアイデンティティよりも確実に<部(サービス)>の役割を果たしていることを気づかせながら、幕切れを迎えます。
 誰にでも「分かりやすい」日本という国家の中にいて、そして、その衰退を目の当たりにしながら、これから先、ル・カレ不在の「世界」を生き長らえることを憂いながら、読むことになりました。
シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)より
4150415269
No.1
(5pt)

秘密は誰にでもあって、誰にでも話せるものではない

2020/7月に読んだ「スパイは今も謀略の地に」(これが遺作だと思っていましたが)以来になります。「シルバービュー荘にて "Silverview"」(ジョン・ル・カレ 早川書房)を読み終えました。
 <部(サービス)>の国内保安責任者、プロクターの視点。蹲るベオグラード。ポーランド人、バレリーナ・アニアの存在。「ああ、平和だ。疑問の余地なく」と即座に答えるベオグラード元支局長・フィリップ。書店主・ジュリアンの視点。そして、シルバービューの女主人・デボラとその夫・エドワード。エドワードの依頼を受けてジュリアンが手紙を渡す相手は、デボラの娘・リリーか?。何かが起きているようで、何も起きていない事件の中、導かれるようにして、シルバービュー荘に集うジュリアン、リリー、デボラ、エドワードの会話、そのダイアローグのすべてが圧巻でした。「ドクトル・ジバゴ」のスカーフのように。
 リクルート、研修と管理、諜報技術(トレードクラフト)、その成果は?
 「スマイリーの仲間たち」が繰り広げる冷戦以降の世界が、愛と信条と国家への忠節と平和への希求が、形のない場所で蜃気楼のように繰り広げられます。このような「スパイ小説」を構築できる作家の物語が、もう読めなくなってしまうのでしょうか?秘密は誰にでもあって、誰にでも話せるものではない。家庭劇のようでありながら、実は英国という国家を表現しながら、やはり誰もが望んでいるものがあるとすれば、それは「平和」だったのでしょうか?
 巻末にル・カレの御子息、ニック・コーンウェルによる「あとがき」がアタッチされていますが、ル・カレへの愛に溢れた、しかしながらこの物語に描かれる「繊細な真実」を紐解いてみせて、とても興味深いものでした。ル・カレの数々の経験の歌は、エドワードのアイデンティティが国家のアイデンティティよりも確実に<部(サービス)>の役割を果たしていることを気づかせながら、幕切れを迎えます。
 誰にでも「分かりやすい」日本という国家の中にいて、そして、その衰退を目の当たりにしながら、これから先、ル・カレ不在の「世界」を生き長らえることを憂いながら、読むことになりました。
シルバービュー荘にて Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にてより
4152100699