幻告

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評判

幻告の評価:

3.73/5点 レビュー 15件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.73pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(5pt)

種をまく。人生はその連続。

めっちゃ面白かった。もう一回読もう。(なんかAmazonのリード文が微妙に変。そうじゃない気が。)

唐突にタイムリープの話になって、「ん、東◯べ??」と不安視してしまったが、道具として使っただけで
本筋は従来どおりの刑法・裁判を軸とする家族の人間描写。

途中、SFがかっているので時系列の整理混乱したけど、最後まで読むに連れて向かうべき焦点(正しい裁判 かつ 殺人の回避)が定まっていくのであまり気にならなくなった。

今回のテーマのメインは 「種をまく」 この言葉に尽きる。
タイムリープ、つまり「ある瞬間の過去の自分に、現在の経験と記憶を持ったまま乗り移る超常現象」
ある瞬間が過ぎ去れば、過去の自分はその時の記憶を持たない。
変えなければいけない未来があるのに、時間制約がそれを許さない。
であれば出来ることは、託すこと。ときが過ぎた「過去の未来の自分」に託すこと。

コレってタイムリープに限らず、現実世界も一緒なんだよな。
例えばスケジュールにしたって、明日の自分に行動を託すこと。ただし明日の自分が行動するかはわからない。
だから、より確実な種を巻き続けるしか無い。社会は不確実同士が不安定に組み合わさっている。

余談
例えば不可逆少年の真昼君とか、今まで印象が「家族を描きたいけど法小説に寄りすぎて書ききれない」という印象だったが、本作はとても上手に絡んでいて読み応えがあった。
幻告 Amazon書評・レビュー: 幻告より
4065284473
No.3
(3pt)

夢中で一気読み。

裁判所書記官が主人公の、タイムリープx法廷ミステリー。
義娘に対する性犯罪で逮捕・懲役刑となった父。冤罪ではなかったのか?
タイムリープで掴む事実と、変わる・変える行動。思いもかけない影響を受ける未来。絡み合った複数の犯罪。除々に解き明かされる真実。限られた時間の中、はたして納得の行く未来に辿り着けるのか?

夢中で一気読み。夢中で一気読み。若干、「今はいつの時間帯?」が読み取りづらい事あったけど。タイムスリップ物は好物なので。

法廷用語などの勉強にもなりましたー
幻告 Amazon書評・レビュー: 幻告より
4065284473
No.2
(5pt)

ファンタジーとリアルな法廷の交錯。五十嵐律人真骨頂

主人公宇久井傑に父の記憶は残ってない。
5歳のときに家を出たという父の姿を見たのは、義理の娘への強制わいせつの罪を問われる法廷。傍聴席で見つめる学生の傑に虚しく響く父の無罪主張。判決は有罪。

舞台はそこから五年後。父はあのときどんな表情をしていたのか。
同じ目線で被告人を見たいがために裁判所書記官となった傑が、法廷での職務を終え、扉を開けた瞬間辿りついた時間軸は、父が無罪を主張する公判の一時間前だった。

過去と現在を往復する度に刑事裁判ならではのギミックを生かした衝撃が待っている。背中で感じる裁判官入廷の違和感の描写など、書記官という特殊な職種の主人公ならではの描写に知的好奇心が刺激される。

父は冤罪だったかもしれない。だが、冤罪を晴らすために過去で動けば現在に更なる悲劇が――
顔も思い出せない父の裁判。何を目指して行動すればいいのかすら分からないまま過去に飛ばされる。
倫理観、職責、真実、人命。
本来天秤にかけられない要素の比較をタイムリープの度に強いられる。

真実に近づくにつれ、振り回されるだけでなく、明確な意思を持つようになる傑。
悲劇を避ける道はないのか。
本来真実を知っていたとしても関与できない刑事裁判に、書記官ならではの抜け道を探って未来改変を試みるシーンは、非常にスリリング。

そこに加わる裁判官烏間の視点。
判決を出した裁判官ですら、確定した判決の内容は変えられない。
冤罪に気付いた裁判官は、何ができるのか。
後悔から丁寧な訴訟指揮を取るようになる烏間の振る舞いを通して、日本の刑事裁判の表も裏も露になる。

設定は奇抜だが、刑事裁判を真摯に扱う姿勢はデビュー作の『法廷遊戯』と同様。刑事裁判の理念を法律に縁がない人に知らせるツールとしても一級品。
刑事手続、タイムリープいずれの設定からも納得できるフィクションならではの結末。
複雑に絡み合う登場人物の思惑と複数の事件が最終的に一つの時間軸に収束する様を見たときの快感は、あたかも難解なパズルを完成させたかのよう。
独創的な設定を法律のロジックで緻密に描く五十嵐律人の真骨頂。頁をめくる手が止まりませんでした。
幻告 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 幻告 (講談社文庫)より
4065381800
No.1
(5pt)

ファンタジーとリアルな法廷の交錯。五十嵐律人真骨頂

主人公宇久井傑に父の記憶は残ってない。
5歳のときに家を出たという父の姿を見たのは、義理の娘への強制わいせつの罪を問われる法廷。傍聴席で見つめる学生の傑に虚しく響く父の無罪主張。判決は有罪。

舞台はそこから五年後。父はあのときどんな表情をしていたのか。
同じ目線で被告人を見たいがために裁判所書記官となった傑が、法廷での職務を終え、扉を開けた瞬間辿りついた時間軸は、父が無罪を主張する公判の一時間前だった。

過去と現在を往復する度に刑事裁判ならではのギミックを生かした衝撃が待っている。背中で感じる裁判官入廷の違和感の描写など、書記官という特殊な職種の主人公ならではの描写に知的好奇心が刺激される。

父は冤罪だったかもしれない。だが、冤罪を晴らすために過去で動けば現在に更なる悲劇が――
顔も思い出せない父の裁判。何を目指して行動すればいいのかすら分からないまま過去に飛ばされる。
倫理観、職責、真実、人命。
本来天秤にかけられない要素の比較をタイムリープの度に強いられる。

真実に近づくにつれ、振り回されるだけでなく、明確な意思を持つようになる傑。
悲劇を避ける道はないのか。
本来真実を知っていたとしても関与できない刑事裁判に、書記官ならではの抜け道を探って未来改変を試みるシーンは、非常にスリリング。

そこに加わる裁判官烏間の視点。
判決を出した裁判官ですら、確定した判決の内容は変えられない。
冤罪に気付いた裁判官は、何ができるのか。
後悔から丁寧な訴訟指揮を取るようになる烏間の振る舞いを通して、日本の刑事裁判の表も裏も露になる。

設定は奇抜だが、刑事裁判を真摯に扱う姿勢はデビュー作の『法廷遊戯』と同様。刑事裁判の理念を法律に縁がない人に知らせるツールとしても一級品。
刑事手続、タイムリープいずれの設定からも納得できるフィクションならではの結末。
複雑に絡み合う登場人物の思惑と複数の事件が最終的に一つの時間軸に収束する様を見たときの快感は、あたかも難解なパズルを完成させたかのよう。
独創的な設定を法律のロジックで緻密に描く五十嵐律人の真骨頂。頁をめくる手が止まりませんでした。
幻告 Amazon書評・レビュー: 幻告より
4065284473