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銀漢の賦
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銀漢の賦の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 61~70 4/4ページ
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物語の展開を追いつつ、登場人物の品格に魅せられ、ますます葉室ファンになりました。 | ||||
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面白かったです。男同士の心の繋がり、物言わずして相手の心を知るほどの信頼感。やるときには自分の信念を曲げない男たちの物語が、読んでいて心打たれました。 | ||||
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藩への謀略を阻止する動きを絡めての巧みな物語の運びにすっかり入り込んでしまいました。 前半、源五と将監の回想を交錯させる事で再び二人の友誼が深まる様を描写した流れが自然で、続く彼らのその後を違和感無く追うことが出来ます。また合間、合間に登場する源五の計算高くも憎めない娘婿が添える彩りは、ともすれば重くなりがちな雰囲気を調整していてこれはなかなかに侮れません。 総じて過不足なく語られる情景、心情から映し出された清々しい心栄えが好もしいこの作品に幸福な読書体験をさせて頂いたと思っています。 | ||||
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直木賞受賞作「蜩ノ記」がなかなか読み応えがあったのでこの本を購入しました。男の友情が縦糸で権謀術数渦巻く藩内の政情が横糸でしょうか?歴史小説ですが絡みあった糸を解きほぐす推理小説にような一面もありなかなか楽しめました。 | ||||
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著者の直木賞受賞を知り、受賞作よりも先にこちらを読了。 封建社会である時代を描いた時代小説においては、しばしば悲運で終わる物語があるが、 本著は読後にも爽やかな結末を用意した。 今後の作品も楽しみ。 | ||||
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「蜩ノ記」を読んで、清廉な生き方にこれからの自分を見つめ直すきっかけをつくってくれた。 この「銀漢の賦」では、人との付き合い方を考え直すきっかけをつくってくれた。 生きにくくしているのは自分で、まっすぐに生きていれば人の評価はいらない、真実は自分が知っていればよいだけのこと。 そう思って生きてきたけれど、自信を無くすこともある。 でも、大丈夫と言ってくれた本。 いつも一緒にいるわけではないけれど、いつも思う友人、いざという時に走ってあげられる友人、走ってくれる友人がいるだけでよい。 そして家族へも同じように、人として当然、同じように真摯に向き合いたい。 | ||||
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まずは作者の直木賞受賞を祝いたい。 ようやく葉室麟をかじりだしたばかりの私にも、受賞は嬉しいことだった。 受賞作『蜩ノ記』は未読だが、粗筋を見る限り、自分がこの作家の核心的な部分と思っているもの、 「葉室麟らしさ」の理解は間違っていないと思った。 それは、苛烈な宿命を峻烈な意志で背負うというモチーフである。 そして私にそう思わせたのは、 間違いなく葉室麟の典型的な作品であると確信したこの『銀漢の賦』だった。 当たり前だが、時代小説にもいろいろある。 大別すれば、アクション中心、戦い中心のものと、そうではないものになるだろうか。 もちろんどの小説にも両者の要素がいろいろ入り混じってはいるのだろうから、 その度合いから受ける印象、という程度の話である。 後者の代表のひとりに、藤沢周平があるといえるかもしれない。 この『銀漢の賦』も後者。 実際、宮部みゆきは、その葉室麟評の中で、藤沢周平を思わせると言っているらしい。 ここでもアクションはあって、とくに大団円では大事な要素なのだが、 しかし基本は、もっと心の問題、人と人との絆や、 侍として人間として、人生どう生きるか、というような問題だろう。 精神性にこそ焦点がある。 江戸時代は老中が松平定信であった頃、九州あたりらしい架空の月ヶ瀬藩が舞台である。 中心人物は二人、名家老の松浦将監と、あまり評判のよくない平侍の日下部源五。 当時としては老境に差し掛かった二人、将監が源五を共に加えて、 新田開発の視察をする場面から物語は始まる。 だが今はほとんど付き合いもなく身分も違ってしまったこの二人、 実はかつては親友同士であった。 なぜ二人は仲違いしたのか。なぜこうも身分の差がついたのか。 平凡といえば平凡な謎が、深い意味合いと興味を伴って展開されるのはまさに作家の腕だろう。 何も殺人の真犯人や、迫り来る敵の正体だけが謎ではないのだ。 謎は意外にあっさりと答えが描かれたりするが、またさりげなく別の謎が次々に提示される。 その自然な運びがいい。何しろ二人とも歳はとっているわけで、 するとその人生には外から見ればいろんな謎があるだろう。 言い換えれば、人生とはそういうものではないか。 そういうふうにして、この小説は、 人がひとりひとり生きていくことの重さと深さとを浮かび上がらせる。 もちろん物語として、謎の中身がまた面白いのではあるが。 謎をいうなら、物語の結末に至る展開も謎としてある。 この時代の、侍としての生き方は厳しいものとして描出されているから、 安易な感動狙いの物語にしばしばあるような、 ご都合主義的ハッピーエンドをすぐに予想できたりはしない。 友人同士が斬り合うような展開もありえるわけで、先が見えないのも面白い。 この作家の一面は、「葉室麟」というペンネームからもうかがえるだろう。 スタイルにこだわるのである。 それは題にもはっきり現れている。 そうしたスタイルはまた味のある教養をも伴うもので、 その筆が描き出す人物像にも味わいがある。 しかしけっして高尚で近寄りがたい、というものではない。 むしろ主人公というべき源五の描き方は逆であろう。しかしいい。この人物は実にいい。 百田尚樹の『影法師』を連想させるものがあるかもしれない。 設定なども似ているといえば似ている。だが、あちらの小説が、というより百田尚樹という小説家が、 情感タップリ感を持っているのに比べると、 こちらは重い主題にも関わらず、いかにもさらりとしている。 それは作中にも描かれているような、人生に対する処し方かもしれないのだが。 それが気に入れば、けっこうはまるのではないかと思う。 エンディングも、この作家らしいこだわりのある洒落っ気が感じられてよかった。 | ||||
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第14回松本清張賞受賞ということで読んでみました。責任ある立場になれば、時に情や義理に背を向けて生きていかねばならないこともあるでしょう。全体がよくなるための仕方のない「理不尽さ」とそれを最終的に理解してくれた友とのお話です。銀漢(天の川)にまつわる描写がいいです。藤澤周平が好きな方ははまるでしょう。おすすめです。 | ||||
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一人は文武両道で両親の仇をとるために家老まで登り詰めた将監、 かたや武術に優れているが郷回りのままの源五。 幼馴染であった二人がもう一人の親友、十蔵の死をきっかけに源五が縁を切ったが、 二十年のときを隔て将監の命を懸けた思いを知って、暗殺を命じられたにも関わらず 将監の脱藩を助ける源五。この二人の友情に胸が熱くなる。 主人公たちは50代であるが、そんな年齢を感じさせない志の高さ、 行動力をもっていて、年下の追っ手にも真っ向から立ち向かう姿がなんとも清々しく 骨太さを感じ、読み応えのある一冊。 また友情を示す「天の川」=「銀漢」は燻銀のような彼らにふさわしく渋いタイトルだ。 | ||||
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本格派の時代小説を読んだという感慨があります。作者は50歳から文筆活動に入られ、文壇デビューは54歳だそうですが、デビュー作で歴史文学賞、本作が14回松本清張賞を受賞している実力派です。 物語はとある藩で幼少時に同じ剣道場にかよい、竹馬の友であった3人が様々な変転を経て、一人は功なり名を遂げ名家老とまでいわれるようになる松浦将監、一人は無骨者で郡方にあまんじている鬼源五こと日下部源五、百姓なのに刻苦しそれ故に一揆の惣代となり処刑される笹原村の十蔵、この三様の生き方を現在過去をカットバックしながらたくみに描き尽くしています。一揆の討伐に選ばれた銃の名手源五は、相手が十蔵であることを知りわざと狙いを外して十蔵達百姓の言い分をきき将監につたえます、この騒動は思わぬ展開から将監を家老に抜擢させることになります。その後の十蔵に対する将監の過酷な処置を契機に源五は絶縁を申し出て何十年たち、五十を超えてからこの二人はお家騒動に巻き込まれ皮肉な巡りあわせにより再びまみえることになります。 将監追い落としの一派は剣や銃の使い手である源五を利用して、将監を上位討ちにしようとしたのです。領主を時の幕府幕閣に登用するかわりに、領地替えをさせようとする幕臣達の画策を見抜いた将監が領主に公然と異を唱えたからです。逆命利君、あえて命令にそむき結果的には君主のためになるようにする、ただ自らの保身に汲々として位階人臣をきわめたと思っていた将監が真に国を憂えていたことを知って、源五はいずれにしろ余命の短い将監を自らの命を賭して藩外に脱走させ、時の権力者である松平定信にこの幕府のたくらみを中止させようとします。 何十年をへても変らぬ男の友情が骨太に描かれています。 剣戟シーンのリアル感も読者をうならせるでしょう。映画にたとえれば黒澤明作品のように緊迫感のあふれるものとなっています。お勧めの本格派時代小説です。 | ||||
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