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(短編集)
決闘の辻
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決闘の辻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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最近、藤沢周平の短編時代小説を読んでいますが、決闘の辻も、またいい内容です。 | ||||
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剣技の表現が秀逸だと思います。 寝る前に読むのが習慣なのですが、目が冴えて困りました。 | ||||
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藤沢周平の小説には、歴史もの、剣豪もの、市井の人々の生活を描いたものなど、さまざまの種類があって、それが実にうまくからまりあって、独特の世界を作りあげています。この本では、実際の歴史上に存在した人たちを主人公にしながら、彼らをあらためて活き活きとした小説の主人公として描き切っています。老いた宮本武蔵を描く「二天の窟」、神子上典膳の文字通りの「死闘」を描き切った、その凄まじさ、また、藤沢周平の小説の一ジャンルとも言うべきビルドゥングスロマンを感じさせる「飛ぶ猿」――藤沢周平小説の素晴らしさが、ぎゅっと詰まった一冊です! | ||||
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実在した伝説的な剣豪たちを題材とした五篇からなる時代小説集。各篇は約60ページ。 各作品のタイトルに剣豪たちの名が添えられており、神子上典膳を除いてはいずれも老境・晩年の姿が描かれる。典膳にしても、その師である伊藤一刀斎は引退目前である。また、必ずしも剣豪たちが主役とは限らず、諸岡一羽斎と愛洲移香斎はそれぞれ、弟子と仇の視点からの物語となっている。 「二天の窟(宮本武蔵)」 熊本藩に客分として遇されて三年後の武蔵が登場する。平和でなに不自由ない日々のなか、老いを迎えつつある武蔵の前に、挑発的な態度を示す不審な兵法修行者らしい若者がたびたび姿を現す。武蔵が五輪書の筆をとるに至る動機の一部が本作のテーマとなっている。ヒロイックな求道者としてではなく、現実でもこうあったのではないかと思わせるような泥臭い武蔵像が提示される。 「死闘(神子上典膳)」 老いた達人である伊藤一刀斎とともに旅する弟子たちを描く。弟子たちは、本作の主役となる典膳、兄弟子にあたり狂暴で腕の立つ善鬼、一刀斎の妾でもあり娼婦としての魅力をもつ小衣の三人からなる。自らの衰えを自覚する一刀斎は、力をつけるとともに不満を日々強くしている善鬼を恐れており、それは典膳も知るところである。典膳は師匠の言葉から、善鬼との決着の日が近いことを知らされる。まさに死闘の場面が見どころ。本書中で唯一、剣豪の若き日を描いた作品でもある。 「夜明けの月影(柳生但馬守宗矩)」 成り行きからある男の恨みを買い、彼によって襲撃を受ける宗矩とその一族に起きる出来事を描く。復讐にまつわる話そのものよりも、復讐が成立するまでの背景の説明が長く、とりたてて役割のない登場人物も多い。本書中でももっとも印象に残らなかった。 「師弟剣(諸岡一羽斎と弟子たち)」 没落した剣豪のもとに残った三人の高弟と、一羽斎の養女であるおまんさまの五人による物語。主人公は高弟のひとりである泥之助だ。冒頭、泥之介と、もうひとりの高弟で自らの境遇への不満を漂わせる兎角が、視力を失いつつある一羽斎を捜索する場面にはじまる。終局はやや意外な展開だった。 「飛ぶ猿(愛洲移香斎)」 東国に住む若い波四郎は、漁師であり剣の達人でもあった父を倒して死の遠因ともなった剣豪・愛洲太郎左衛門を仇として、西国へと旅立つ。堺に住むという愛洲の弟子を訪ねるところに始まるかたき討ちの旅は、行方の知れぬ愛洲を捜索して予想以上の長期におよぶ。長きにわたる旅のなかで、幼さの抜けなかった波四郎も剣士としての経験を積み成長していく。「師弟剣」に続いて、剣豪にはスポットを当てていない作品。しかし個人的には本書に収められた作品のなかで抜けて面白く、爽やかな読後感が与えられた。一種の青春小説であり、もっと長く読みたい気もした。他作品の剣豪とは明らかにテイストが違う、人間離れした移香斎の人物像も良い。 上記の通り、末尾に据えられている「飛ぶ猿」がもっとも好みだった。全体にはさばけた空気感で一貫しているとともに、武蔵をはじめ、自らの衰えを認めざるをえなくなった達人たちの人間臭い葛藤が多くの作品で共通している。おそらくだが、著者作品のなかでは傑作として評価されるような類いの作品ではないのだろう。ひとつ付け加えると、古い作品でもあり時代背景もあって本作には限らない話だが、各篇でひとりずつ登場する女性キャラクターが概ねモノに近い存在として描かれる点については、読み手によっては不快感を抱くかもしれない。 | ||||
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師弟剣の岩間子熊こそ武士。やれ葉隠だ、やれ武士道等最もらしいことを書いてある時代小説が多いが、結局は儒教の押売り。孔子が言ったとされる「君君足らずとも、臣臣たる事勿れ」。これ就活のcopy? 兵道の流派等は、店屋の幟みたいな物。そんな物に儒教的意味付けを垂れる。信長すら武士がつく嘘は「戦略」、坊主がつく嘘は「方便」と言っていた。信長も武士道等と言う概念は持っていなかった。子熊は、信長とは対極の武士を生きた。そう言う世界において、子熊の生き方こそ本来の武士である。逆に本来の武士で無い者が、最もらしく武士道等と宣う。本来人を殺すことに「道」等有ってたまるか!素朴な岩間子熊に武士なる物を見る。 | ||||
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藤沢周平の斬り合いの描写が好きで購入しました。 5つの短編で構成され、その道では有名どころをそろえているようです。 一貫して流れているテーマは「老い」のように感じます。その対象になる人物は主人公であったり、師匠、仇、など様々です。1980年代にそれぞれの話が書かれているようで、著者が50代の頃と考えられます。1997年に他界、ということなので藤沢自身、その死の足音を、意図してか、無意識か、どこかに聞こえてきていたのかもしれません。少なくとも体力の衰えは日々感じていたことでしょう。それが物語の中に反映されているように思います。 【↓↓ここからネタバレです。ストーリーが気になる方は読まないでください】 やっぱり初っ端、宮本武蔵の話が一番印象に残ってます。 その著書『五輪書』では冒頭に、六十余度まで勝負したが一度も負けたことはない!と書かれてます。武蔵不敗伝説とでもいいましょうか。とりあえず武蔵はずっと勝ち続けていたと見られていました。そこに一石を投じたのがこの「二天の窟(あなぐら)」です。 鉢谷助九郎という無作法の若者が現れ、武蔵の生涯の最後に汚点を残すかと危ぶまれました。 「鉢谷助九郎!」と岩から飛び降りさま、剣を振り下ろす場面は迫力満点です!この本のなかで一番(私にとっては)心に刻み込まれたところでした。まぁ言ってみれば不意打ちです。でも・・・なぜか読後はさわやかなものでした。 吉川英治の武蔵は、自己鍛錬に終始した誰が読んでもカッコイイというイメージです。他方、司馬遼太郎などが描く武蔵は、勝つためなら何でもする、手段を選ばない戦略をめぐらす合理主義的なところがあります。どちらが真実、虚構だということはなく両者とも宮本武蔵、その人だと思います。それらをひっくるめ、私は武蔵が好きです。ただ、この短編は後者の司馬遼太郎の武蔵像に近いですね。しかし、あの一瞬の勝負にはしびれました!「勝利への執念」です。兵法者宮本武蔵ここにあり、って感じです。 『五輪書』執筆の経緯など合わせて書かれており、「晩年の武蔵」という変わった切り口で描かれております。若い頃の武蔵作品もいいですが、また違った面白さがありました。 | ||||
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どれも珠玉のチャンバラ短編集です。 一話を除いて、むやみやたらに切り合いが続くのではなく 勝負はほぼ一瞬です。そこにリアリティとカタルシスがあります。 どの話も素晴らしく面白いです。 でも私が一番好きな話は、その唯一長い切り合いの描写がある 「死闘」という神子上典膳の話なんですけれどね。 個人的には、この作品以上の剣戟シーンはないと思っています。 日本一!だと思います。 「飛ぶ猿」という話は、愛洲移香斎を扱った話なので 時代的には他の作品とちょっと離れています。 でもこれもいいエンディングです。 読んで絶対に損しないです。 | ||||
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図書館で借り宮本武蔵を読んで気に入りましたので購入することにしました。吉川の宮本武蔵、司馬の宮本武蔵も面白かったですが、藤沢の宮本武蔵は人間的で前の2作とはまた違った面白さがあります。 | ||||
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いつものことながら、最後まで気持ちよくお取引できました。ただ、マーケットプレース店は配送状況の確認ができないのが残念。 | ||||
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いつもの藤沢周平調と一味ちがいますが、これも有りかな?ちょっと残念! | ||||
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宮本武蔵、柳生但馬守初め、剣の道を極めた兵法者の特に晩年までの生きざまを描いた短編小説集。 まるで自分が斬り合っているかのごとく目に浮かぶシーンの描写、さすがかっこいい。 兵法者の性として、若い時無敗で名を上げたが、衰えた後にも若手の兵法者に対戦を挑まれる。 高名であるほど最後まで勝ち逃げるのは至難の業だ。 そんな登場人物達にはあじがある。 | ||||
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歴史に名を残した名剣客の決闘シーンを描いた5篇。 歴史人物が大嫌いなそれがしでもこの著者にかかればついついのめり込んでしまう。宮本武蔵以外は初めて聞く名だが、藤沢周平さんの剣描写に有名無名もない、どの剣客も身近に感じてしまうほど、さすがにうまい。 *お薦め度(★★★★★) 題名が題名だけに手に取りにくいが、読み始めたら実在の人物を知らなくとも一気に行きます。心配ご無用 ■「ニ天の窟〔宮本武蔵〕」: そうか、武蔵も歳をとって弱くなっていたのか? 「五輪書」が読みたくなった。 ■「死闘(神子典膳)」: この決闘シーンは壮絶であった。しかし、その後が面白かった。女は強いなー、魔物だなー ■「夜明けの月影(柳生但馬守宗矩)」: 心技体の描写がすごい、息詰まる。藤沢周平さんほんとうに上手いなー、感心しっぱなし。 ■「師弟剣(諸岡一羽斎と弟子たち)」: なんとも師弟の素晴らしさよ、今の世じゃあり得ないな。 ■「飛ぶ猿(愛洲移香斎)」: こういうのが藤沢周平さんの親しまれるところ、いいなー。しかし、侍もここまできっぱりしていると心地よい。 | ||||
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藤沢周平の世界は広い。晩年の 宮本武蔵の日常をこのように描いた。 さもありなんと思わせる 充実感。そして、ユーモア。 『五輪書』を書く前の武蔵はどう生きていたのか。 『二天の窖(あなぐら)』が、巻頭を飾っている。 藤沢周平は天才だ。 司馬遼太郎の『宮本武蔵』(朝日文庫)に近似している。 こんなことが武蔵に起こっても不思議はない。 そう思わせる 表現力とその迫力。生々しい現実感。 藤沢周平の 想像力はいかに凄いかを納得させてくれる。 宮本武蔵に関心ある者にとっては 嬉しい限り。 必読書。 | ||||
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