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大地の牙 満州国演義 六
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大地の牙 満州国演義 六の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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第3巻・4巻・5巻と資料を上手く駆使して単なる説明にならず、登場人物が描写されており、時々同じ様な場面の繰り返しにはなりますが、物語の展開が上手く流れていました。満州侵略という戦争状態が舞台ですから、遠慮なく人が殺されますし、主人公である兄弟達の周囲も時には残酷な状態になり、人が死にます。当然のことでしょう。資料をよく読み込み、なんとか物語の中に組み込もうとしている執筆姿勢は理解出来ます。おかげで、満州事変から満州国成立の謀略の過程が、下手な歴史書以上によくわかりました。実在した様々な人物を登場させているのも新しい発見で参考になります。 ところが、第2巻は資料を基に物語が展開されておらず、説明臭くなってしまっていました。それと同様にこの第6巻も資料の説明が主体となり、その間に登場人物と事件が、しかも、今までと同じ様な事件が繰り返されて取って付けた様に描かれています。言い換えれば資料を説明するため、資料をなぞったぬり絵の様な作品展開となっていると感じるのは自分だけでしょうか?大河小説として五味川純平氏の「戦争と人間」以来の大作と期待していますが、五味川氏の作品が陥ったのと同じ傾向が伺えます。そうなると誠につまらない。この巻はノモンハン事件を取り上げていますが、そこで三男の三郎を中心にもう少し登場人物を動かすことは出来なかったのか?長男太郎の情事にしても、もっと相手の中国女性を描写出来ぬのか?次郎が間垣氏に逆襲するシーンの様な場面を、もっと作れぬものか?四郎も、うろちょろを繰り返させるだけで、なんだかこの人物を描く必要あるの?としか感じられません。 加えて男は誰もが、やたらと煙草を取り出し燐寸で火をつけ灰皿でもみ消すシーンと、酒を「舐める」シーンは相変わらずで、加えてやたらと会食し飯を注文するシーンが目立ちます。週刊誌連載ですから、場をつなぐためでしょうか?ちょっと芸がないのではと感じてしまいます。 「~ではない・~ではなかった」と書く代わりに「~じゃない・じゃなかった」というくだけた口調の文章は、ここまで続くと、どうもこの作者の性格からくるものらしい様で、依然としてそれだけが違和感を感じます。加えて登場人物が最初はフルネームで紹介されるのですが、主人公の太郎・二郎・三郎・四郎は兎も角、他の人物もすぐに下の名前だけで描かれるのは、誰だったっけ?と前の見返すことがしばしばなのは、自分だけでしょうか?どうしてそういう風に描くのかもはっきりとわかりません。どうもこれらの文体は作者独特のものらしく、それが個性ある文体なのか、ある種の悪文なのか、最終巻を読むまでは判断が出来ませんが、兎も角、ある意味で歴史書として、最近には珍しい大河小説として、最後まで付きあうつもりです。次巻以後は、もっと面白くなりますように! | ||||
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