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詐欺師は天使の顔をして
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詐欺師は天使の顔をしての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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様々なタイプのミステリー小説が紹介されている『ミステリースクール』(講談社)の中、【特殊設定】の項目で杉江松恋氏が取り上げていた一冊が、これ。面白そうなんで、手にとってみました。 主役のふたり、子規冴昼(しき さえひる)を追いかける形で呉塚 要(くれづか かなめ)がこの世界とは別の世界に飛び込み、その世界独自のルールが働いているなかで起きた事件の謎を解き、決着をつけると、そういう話になってます。「第一話 超能力者の街」「第二話 死者の蘇(よみがえ)る街」「エピローグ ●●●●の街」が収められています。 作品の根っこを貫くテーマとして、多元世界を転移しつつ繰り広げられる、〝跳(と)ばされる男・冴昼〟と〝追いかける男・要〟のボーイズラブがあるのだと思います。 ですが、わたしが本書で殊に魅力的だと思ったのはそこじゃなく、多元世界独自の奇妙な法則と異様な世界観でした。 とりわけ、〈死者の蘇る街〉に出てくる〝戻り橋〟と、「エピローグ」の世界が印象的。引きつけられました。 もう少し、この路線の話を読んでみたいな。 続篇が出たら、〝買い〟ですじゃ。 | ||||
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この作者さんの小説は初めて読みました。 ラノベっぽい雰囲気なのは表紙からもわかるかと思うのですが、かなり同人小説っぽさも感じたのはキャラクターの個性と文章の癖のせいもあるかもしれません。 キャラクターの説明口調がちょっと気になったり、表現の仕方が引っかかったりして何度かページを戻ってしまいました。 天才詐欺師が頭脳戦を繰り広げるようなお話を期待していたのですが、世界観が奇抜なせいで納得いかない部分も多々あり、頭の中で整合性が取れなくなったりであまり入り込めず…。本格的なミステリや頭脳戦を期待して読むと肩透かしを食うかもしれません。 | ||||
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序盤は入り込めたんですが、なんか段々とよく分からなくなってきて 話が複雑なんでしょうか。何回同じ行を読み返しても噛み砕けず、かなり冒頭で読むのを辞めてしまいました。 斜線堂有紀が好きだったので、本来は絶対買わないあらすじの作品を買いましたが、買わなければ良かったです。 | ||||
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斜線堂先生は感情の内を記すことに長けていますが、今作は関係性という点にクローズアップしていると思います。 また特殊設定ミステリも兼ね備えている作品でもあるので、ミステリ好きの方にも手に取っていただきたい作品です。 | ||||
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不勉強なもので、この作者の著作はこれしか読んでいない。出版レーベルといいマンガチックな表紙といい、よくあるライトノベル的なキャラクター設定を組み入れた凡庸なミステリかと思っていたら、いい意味で裏切られた。 確かに舞台設定はアニメ的なのだが、やっていることはハードボイルドそのもの。探偵役とワトソン役(両方男)の付かず離れずの関係はボーイズラブ的でもあるが、根底は苦み走った人間賛歌である。著者はキャラクター小説をよく分かっていて、なおかつミステリもちゃんと攻めている。暇つぶしのつもりで読んだら、結構引き込まれた。これからもこういう小説が増えて欲しい。 | ||||
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この小説では「全ての人間がサイコキネシスを使える世界」や「全ての人間が死んだら霊体になって生前と変わらない暮らしを送る世界」、「全ての人間が超巨大な列車の中で生きる世界」といった異世界に数日おきに転移してしまう男と彼を追いかける男が、それぞれの世界で発生する事件を解いていく。 つまり特殊設定ミステリ連作短編であり、各世界で醸成された独特な風土の面白さ、そこから導かれる謎解きも秀逸だが、もう一つ重要なこととして、この作品は作り物の神が本物の神になる物語である。 この小説の主人公、子規冴昼と呉塚要はもともと、(現実と同じ現象しか起きない世界で)世間を相手にいわゆる霊感商法での詐欺を働いており、表向きの霊能者役として脚光を浴びるのは人を惹きつける美貌と所作を持つ冴昼だが、彼の手練手管は全て要仕込みだ。 カリスマ霊能者として成した全ての奇跡は要の演出によるもので、そして劇中、我々から見れば「奇跡」に相当する現象がトリックではなく本当に起こる世界へと冴昼は放り込まれる。 そこでは冴昼はただの一般人(謎を解いているのも主に要だ)なわけだが、それでなお冴昼は特別な輝きを放っている。 その特別さを見出したからこそ要は彼にカリスマ霊能者というガワを用意したのであり、読者は要の視点を通じてガワを剥がされてなお揺るがないカリスマを目撃することになる。 カリスマ霊能者子規冴昼は偶像、呉塚要が作った紛い物の神様だ。要が冴昼に執着するきっかけとなった「奇跡」も低確率の偶然で説明可能なものだ。 それでも、子規冴昼は神である。 この小説はそれを我々にも信じさせてくれる、特殊設定ミステリであり特殊設定アイドル小説である。 | ||||
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