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春秋山伏記
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春秋山伏記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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昔の山伏の生活が知れて良かった | ||||
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全体として一つの物語ともとれるし、連作短編集といっても良いと思います。 東北地方の山伏を主人公にした話で、田舎の因習や江戸時代ならではの風習が背景として色濃く描かれています。セリフは全体として方言です。 読む前はもう少し謎めいた存在として山伏が描かれているのかなと思っていたのですが、かなりがっつり村の中に溶け込んだ山伏の話でした。ちょっと宛が外れましたね。 山伏の活躍が描かれているのですが、剣豪ものではないので剣戟はないし、伊之助シリーズのようなミステリー仕立てでもなく、恋愛要素もほとんどなしと、いつもの藤沢周平の良さが少し薄れた感があります。 | ||||
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山伏は、世慣れぬ存在である。その彼が居付き、村に起こった事件を解決する。当然そこには相容れぬ固有の要因があって、それと村事情とが、基底でせめぎ合う中で、物語りが展開する。このせめぎ合いと事件解決が、物語りを薄めてしまっているようで、著者の狙いが果されている、とは言い難い。 | ||||
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時代小説というのはあまり読まない。理由としては、そこに描かれているのが、現代人というか、その作品が書かれた時代の人間だからだ。舞台をある選ばれた時代に仮託しただけであり、舞台でうごめくのはもろ現代人ということであれば、一言でいって興ざめだ。僕の味わいたいのは、時代のモティーフを反映した人物のそれぞれの時代の拘束の中での躍動なのだ。時代小説の舞台で、この拘束を無視して、近代人の悩みや疎外や恋愛感情が現代語でめんめんと語られても、何とも言えない違和感を感じるだけだ。というわけで、逆説めいた言い方になるが、すべての時代小説は究極的には現代小説なのだ。 今回は、今度鶴岡周辺に山登りに行く予定があり、はたとこの地域には全くと言っていいほど土地勘がないのに気が付いた。なにか読んでみようと思い探してみたのだが、鶴岡といえばいうまでもなく藤沢周平だ。彼の作品は、寡聞にして、「一茶」しか読んだことがない。さて鶴岡を舞台にした作品はあるのだろうかと検索してみると、これが結構ある。読みやすそうだということで、選んだのがこの「春秋山伏記」だ。 ある雑誌にシリーズで連載されたもののようだ。主人公は大鷲坊なる羽黒山出身の薬師神社の別当だ。神社の別当である山伏という存在は村の中で一種スーパーマン的な役割を演じるのであるが、その部分が過度に強調されることもない。むしろ、本作品の狙いは、この村という共同体の裏表を描くことにあったのではないかと思われる。 全部で5編の作品が収められており、季節の移り変わりとともに話は展開する。それぞれの篇で、事件が持ち上がるのだが、最後の人さらい事件を除くとどれもたわいもないものだ。特徴といえば、村という共同体に異分子が入り込み、村のバランスを崩すという系統の作品と村の表面上のバランス自体の背後にうごめく人間の業と階層分化を扱ったものの二つに大別できるだろうか。 問題は解決するのだが、その種明かしが大上段からなされることはなく、むしろ淡々と問題の発生とそれに対する村人の反応が描かれていくのだ。この淡々さに、藤沢周平の村、さらには故郷に対するアンビヴァレントな思いが投影されているといったら言い過ぎだろうか。この淡白さこそがこの作品の特徴だろうか。称賛や弾劾するでもなくましてや戯画化するでもなく、淡々と藤沢によって「思い出された」村。 | ||||
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山や森にくらす、人々の生活や時代を克明に描く。 物語以上にそれらに興味をひかれます。 | ||||
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ホントは、新潮社の方の文庫で読んだんだけどそれがリスとになくって。。。 悪くはないですもちろん、藤沢周平さんですから。 だから、★三つは、藤沢周平の作品として、普通の(だから、いいわけね)ものである、と言う意味です。 山伏を中心に、江戸後期の日本海側の小さな村の日々を綴った。事件はあるけど、何と言うか、心が締めつけられるようなことはなく、どちらかと言うと、庶民の生活が額を通して描かれているような。 起伏に乏しく、ドラマ性も少なくみえるけど、本当はそれなりにかなりの事件が続き、庶民の生活はその中で淡々と過ぎて、始まり終わって行くんだなぁ、なんて、そんな思いにふけります。 歴史上の大事ではないところで、庶民の大事が一杯あるんだ、自分の生活にもね。 | ||||
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この本は藤沢周平の本の中ではかなり珍しく、方言(山形県庄内地方:庄内弁)が全編に渡って使われている。 その為、前半はこれに慣れずなかなか読むのに苦労する。 但し読み進めていくうちに、この方言は新潟の方言と似ていることに気がつく。 さすがに隣の県だけはある。 山形は東北といえども、この本からするとそれほどずーずー弁ではないようだ。 が、やはり読みにくいことは確かである。 さて内容であるが、 「山伏」の話である。 「必殺」ものでも、「侍」ものでもない。 なかなか地味ではある。 そういう意味では「スパッ!」と気持ちのいい物ではないが、 どちらかというと「情緒」ものであろうか? 私の世代でも、この「山伏」にはなじみが無い。 そういう意味でこの作品はちょっと最初からマイナーである。 そこで調べてみた。 約25年の作家人生の中で、この作品は前半期の作品である。 但し、この作品の前には、「用心棒シリーズ」も、「隠し剣シリーズ」も出ている。 では、どうして、「山伏」なのか? 出版社の編集者側からの発案らしい。 著者のふるさと:山形県に由来しているらしい。 さて、興味のある方は、どうぞ。 | ||||
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