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みな殺しの歌



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【この小説が収録されている参考書籍】
みな殺しの歌 (ノン・ノベル)
みな殺しの歌 (徳間文庫)

みな殺しの歌の評価: 3.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

殺す側の倫理

1961年、大藪26歳の発表作品で長編作品六作目。初期作品で既にこんな凄いものを書いていたとは驚きだ。大藪春彦の作品タイトルはどれも物騒なものが多いが、やはり覚悟して読まなければならない。この作品はかなりダークな展開だが、しかし実にパワフルだ。

 衣川恭介は嬲り殺しにされた兄の復讐の為、政財界の7人の男たちへの報復を開始する。彼が持つ銃は、かつてナチス・ドイツのヒットラーの参謀が特注したというワルサーP38。数多くの人間の血を吸ってきたいわくつきの凶銃だ。その銃で一人目の標的の男を撃ち殺し、そして次なる標的を追いつめる途中で、殺人犯として警察から追われる身となる衣川。残り6人の男たちを殺さなければ、警察に捕まるわけにはいかない。まさに狂気の逃亡劇が始まる。

 この本では物語は完結せず、続編「凶銃ワルサーP38」へと続く。読むのであれば、この続編の本も手に入れておかなければならないので注意が必要。主人公の衣川恭介が殺すのは復讐する相手だけではない。警察の捜査網を突破する為、逃亡途中で出逢った何の関係も罪も無い人たちまでも次々と平然と殺す。追っ手の警官たちも相当数殺している。身内を殺された事で怒り、復讐を誓った主人公であるが、それでは無関係なのに殺された人々の命の重さとは何だったのか。自分の目的中心の主人公の論理には読者も戸惑うが、もはや戸惑う暇も与えられず文字通りにみな殺しが続いていく。
みな殺しの歌 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:みな殺しの歌 (徳間文庫)より
4195872375

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