みな殺しの歌
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復讐はどうした? 続編と続くにしても、この終わり方はないよなぁ。 殺人の理由も、ただの連続殺人犯じゃね? ってくらいやり過ぎ。 もういいわ。 | ||||
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1961年、大藪26歳の発表作品で長編作品六作目。初期作品で既にこんな凄いものを書いていたとは驚きだ。大藪春彦の作品タイトルはどれも物騒なものが多いが、やはり覚悟して読まなければならない。この作品はかなりダークな展開だが、しかし実にパワフルだ。 衣川恭介は嬲り殺しにされた兄の復讐の為、政財界の7人の男たちへの報復を開始する。彼が持つ銃は、かつてナチス・ドイツのヒットラーの参謀が特注したというワルサーP38。数多くの人間の血を吸ってきたいわくつきの凶銃だ。その銃で一人目の標的の男を撃ち殺し、そして次なる標的を追いつめる途中で、殺人犯として警察から追われる身となる衣川。残り6人の男たちを殺さなければ、警察に捕まるわけにはいかない。まさに狂気の逃亡劇が始まる。 この本では物語は完結せず、続編「凶銃ワルサーP38」へと続く。読むのであれば、この続編の本も手に入れておかなければならないので注意が必要。主人公の衣川恭介が殺すのは復讐する相手だけではない。警察の捜査網を突破する為、逃亡途中で出逢った何の関係も罪も無い人たちまでも次々と平然と殺す。追っ手の警官たちも相当数殺している。身内を殺された事で怒り、復讐を誓った主人公であるが、それでは無関係なのに殺された人々の命の重さとは何だったのか。自分の目的中心の主人公の論理には読者も戸惑うが、もはや戸惑う暇も与えられず文字通りにみな殺しが続いていく。 | ||||
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あの大藪氏が亡くなってから早くも11年を迎えた。しかし、彼の作品は全く色あせていない。むしろ新鮮。いまでこそ、大藪氏の傑作群を現代の新読者の方々に届けるべきである。昔こそ角川文庫からかなりの量が刊行されていた。だが、長い間大藪作品は書店から姿を消していた。しかし、光文社は「伊達邦彦全集」なるファンにとってとてもうれしいことをしてくれ、徳間文庫も続々新装版が刊行されている。これはとてもよい取り組みだ。続編「凶銃ワルサーP38」が刊行されるのが待ち遠しい。 で、本書のこと。 いつか、大藪作品のことを評して「銃と車をとったらなにも残らない」というものがあったそうである。なんだとっ!!!!!解説にて新保さんも言っているけれど仮にそれが正しいとしても、この面白さは一体何なんだ?「ガンとカー」だけでこれほどスリリングな小説を書いた、ということである。コイツはなにもわかっちゃいない。だいたい、大藪春彦という孤高の作家がいなければ、今の日本はハードボイルドがほとんどを翻訳ものに占められているだろう。 読んだあとに知ったことだが、この作品は1960年発表。デビューから2年ほどしかたっていない。なんと。大藪氏はデビュー2年の新人作家にしてこんなにエンターテインメント色溢れる傑作をものにしたのである。主人公の一人ひとりに復讐を遂げるまで(本書ではまだ完遂はしていないが)のプロセスをかっこよく描いたと思えば、銃をまるで「人間」のように愛着をもって書く。「銃&復讐鬼と化した人間」のコンビがとてもいい。銃撃戦や逃亡、殺人と、大藪アクションを確立したものとして高く評価したい。 | ||||
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