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QUEEN スカイマーシャル 兼清涼真
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QUEEN スカイマーシャル 兼清涼真の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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移動中の新幹線で読むのにいい本である。厚くもなく、ページあたりの文章も多くない。流し読みをしなくても二時間あれば読み終わる。 内容は、プロ意識のある法執行機関の人間が航空機の中で美人客室乗務員と協力しながら犯人を追い詰めていく話。ハリウッド的、あるいはリー・チャイルド的なストーリー構成で、専門用語や航空会社独自の規範などが頻出し、読み手の知的好奇心を満たす。いつもの麻生幾だ。 「いつもの」ではあるのだが、本書は出来が悪い。現金収入のために書き飛ばしたのだろうか。主人公は書き割りのようであり、とってつけたような過去話もキャラの奥行きにそれほど影響していない。主人公のバディとなる客室乗務員も舞台装置以上のものになっていなかった。 飛行中の航空機で様々なトラブルが発生するのは本書の目玉の一つだ。それも発生と解決が一ページ弱で終わることが多く、緊迫感に繋がっていない。筆力も弱く、状況を素っ気なく処理しているため、ラストの胴体着陸シーンなどハラハラドキドキがさっぱりなかった。これは映画のクライマックスを全て遠景で見せられているようなものだ。臨場感が存在しない。 かつての麻生幾はこうではなかった。『消されかけたファイル』は読み手を事件の当事者にしそうな迫力があり、『宣戦布告』は日本政治のもどかしさと刻々変わる状況の対比が見事だった。本書はそれらが全て失われ、手抜きの果ての凡庸なものに成り果てている。 繰り返しになるが、移動中の新幹線で読むのにいい本である。だが、かつてのファンにとっては、そうではない。 | ||||
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