楽園とは探偵の不在なり
評判
楽園とは探偵の不在なりの評価:
3.11/5点 レビュー 38件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1〜20 1/2ページ
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運命の理不尽さを比喩的に現すかの様な絶対的存在がもたらした新秩序や、
現実の様々な不条理との対比としての主人公含めた主人公の過去の仲間たちの、
最近発売の推理小説としてはあり得ないほどクラシックな正義感や、
その主人公サイドの抗いに美学を感じさせたい演出、
過去回想と対比させた場合の主人公の過去の仲間たち絡みでの喪失と再生、
悲しみの復讐鬼な犯人に、それ故にこそ逆説的な圧倒的正当性がある王道さ故の、
登場人物達の犯人へのある想いがクライマックスで一つになる等、
個々の要素自体はベタながらそう悪くないと思います。
ですが、各場面で私が個人的にそれらに感情移入するには、
各キャラの掘り下げ不足や、
過去から現在へと普通に進まず、
要所要所で過去回想に戻る演出(その話は、もう少し前に入れた方が、事が起きた後に入れるより効果的だったのでは、等)等が、
こちらが意識して必要以上に行間を読まないと感動しづらく。
例えば、犯人に対し、クライマックスで主人公サイド全員あそこまで感傷的にさせるなら、
もっと、主人公(もちろん主人公含む)サイドの各皆様から犯人さんの好感度上昇イベントを、
もうちょい入れてもいいと思う。
天帝果実みたいに異常に長いのは困るが、
主人公の過去話を、過去の仲間たちと何があったか、を本編エピローグ付近のアレ含め前編としてきちんと描いた上で、
本作本編の物語を後編として描くとか、
あと犯人さんが皆からより好かれるであろうイベントを、
クライマックスまでにもう二、三入れるとか。
作者の脳内では補完できてるであろう(と信じたい)数々の説明や掘り下げ、
を、あと少し、伝える工夫か何かしていただきたかったです。
特に個人的な長所としましては。
特殊ルールを一方的に行使するファンタジー存在が、ただミステリー部分のミスリードの為でなく、
主人公(と、彼を慕う人々)の過去と現在を通して、ライヴアライブの無法松さん的正義感との対比になっている、という点が。
この時代に、今となってはある種古めかしい方向性の「正義」さえテーマに感じられ、攻めてると思います。
古いとか新しいとか関係なく、
よいことはよいし、悪い事は悪い。
勧善懲悪というのは、因果が短絡な事ではけしてなく、
文字通り、テーマとして善きことをなすようにすすめ励まし、
悪しきを懲らしむを旨とするのであり。
逆説的な被害者に主人公達が同情的だからとて、
勧善懲悪でないなどという事はなく、
むしろそれ故にこそ。
ただ、その、正義感を美徳としている点が、ミステリーとしての作風より、
若干色濃くなりすぎていた様にも思えます。