(短編集)

なめらかな世界と、その敵

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評判

なめらかな世界と、その敵の評価:

4.16/5点 レビュー 49件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全98件 21〜40 2/5ページ
No.78
(2pt)

レビューが絶賛しすぎ

前評判が良すぎて期待値が上がると、読後の評価がどうしても微妙になってしまうのはしかたない。これは作者が悪いのではなく、レビューが悪い。正直、レビューワーはもう少しテンションを落として書いてほしい笑。

私は、テッド・チャンとか、あとは紙の動物園(作者の名前は忘れましたが)とかをいちおう読んで、いくらなんでも絶賛されすぎだろ、と思うような読解力のない人間ですが、この本はとても良い小説だなあと思いました。

なんか、SFファン(あるいはSF警察?)って、異常なまでに絶賛(まるで「全米が泣いた」かのように)するんですが(SFのレビューの星=高評価の異常さがそれを物語っている)、電通が誇大広告してるレベルで気持ち悪いです。SFファンってほとんど陰キャのオタクなので(私もそうですが笑)、電通とかめちゃくちゃ嫌いなはずですが、結局同じ穴のムジナになってて二重に草です。

この本はちゃんと書けていると思うので、同人誌とかじゃなくて文学賞とかに出して、もっと一般の人にも認知されるべきだと思いました。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.77
(2pt)

レビューが絶賛しすぎ

前評判が良すぎて期待値が上がると、読後の評価がどうしても微妙になってしまうのはしかたない。これは作者が悪いのではなく、レビューが悪い。正直、レビューワーはもう少しテンションを落として書いてほしい笑。

私は、テッド・チャンとか、あとは紙の動物園(作者の名前は忘れましたが)とかをいちおう読んで、いくらなんでも絶賛されすぎだろ、と思うような読解力のない人間ですが、この本はとても良い小説だなあと思いました。

なんか、SFファン(あるいはSF警察?)って、異常なまでに絶賛(まるで「全米が泣いた」かのように)するんですが(SFのレビューの星=高評価の異常さがそれを物語っている)、電通が誇大広告してるレベルで気持ち悪いです。SFファンってほとんど陰キャのオタクなので(私もそうですが笑)、電通とかめちゃくちゃ嫌いなはずですが、結局同じ穴のムジナになってて二重に草です。

この本はちゃんと書けていると思うので、同人誌とかじゃなくて文学賞とかに出して、もっと一般の人にも認知されるべきだと思いました。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.76
(4pt)

他に類を見ないエモーショナルな短編集。

繋がりを断絶するものが時間であろうとも価値観であろうとも世界であろうとも、決して諦めず手を伸ばし続ける。
そんな人々の姿を卓越した表現力と見事な設定、構成力で紡いだ珠玉の短編集が本作だ。

本作では並行世界や人工知能、作られた人格や時の静止など、SFファンなら一度は見聞きしたことがあるはずの題材が散見される。
にもかかわらず、いやむしろそうした人智を越えた状況や環境を描くことで逆説的に、人の心の本質を浮き彫りにし、私たち読者の心を掴むことに著者は成功している。
数多のSF的設定を人の心や繋がりに昇華させるその手腕は、テッド・チャンを彷彿させる。
特に表題作「なめらかな世界と、その敵」はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」と同じく、人生の選択と自由意志について深く考えさせられる一作と言えるだろう。

また本作は、他の作品へのオマージュや先人たちへのリスペクトが込められている部分も多く、SFファンにとっても大いに楽しめる作品となっている。
どこまでも超王道なSF作品であると同時に、人々の心を鷲掴みにし揺さぶるようなエモーショナルな力も内包した本作は、SFファンであろうとなかろうと一読に値する。
SFとしてはもちろんのこと、物語としてここまで心を揺さぶることができる作品はそうそうお目にかかれないだろう。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.75
(4pt)

他に類を見ないエモーショナルな短編集。

繋がりを断絶するものが時間であろうとも価値観であろうとも世界であろうとも、決して諦めず手を伸ばし続ける。
そんな人々の姿を卓越した表現力と見事な設定、構成力で紡いだ珠玉の短編集が本作だ。

本作では並行世界や人工知能、作られた人格や時の静止など、SFファンなら一度は見聞きしたことがあるはずの題材が散見される。
にもかかわらず、いやむしろそうした人智を越えた状況や環境を描くことで逆説的に、人の心の本質を浮き彫りにし、私たち読者の心を掴むことに著者は成功している。
数多のSF的設定を人の心や繋がりに昇華させるその手腕は、テッド・チャンを彷彿させる。
特に表題作「なめらかな世界と、その敵」はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」と同じく、人生の選択と自由意志について深く考えさせられる一作と言えるだろう。

また本作は、他の作品へのオマージュや先人たちへのリスペクトが込められている部分も多く、SFファンにとっても大いに楽しめる作品となっている。
どこまでも超王道なSF作品であると同時に、人々の心を鷲掴みにし揺さぶるようなエモーショナルな力も内包した本作は、SFファンであろうとなかろうと一読に値する。
SFとしてはもちろんのこと、物語としてここまで心を揺さぶることができる作品はそうそうお目にかかれないだろう。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.74
(5pt)

SFを全く読んだことない人にもオススメ

"この、なめらかな世界の人間は、誰もが絶対の理想郷に生きている(中略)彼らにとって、唯一の可能性を生きざるを得ない僕たちは、低次元の生物であり、理解できない存在であり、恐怖の対象であり、何より世界の敵なんです"2019年発刊の本書は国内SFファン待望にしてベストSF2019国内篇1位にも輝いた傑作SF短編集。

個人的にはSF好きの友人に紹介されて、前情報なしに手にとりました。

さて、そんな本書はいくつもの並行世界を行き来する少女たちの百合的青春を描いた表題作他、ありえたかもしれない日本SF偽史『ゼロ年代の臨界点』伊藤計劃"ハーモニー"トリビュートの『美亜羽へと送る拳銃』妹から姉への手紙で綴る書簡体作品『ホーリーアイアンメイデン』旧ソ連を舞台にした歴史改変東西電脳対決『シンギュラリティ・ソヴィエト』そして書き下ろし作品、謎の低速化に巻き込まれた新幹線乗客と取り残された人々のドラマ『ひかりより速く、ゆるやかに』の計6作品が収録されているわけですが。

まず結論から。どれも面白かった!

なんでしょう。その理由はどれもが違う味付けながら、収録作全てにグレッグイーガン的なSFギミック、パロディ含む膨大なSF知識を散りばめつつも、決して『難解だったりマニアックにならず』むしろ映像が自然に脳裏に浮かんでくるような【スピード感ある展開】そして解説でも指摘しているように【登場人物たちのやりとりの"エモさ"】が『爽やかな読後感』を与えてくれるからだと個人的には感じました。

また、作品感想とは別に触れておきたいのは。文庫本となる本書では"著者渾身の一万字あとがき"が併録されているのですが。これがまたSF、特に【国内SFへの愛情が溢れかえった内容】で、またコロナ禍や2022年現在へのロシアのウクライナへの侵略行為を受けての【自らの意思による作品修正】も含めて、著者の誠実な人柄が感じられて好印象でした。

2010年代以降の国内SF注目作として、また、普段SFを全く読んだことのない人にもオススメ。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.73
(4pt)

掲載順に難あり

表題作「なめらかな世界と、その敵」について。

表題作は「あり得たかも知れないもしもの世界=可能世界に、人間が自由に乗り入れ可能で、しかも同時並行で複数の人生を生きることができる」という設定の話です。

しかし、ちょっとでも「可能世界意味論」をかじったことのある人なら、この設定が無謀なことは自明です。

可能世界とは、「この現実世界とは異なる事実」が成り立っている世界の総称です。
だとすると、可能世界の中には「主人公と同じ固有名で呼ばれるが、内実は全くの別人が存在する世界」も成り立ちます。

たとえば、Aさんが現実では次のように定義されるとします。

Aさんは女性である。
Aさんは黒髪である。
Aさんは中肉中背である。
(…以下略)

これを確定記述と言います。

すると、ある可能世界nには、こんなAさんがあり得ます。

Aさんは女性ではない(男性である)。
Aさんは黒髪ではない(金髪である)。
Aさんは中肉中背ではない(巨大な体躯である)。
…(以下、全ての定義において現実のAさんとは異なる)

あくまでも可能な世界なので、こうしたAさんも論理的には可能なのです。
しかしこうなると、現実世界と可能世界nにおけるAさんは、少なくとも我々の感覚では「全くの別人」と言うほかありません。
(この問題があるからこそ、分析哲学は「固有名」というものを確定記述の集合に還元できなかった、つまり完全には分析しきれませんでした)

だとすると、本作のように可能世界の乗り入れ=乗覚が可能な場合、Aさんの自己同一性は深刻な危機に見舞われることでしょう。
全く自分とは異なる特徴を持つ「別人」を、自分自身としなければならないのですから。

こんな世界で登場人物が人格をちゃんと保っている事に、驚きを禁じ得ません。
改筆する機会があるなら、その辺の問題を回避する仕掛けを盛り込んでいただきたい。
(乗覚も、現実の自己との類似度が一定以上の可能世界でないと発動しない、とか。あ、でもそうなると「類似度」の定義が難しいだろうなあ…)

なお、表題作の次に収められている「ゼロ年代の臨界点」は素晴らしくワクワクしました。
まる一冊の長編で読みたいです。

その次の、「美亜羽に贈る拳銃」もなかなか素晴らしい。
…掲載順どうなっとんねん。

危うく全部読まずに放り出すところでした。

表題作を読んで即、星一つでケチ付けようと思ったのですが…後続があまりに面白かったので考えを改めました。
どうもすいません。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.72
(5pt)

SFを全く読んだことない人にもオススメ

"この、なめらかな世界の人間は、誰もが絶対の理想郷に生きている(中略)彼らにとって、唯一の可能性を生きざるを得ない僕たちは、低次元の生物であり、理解できない存在であり、恐怖の対象であり、何より世界の敵なんです"2019年発刊の本書は国内SFファン待望にしてベストSF2019国内篇1位にも輝いた傑作SF短編集。

個人的にはSF好きの友人に紹介されて、前情報なしに手にとりました。

さて、そんな本書はいくつもの並行世界を行き来する少女たちの百合的青春を描いた表題作他、ありえたかもしれない日本SF偽史『ゼロ年代の臨界点』伊藤計劃"ハーモニー"トリビュートの『美亜羽へと送る拳銃』妹から姉への手紙で綴る書簡体作品『ホーリーアイアンメイデン』旧ソ連を舞台にした歴史改変東西電脳対決『シンギュラリティ・ソヴィエト』そして書き下ろし作品、謎の低速化に巻き込まれた新幹線乗客と取り残された人々のドラマ『ひかりより速く、ゆるやかに』の計6作品が収録されているわけですが。

まず結論から。どれも面白かった!

なんでしょう。その理由はどれもが違う味付けながら、収録作全てにグレッグイーガン的なSFギミック、パロディ含む膨大なSF知識を散りばめつつも、決して『難解だったりマニアックにならず』むしろ映像が自然に脳裏に浮かんでくるような【スピード感ある展開】そして解説でも指摘しているように【登場人物たちのやりとりの"エモさ"】が『爽やかな読後感』を与えてくれるからだと個人的には感じました。

また、作品感想とは別に触れておきたいのは。文庫本となる本書では"著者渾身の一万字あとがき"が併録されているのですが。これがまたSF、特に【国内SFへの愛情が溢れかえった内容】で、またコロナ禍や2022年現在へのロシアのウクライナへの侵略行為を受けての【自らの意思による作品修正】も含めて、著者の誠実な人柄が感じられて好印象でした。

2010年代以降の国内SF注目作として、また、普段SFを全く読んだことのない人にもオススメ。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.71
(4pt)

掲載順に難あり

表題作「なめらかな世界と、その敵」について。

表題作は「あり得たかも知れないもしもの世界=可能世界に、人間が自由に乗り入れ可能で、しかも同時並行で複数の人生を生きることができる」という設定の話です。

しかし、ちょっとでも「可能世界意味論」をかじったことのある人なら、この設定が無謀なことは自明です。

可能世界とは、「この現実世界とは異なる事実」が成り立っている世界の総称です。
だとすると、可能世界の中には「主人公と同じ固有名で呼ばれるが、内実は全くの別人が存在する世界」も成り立ちます。

たとえば、Aさんが現実では次のように定義されるとします。

Aさんは女性である。
Aさんは黒髪である。
Aさんは中肉中背である。
(…以下略)

これを確定記述と言います。

すると、ある可能世界nには、こんなAさんがあり得ます。

Aさんは女性ではない(男性である)。
Aさんは黒髪ではない(金髪である)。
Aさんは中肉中背ではない(巨大な体躯である)。
…(以下、全ての定義において現実のAさんとは異なる)

あくまでも可能な世界なので、こうしたAさんも論理的には可能なのです。
しかしこうなると、現実世界と可能世界nにおけるAさんは、少なくとも我々の感覚では「全くの別人」と言うほかありません。

だとすると、本作のように可能世界の乗り入れ=乗覚が可能な場合、Aさんの自己同一性は深刻な危機に見舞われることでしょう。
全く自分とは異なる特徴を持つ「別人」を、自分自身としなければならないのですから。

こんな世界で登場人物が人格をちゃんと保っている事に、驚きを禁じ得ません。
改筆する機会があるなら、その辺の問題を回避する仕掛けを盛り込んでいただきたい。

なお、表題作の次に収められている「ゼロ年代の臨界点」は素晴らしくワクワクしました。
まる一冊の長編で読みたいです。

その次の、「美亜羽に贈る拳銃」もなかなか素晴らしい。
…掲載順どうなっとんねん。

危うく全部読まずに放り出すところでした。

表題作を読んで即、星一つでケチ付けようと思ったのですが…後続があまりに面白かったので考えを改めました。
すいません。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.70
(4pt)

SFを真面目に読み込んだ人には特にダメかも

表題作「なめらかな世界と、その敵」について。

表題作は「あり得たかも知れないもしもの世界=可能世界に、人間が自由に乗り入れ可能で、しかも同時にい複数の人生を生きることができる」という設定の話です。

しかし、ちょっとでも「可能世界意味論」をかじったことのある人なら、この設定が無謀なことは自明です。

可能世界とは、「この現実世界とは異なる事実」が成り立っている世界の総称です。
だとすると、可能世界の中には「主人公と同じ固有名で呼ばれるが、内実は全くの別人が存在する世界」も成り立ちます。

たとえば、Aさんが現実では次のように定義されるとします。

Aさんは女性である。
Aさんは黒髪である。
Aさんは中肉中背である。
(…以下略)

これを確定記述と言います。

すると、ある可能世界nには、こんなAさんがあり得ます。

Aさんは女性ではない(男性である)。
Aさんは黒髪ではない(金髪である)。
Aさんは中肉中背ではない(巨大な体躯である)。
…(以下、全ての定義において現実のAさんとは異なる)

あくまでも可能な世界なので、こうしたAさんも論理的には可能なのです。
しかしこうなると、現実世界と可能世界nにおけるAさんは、少なくとも我々の感覚では「全くの別人」と言うほかありません。

だとすると、本作のように可能世界の乗り入れ=乗覚が可能な場合、Aさんの自己同一性は深刻な危機に見舞われることでしょう。
全く自分とは異なる特徴を持つ「別人」を、自分自身としなければならないのですから。

こんな世界で登場人物が人格をちゃんと保っている事に、驚きを禁じ得ません。
改筆する機会があるなら、その辺の問題を回避する仕掛けを盛り込んでいただきたい。

なお、表題作の次に収められている「ゼロ年代の臨界点」は恐ろしくワクワクしました。
まる一冊の長編で読みたいです。

その次の、「美亜羽に贈る拳銃」も素晴らしい。
…掲載順どうなっとんねん。

危うく読まずに放り出すところでした。

表題作を読んで即、星一つでケチ付けようと思ったのですが、後続があまりに面白かったのでやめときます。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.69
(4pt)

SFを真面目に読み込んだ人には特にダメかも

表題作「なめらかな世界と、その敵」について。

表題作は「あり得たかも知れないもしもの世界=可能世界に、人間が自由に乗り入れ可能で、しかも同時にい複数の人生を生きることができる」という設定の話です。

しかし、ちょっとでも「可能世界意味論」をかじったことのある人なら、この設定が無謀なことは自明です。

可能世界とは、「この現実世界とは異なる事実」が成り立っている世界の総称です。
だとすると、可能世界の中には「主人公と同じ固有名で呼ばれるが、内実は全くの別人が存在する世界」も成り立ちます。

たとえば、Aさんが現実では次のように定義されるとします。

Aさんは女性である。
Aさんは黒髪である。
Aさんは中肉中背である。
(…以下略)

これを確定記述と言います。

すると、ある可能世界nには、こんなAさんがあり得ます。

Aさんは女性ではない(男性である)。
Aさんは黒髪ではない(金髪である)。
Aさんは中肉中背ではない(巨大な体躯である)。
…(以下、全ての定義において現実のAさんとは異なる)

あくまでも可能な世界なので、こうしたAさんも論理的には可能なのです。
しかしこうなると、現実世界と可能世界nにおけるAさんは、少なくとも我々の感覚では「全くの別人」と言うほかありません。

だとすると、本作のように可能世界の乗り入れ=乗覚が可能な場合、Aさんの自己同一性は深刻な危機に見舞われることでしょう。
全く自分とは異なる特徴を持つ「別人」を、自分自身としなければならないのですから。

こんな世界で登場人物が人格をちゃんと保っている事に、驚きを禁じ得ません。
改筆する機会があるなら、その辺の問題を回避する仕掛けを盛り込んでいただきたい。

なお、表題作の次に収められている「ゼロ年代の臨界点」は恐ろしくワクワクしました。
まる一冊の長編で読みたいです。

その次の、「美亜羽に贈る拳銃」も素晴らしい。
…掲載順どうなっとんねん。

危うく読まずに放り出すところでした。

表題作を読んで即、星一つでケチ付けようと思ったのですが、後続があまりに面白かったのでやめときます。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.68
(5pt)

SF界の鬼才 いい意味で脳みそが掻き回される気分

物語の世界の常識が我々の常識と違うために、初めは理解できなかった事象が途中からパズルのように繋がっていく快感

自分の頭の中では想像できなかった世界がこの本に詰まっている傑作
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.67
(5pt)

SF界の鬼才 いい意味で脳みそが掻き回される気分

物語の世界の常識が我々の常識と違うために、初めは理解できなかった事象が途中からパズルのように繋がっていく快感

自分の頭の中では想像できなかった世界がこの本に詰まっている傑作
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.66
(5pt)

巧みな表現力と発想力、そして歴代SFへの限りないリスペクト

結論から言うと、最高でした。傑作すぎました。
SFは好きなものの普段頻繁に読むことは無かったので設定を理解できるか不安だったのですが、読み進めていくうちにどっぷり世界観に浸っていました。
全編それぞれの魅力があり大好きですが、特にお気に入りなのは以下の三編です。

「なめらかな世界と、その敵」
「乗覚」という設定だけでも非常に面白いのに、「乗覚障害」という深みまで持っていく…天晴れです。冒頭の一文から惹き付けられました。一体何が起こっているんだと。また、その乗覚障害を抱える人物の心情がとても伝わってきて、この世界にはもちろん「乗覚」はないですから、決して理解し得ないはずなのにどうしてか共感してしまう。終盤は描写とともに胸が痛みつつも爽やかな読後感を与えてくれました。

「美亜羽へ贈る拳銃」
人物達のそれぞれへの思いが残酷なほど綺麗に一方向なのがとても美しい。中盤の神冴美亜羽の人を好きになることについての台詞も興味深かったですし、短編とは思えないほどの充足感を得られました。脳科学というテーマがもう好きなのですが、そこに人間模様と巧みな心理描写を入れてこられてはたまりません。

「ひかりより速く、ゆるやかに」
設定がそもそも好きなのですが、シンプルには進まない感情が絡んでくる場面が特に人間の熱を感じさせました。ちょくちょく挟まれる部分はそういう意味か、と理解したあたりからページをめくる手が止まりませんでした。晴れやかで心地よく澄み切ったようなラストで、この一冊を締めくくるのに相応しい作品でした。とある人物が終盤直接は登場しないところも語りすぎない工夫がなされており非常に好みでした。全部全部明かさないことも文学の醍醐味だと思います。

本当に素晴らしいSF作品集でした。高校生である今出会えてよかったと思ってなりません。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.65
(5pt)

巧みな表現力と発想力、そして歴代SFへの限りないリスペクト

結論から言うと、最高でした。傑作すぎました。
SFは好きなものの普段頻繁に読むことは無かったので設定を理解できるか不安だったのですが、読み進めていくうちにどっぷり世界観に浸っていました。
全編それぞれの魅力があり大好きですが、特にお気に入りなのは以下の三編です。

「なめらかな世界と、その敵」
「乗覚」という設定だけでも非常に面白いのに、「乗覚障害」という深みまで持っていく…天晴れです。冒頭の一文から惹き付けられました。一体何が起こっているんだと。また、その乗覚障害を抱える人物の心情がとても伝わってきて、この世界にはもちろん「乗覚」はないですから、決して理解し得ないはずなのにどうしてか共感してしまう。終盤は描写とともに胸が痛みつつも爽やかな読後感を与えてくれました。

「美亜羽へ贈る拳銃」
人物達のそれぞれへの思いが残酷なほど綺麗に一方向なのがとても美しい。中盤の神冴美亜羽の人を好きになることについての台詞も興味深かったですし、短編とは思えないほどの充足感を得られました。脳科学というテーマがもう好きなのですが、そこに人間模様と巧みな心理描写を入れてこられてはたまりません。

「ひかりより速く、ゆるやかに」
設定がそもそも好きなのですが、シンプルには進まない感情が絡んでくる場面が特に人間の熱を感じさせました。ちょくちょく挟まれる部分はそういう意味か、と理解したあたりからページをめくる手が止まりませんでした。晴れやかで心地よく澄み切ったようなラストで、この一冊を締めくくるのに相応しい作品でした。とある人物が終盤直接は登場しないところも語りすぎない工夫がなされており非常に好みでした。全部全部明かさないことも文学の醍醐味だと思います。

本当に素晴らしいSF作品集でした。高校生である今出会えてよかったと思ってなりません。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.64
(5pt)

久しぶりだな、これほど魅力的で面白いSF作品集を読んだのは!!

この一冊に収められた作品、すべて読み甲斐があったんだけれど、なかでもじんとしびれたのが、最後の二篇。「シンギュラリティ・ソヴィエト」と、「ひかりよりも速く、ゆるやかに」。
前者のラスト、その壮大無辺のヴィジョンに「うわあっ!」と圧倒され、後者も終盤からラストにかけて、涙がぽろぽろこぼれてきて止まりませんでした。

本書を読んでみたいと思ったそもそものきっかけは、『本の雑誌 2019年10月号』のなか、「新刊めったくたガイド」で大森 望氏が★★★★★を付けて紹介している文章を読んだこと。それから早、二年経ってしまったけれど、こうして読むことができて、本当に良かった!

伴名 練(はんな れん)さん、次の作品集、楽しみに待ってるよー。いつかきっと、出してくださいね!
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.63
(5pt)

久しぶりだな、これほど魅力的で面白いSF作品集を読んだのは!!

この一冊に収められた作品、すべて読み甲斐があったんだけれど、なかでもじんとしびれたのが、最後の二篇。「シンギュラリティ・ソヴィエト」と、「ひかりよりも速く、ゆるやかに」。
前者のラスト、その壮大無辺のヴィジョンに「うわあっ!」と圧倒され、後者も終盤からラストにかけて、涙がぽろぽろこぼれてきて止まりませんでした。

本書を読んでみたいと思ったそもそものきっかけは、『本の雑誌 2019年10月号』のなか、「新刊めったくたガイド」で大森 望氏が★★★★★を付けて紹介している文章を読んだこと。それから早、二年経ってしまったけれど、こうして読むことができて、本当に良かった!

伴名 練(はんな れん)さん、次の作品集、楽しみに待ってるよー。いつかきっと、出してくださいね!
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.62
(4pt)

カード一枚で勝負

このパラレルワールドはとてもなめらか。「移動」のための特殊な装置も薬品も指輪も、一切の道具は不要。そのなめらかすぎる世界から見た私たちの不便な世界、「カード一枚で勝負するしかない」世界を、あらためて認識する。
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.61
(4pt)

カード一枚で勝負

このパラレルワールドはとてもなめらか。「移動」のための特殊な装置も薬品も指輪も、一切の道具は不要。そのなめらかすぎる世界から見た私たちの不便な世界、「カード一枚で勝負するしかない」世界を、あらためて認識する。
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805
No.60
(5pt)

著者の愛

著者のSFへの愛が伝わってくる
なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6) Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵 (ハヤカワ文庫JA JAハ 11-6)より
4150315183
No.59
(5pt)

著者の愛

著者のSFへの愛が伝わってくる
なめらかな世界と、その敵 Amazon書評・レビュー: なめらかな世界と、その敵より
4152098805