ミーナの行進

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ミーナの行進の評価:

4.43/5点 レビュー 87件。 C ランク

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平均点4.43pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全144件 81〜100 5/8ページ
No.64
(5pt)

古き良き時代

最初は本の分厚さに負けそうでしたが、杞憂に終わり2日ほどで読み終えました。
この時代の事はよく分かりませんが、私にも年下の可愛い従妹がいて、
もちろんミーナ程すごい境遇ではありませんが、都会に住んでいて何でも買ってもらえて、
小さい頃は遊びに行く度にすごく羨ましかった事を思い出しました。
ポチ子に乗って登校!?とかツッコミ所も満載でしたが、このお話だったらそれもアリですね。
最後は意外にあっさり別れてしまい、ただのいい思い出になっていくのかな・・・と
寂しい気持ちになりましたが、ちゃんと続いていて安心しました。
伯父さんの事とか最後まではっきりしなかった部分は残りますが、それはそれで
良かったのかなと思えます。
ポチ子、光線浴室、乳ボーロ、フレッシー、バレーボール、マッチ箱の物語・・・。
この物語に出てくる全ての物がきらきらしていて素敵な物語でした。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.63
(5pt)

古き良き時代

最初は本の分厚さに負けそうでしたが、杞憂に終わり2日ほどで読み終えました。
この時代の事はよく分かりませんが、私にも年下の可愛い従妹がいて、
もちろんミーナ程すごい境遇ではありませんが、都会に住んでいて何でも買ってもらえて、
小さい頃は遊びに行く度にすごく羨ましかった事を思い出しました。
ポチ子に乗って登校!?とかツッコミ所も満載でしたが、このお話だったらそれもアリですね。
最後は意外にあっさり別れてしまい、ただのいい思い出になっていくのかな・・・と
寂しい気持ちになりましたが、ちゃんと続いていて安心しました。
伯父さんの事とか最後まではっきりしなかった部分は残りますが、それはそれで
良かったのかなと思えます。
ポチ子、光線浴室、乳ボーロ、フレッシー、バレーボール、マッチ箱の物語・・・。
この物語に出てくる全ての物がきらきらしていて素敵な物語でした。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.62
(4pt)

さるきちもポチ子に乗って。

こんなに、穏やかで、物哀しく、キュートな物語は他にないと思う。
この本を読んでいると、周囲のせかせかした人々を可哀そうに思うほど。
そして、自分が異空間にトリップしたような感覚に陥る。

物語は、小学生の朋子が、母親の伯母の家に居候することになり、その体験を懐古したもの。兵庫の芦屋に位置するその洋館はあまりに豪華。元動物園だったという広い庭を所有し、ペットはカバの“ポチ子”だったり、プールあり、六甲山ホテルからのケイターあり、とにかく裕福な家庭。

そして、そこの娘がミーナでした。身体が弱くてすぐに発作を起こしたり、入退院を繰り返したりする女の子。ドイツ人のおばあさんの血を引いてるからか、
深い栗色の髪で、色白で「女の子なら誰もが、こんなふうにありたいと願うような美少女だった」そしてミーナはポチ子の背に乗って小学校に通っていました。想像するだけで、なんて、キュート。

他にも、食事の風景やダンディな伯父さんとのやりとり、小さなマッチ箱の秘密や、
“光線浴室”なる健康器具、などなど、ファンタジーあふれてて、でもそれが、まるで本当に実在していたかのような錯覚に陥る。その作風が、村上春樹のと似ているなあ、とさるきちは思ったりもする。

精神的に弱っていたさるきちをすくいあげてくれた本。ぎゅっと抱きしめたくなるような、そんな素敵な本です。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.61
(4pt)

さるきちもポチ子に乗って。

こんなに、穏やかで、物哀しく、キュートな物語は他にないと思う。
この本を読んでいると、周囲のせかせかした人々を可哀そうに思うほど。
そして、自分が異空間にトリップしたような感覚に陥る。

物語は、小学生の朋子が、母親の伯母の家に居候することになり、その体験を懐古したもの。兵庫の芦屋に位置するその洋館はあまりに豪華。元動物園だったという広い庭を所有し、ペットはカバの“ポチ子”だったり、プールあり、六甲山ホテルからのケイターあり、とにかく裕福な家庭。

そして、そこの娘がミーナでした。身体が弱くてすぐに発作を起こしたり、入退院を繰り返したりする女の子。ドイツ人のおばあさんの血を引いてるからか、
深い栗色の髪で、色白で「女の子なら誰もが、こんなふうにありたいと願うような美少女だった」そしてミーナはポチ子の背に乗って小学校に通っていました。想像するだけで、なんて、キュート。

他にも、食事の風景やダンディな伯父さんとのやりとり、小さなマッチ箱の秘密や、
“光線浴室”なる健康器具、などなど、ファンタジーあふれてて、でもそれが、まるで本当に実在していたかのような錯覚に陥る。その作風が、村上春樹のと似ているなあ、とさるきちは思ったりもする。

精神的に弱っていたさるきちをすくいあげてくれた本。ぎゅっと抱きしめたくなるような、そんな素敵な本です。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.60
(5pt)

読んでいる間のこの幸福感!

読んでいる間も、読み終わって名残惜しくて本をぱらぱらめくってる間も、ずっと幸福感に包まれている、そんな本。もう一度読み直してもやはり、読書中の幸福感は変わらない。
ほとんどの人が知らないうちに通過してしまう、無条件に愛され守られていた子供時代を、読者は知らず知らず反芻しているのだろう。
小川洋子作品独特の毒はないけれど、この作者の毒って、はっきり言って、たいしたことなかった。毒を失ったのじゃなくって、作家として成長してそんなところから抜け出したんだと思う。
作品がすばらしいのでつい褒め忘れてしまうけれど、装丁・挿画の寺田順三さんもすばらいい。本棚にずっと置いておくだろう1冊。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.59
(5pt)

読んでいる間のこの幸福感!

読んでいる間も、読み終わって名残惜しくて本をぱらぱらめくってる間も、ずっと幸福感に包まれている、そんな本。もう一度読み直してもやはり、読書中の幸福感は変わらない。
ほとんどの人が知らないうちに通過してしまう、無条件に愛され守られていた子供時代を、読者は知らず知らず反芻しているのだろう。
小川洋子作品独特の毒はないけれど、この作者の毒って、はっきり言って、たいしたことなかった。毒を失ったのじゃなくって、作家として成長してそんなところから抜け出したんだと思う。
作品がすばらしいのでつい褒め忘れてしまうけれど、装丁・挿画の寺田順三さんもすばらいい。本棚にずっと置いておくだろう1冊。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.58
(5pt)

芦屋が舞台の傑作小説の誕生を祝福する。

小説の主人公の少女たちとほぼ同世代(大阪万博のとき小6だった私の方が少し上だが)で、神戸市東灘区で育って芦屋にも時々買い物やプールで遊ぶためにしばしば出かけ、その後芦屋で暮らし、今は芦屋を離れて年1回程度帰省し、初詣は坂道を上って芦屋神社へ行く私にとって、山と海に挟まれた芦屋の街の空気と四季の移り変わりがヴィヴィッドに描きこまれたこのような作品は、芦屋への思いがかきたてられて胸が熱くなる。作品中に登場する開森橋や高座川、実名の推測がつくY小学校やY中学校、阪神芦屋駅の近くのA洋菓子店、山手のお屋敷町、そしてこれは東灘区にあるのだが甲南病院、等の様子が手にとるようにわかるだけに、心を芦屋に残してきた者にとって本作は格別だ。特に打出にある「とっくりさん」が司書を務めて本を貸し出してくれる芦屋市立図書館(インターネットで検索すると今は打出分室になっている)は受験のときにお世話になった施設で、本当に懐かしい。あの古い建物の、人を思索的にする雰囲気も的確に捉えられている。私が通っていた頃には図書館の近くの公園に鳥だったか猿だったかの動物の檻があったのを覚えている。今もあるのか知らないが、もしかするとあれがフレッシー動物園のヒントになったのでは?

少女と少年という違いはあるものの、1972年の阪神間という時代背景に共感できる本書は私にとってかけがえのない1冊であり、細雪の愛読者にその後の芦屋のたたずまいを伝える本として薦めたい。そういえば、カバのポチ子は戦前に阪急芦屋川駅の近くに来たことになる。細雪の四姉妹、特に三女(雪子)と四女(妙子)ならフレッシー動物園に遊びに行ったかも、と想像を膨らますだけで楽しいではないか。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.57
(5pt)

芦屋が舞台の傑作小説の誕生を祝福する。

小説の主人公の少女たちとほぼ同世代(大阪万博のとき小6だった私の方が少し上だが)で、神戸市東灘区で育って芦屋にも時々買い物やプールで遊ぶためにしばしば出かけ、その後芦屋で暮らし、今は芦屋を離れて年1回程度帰省し、初詣は坂道を上って芦屋神社へ行く私にとって、山と海に挟まれた芦屋の街の空気と四季の移り変わりがヴィヴィッドに描きこまれたこのような作品は、芦屋への思いがかきたてられて胸が熱くなる。作品中に登場する開森橋や高座川、実名の推測がつくY小学校やY中学校、阪神芦屋駅の近くのA洋菓子店、山手のお屋敷町、そしてこれは東灘区にあるのだが甲南病院、等の様子が手にとるようにわかるだけに、心を芦屋に残してきた者にとって本作は格別だ。特に打出にある「とっくりさん」が司書を務めて本を貸し出してくれる芦屋市立図書館(インターネットで検索すると今は打出分室になっている)は受験のときにお世話になった施設で、本当に懐かしい。あの古い建物の、人を思索的にする雰囲気も的確に捉えられている。私が通っていた頃には図書館の近くの公園に鳥だったか猿だったかの動物の檻があったのを覚えている。今もあるのか知らないが、もしかするとあれがフレッシー動物園のヒントになったのでは?

少女と少年という違いはあるものの、1972年の阪神間という時代背景に共感できる本書は私にとってかけがえのない1冊であり、細雪の愛読者にその後の芦屋のたたずまいを伝える本として薦めたい。そういえば、カバのポチ子は戦前に阪急芦屋川駅の近くに来たことになる。細雪の四姉妹、特に三女(雪子)と四女(妙子)ならフレッシー動物園に遊びに行ったかも、と想像を膨らますだけで楽しいではないか。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.56
(5pt)

涙が出ました

淡々とした物語の中に自分の少女時代を思いだし、不覚にも涙がこばれてしまいました。誰の心にも去来する過去の思い出。それはなんともいえない、季節や匂いと共にふいに訪れては遠ざかっていく。二度と帰れる事のない青春期。主人公と共にタイムスリップしたような奇妙な、せつなさを感じました。今毎日の仕事や家庭に終われ、くたびれたおばさんになりつつある私にも確かにあった光輝く少女時代。思い出とは誰の心の中にある、甘くせつない幻のようなもの。それは色褪せる事のない残像となり一生を終えるまでけして消える事はないでしょう。 主人公の朋子の心にいつまでも残り忘れられない芦屋での思い出と同じように。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.55
(5pt)

涙が出ました

淡々とした物語の中に自分の少女時代を思いだし、不覚にも涙がこばれてしまいました。誰の心にも去来する過去の思い出。それはなんともいえない、季節や匂いと共にふいに訪れては遠ざかっていく。二度と帰れる事のない青春期。主人公と共にタイムスリップしたような奇妙な、せつなさを感じました。今毎日の仕事や家庭に終われ、くたびれたおばさんになりつつある私にも確かにあった光輝く少女時代。思い出とは誰の心の中にある、甘くせつない幻のようなもの。それは色褪せる事のない残像となり一生を終えるまでけして消える事はないでしょう。 主人公の朋子の心にいつまでも残り忘れられない芦屋での思い出と同じように。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.54
(5pt)

こころの奥底に響く

ノスタルジックな内容に、なぜかじんじん来ます。
そんなに凄いことが起きるわけではないのに。
ちょっとしたエピソードの積み重ねが心をつんつんとつつきます。
寺田さんの絵が、この本に彩を加えています。

とっくりさんが言います。
「何の本を読んだかは、どういきたかの証明でもあるんや。」
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.53
(5pt)

こころの奥底に響く

ノスタルジックな内容に、なぜかじんじん来ます。
そんなに凄いことが起きるわけではないのに。
ちょっとしたエピソードの積み重ねが心をつんつんとつつきます。
寺田さんの絵が、この本に彩を加えています。

とっくりさんが言います。
「何の本を読んだかは、どういきたかの証明でもあるんや。」
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.52
(4pt)

温かい終わり方に、ほっとしました。

芦屋、西宮、苦楽園…私が長く親近感を抱く地名が次々出てきましたし、ミュンヘンオリンピックの
時が中2だったので、猫田、森田、横田、大古、南…懐かしい名前にジワーンとなりました。
余談ですが、女子バレーでは生沼さんが美形でしたよね。

小説も現実も、死や別れを避けて通ることはできず、もちろん川端康成さんの死もはっきり覚えて
いますが、ポチ子を始め別れの場面もあり、悲しかったです。
入院を繰り返していたミーナまで逝ってしまうのではないかとドキドキしました。
けれども、なんだ、彼女ヨーロッパで颯爽と活躍中なんですね。
朋子も元気だし、ほっとする終わり方で、楽な気持ちで本を閉じることができました。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.51
(4pt)

温かい終わり方に、ほっとしました。

芦屋、西宮、苦楽園…私が長く親近感を抱く地名が次々出てきましたし、ミュンヘンオリンピックの
時が中2だったので、猫田、森田、横田、大古、南…懐かしい名前にジワーンとなりました。
余談ですが、女子バレーでは生沼さんが美形でしたよね。

小説も現実も、死や別れを避けて通ることはできず、もちろん川端康成さんの死もはっきり覚えて
いますが、ポチ子を始め別れの場面もあり、悲しかったです。
入院を繰り返していたミーナまで逝ってしまうのではないかとドキドキしました。
けれども、なんだ、彼女ヨーロッパで颯爽と活躍中なんですね。
朋子も元気だし、ほっとする終わり方で、楽な気持ちで本を閉じることができました。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.50
(5pt)

こころにやさしい灯をともす、遠い日の物語。

毎日これでもかと伝えられる陰惨な事件や
街なかで出くわす胸の悪くなるようなシーンばかりに囲まれていると、
この国はいったいどこへ行こうとしているのかと暗たんたる気分になる。
個人的にはめざしている国が悪いのだろうと考えているが、
ここはそれを述べる場所ではない。

だからこそ、
作者は1972年にまでさかのぼらなければならなかったのかもしれない。
この年、私は主人公の朋子と同じ中学1年生、
バレー部には入部希望者が殺到していた。
そう、札幌五輪での日の丸飛行隊の歓喜のあと、
夏のミュンヘンは間違いなく男子バレーの大会だった。
日本代表の森田淳悟さんのお宅が同じ市内だったので、
厚かましくも友人たちとサインをもらいに押しかけた記憶がある。

(いま思えば、幸運にもご不在だった。)

で、『ミーナの行進』だ。
この小説ではご近所での火事騒動をのぞけば、ほとんど何も起こらない。
登場人物も皆いい人ばかり。
それでも人の死をもてあそんで涙を誘う最近はやりの作品群のように、
病弱な従妹のミーナが象徴するガラス細工のような幸福な時間が
いつ壊されてしまうのかという不安が背後にずっと流れていて、
最後までハラハラもさせられる。

いずれにしても、この時代にこそふさわしい、
胸の奥がほんのりと暖かくなる素敵な作品である。
女性なら感激しそうなアイテムが随所にちりばめられているし、
最近ストレスがたまってるなぁという方はぜひ一読を──。
私は真っ先に、妻に勧めた(笑)。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.49
(5pt)

こころにやさしい灯をともす、遠い日の物語。

毎日これでもかと伝えられる陰惨な事件や
街なかで出くわす胸の悪くなるようなシーンばかりに囲まれていると、
この国はいったいどこへ行こうとしているのかと暗たんたる気分になる。
個人的にはめざしている国が悪いのだろうと考えているが、
ここはそれを述べる場所ではない。

だからこそ、
作者は1972年にまでさかのぼらなければならなかったのかもしれない。
この年、私は主人公の朋子と同じ中学1年生、
バレー部には入部希望者が殺到していた。
そう、札幌五輪での日の丸飛行隊の歓喜のあと、
夏のミュンヘンは間違いなく男子バレーの大会だった。
日本代表の森田淳悟さんのお宅が同じ市内だったので、
厚かましくも友人たちとサインをもらいに押しかけた記憶がある。

(いま思えば、幸運にもご不在だった。)

で、『ミーナの行進』だ。
この小説ではご近所での火事騒動をのぞけば、ほとんど何も起こらない。
登場人物も皆いい人ばかり。
それでも人の死をもてあそんで涙を誘う最近はやりの作品群のように、
病弱な従妹のミーナが象徴するガラス細工のような幸福な時間が
いつ壊されてしまうのかという不安が背後にずっと流れていて、
最後までハラハラもさせられる。

いずれにしても、この時代にこそふさわしい、
胸の奥がほんのりと暖かくなる素敵な作品である。
女性なら感激しそうなアイテムが随所にちりばめられているし、
最近ストレスがたまってるなぁという方はぜひ一読を──。
私は真っ先に、妻に勧めた(笑)。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.48
(5pt)

時代・地域の空気の描き方が秀逸!

本書の舞台となった街は、私の生まれ育った街であり、
本書の舞台となった時代に、私はちょうどミーナの年の頃だった。
つまり、あの時代のあの場所の空気を全身全霊で知る私にとって、
本書は思いっきりノスタルジィに浸れる素敵な1冊だった。

今は無きあの時代の芦屋の風景を幾度も私の内面に展開させてくれた筆者の見事な筆致に、
終始、読みながら賞賛の拍手を送りつづけたことをまずは述べたい。
そう、あの時代の開森橋から高座の滝へ続く、芦屋川沿いは小説の通りだった。
重い扉を開くとどこからともなくひんやりとした空気が漂った打出の図書館も、小説のままだった。
山の手の洋館の暮らしぶりも相当に上手く描ききれている。
小川洋子が描く小説が、ファンタジーでありながら現実から逸脱せず、多くの読者の心を掴むのは、
こうした小説の舞台を厳密に設定し、一糸たがうことなく再現してみせようとするその姿勢によるものだと気付かされ、その手腕に頭を垂れるしかなかった。

そして、あの優美な場所に「カバ」を登場させるという大胆な発想に、小川ファンタジーの真髄を見た気がした。
Y小学校につづくあの坂道を、少女を背中に乗せた小さなカバに登らせるなんて、一体誰が思いつくと言うのか。
奇想天外ともいえるその大胆さが彼女の小説に躍動感を与え、読者に迫る印象を残すことに成功していると言えるだろう。
この1冊によって、私の胸に大切にしまわれていた「聖地」が懐かしい場所としてだけではなく、小川の手によって一気に新しい世界の舞台として登場した。
読後、怖ろしい小説家だと驚嘆しきりだった。

回想から現実にフェードアウトしてゆく終わり方もかなり心憎い。
おかげでいつまでも心に残る1冊になってしまったではないか。
私的に思い出すだけでワクワクする最高のファンタジーであることは間違いない。
ぜひ、あの「時」を共有する人々に読んでもらい、この感動を分かち合いたいものである。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.47
(5pt)

時代・地域の空気の描き方が秀逸!

本書の舞台となった街は、私の生まれ育った街であり、
本書の舞台となった時代に、私はちょうどミーナの年の頃だった。
つまり、あの時代のあの場所の空気を全身全霊で知る私にとって、
本書は思いっきりノスタルジィに浸れる素敵な1冊だった。

今は無きあの時代の芦屋の風景を幾度も私の内面に展開させてくれた筆者の見事な筆致に、
終始、読みながら賞賛の拍手を送りつづけたことをまずは述べたい。
そう、あの時代の開森橋から高座の滝へ続く、芦屋川沿いは小説の通りだった。
重い扉を開くとどこからともなくひんやりとした空気が漂った打出の図書館も、小説のままだった。
山の手の洋館の暮らしぶりも相当に上手く描ききれている。
小川洋子が描く小説が、ファンタジーでありながら現実から逸脱せず、多くの読者の心を掴むのは、
こうした小説の舞台を厳密に設定し、一糸たがうことなく再現してみせようとするその姿勢によるものだと気付かされ、その手腕に頭を垂れるしかなかった。

そして、あの優美な場所に「カバ」を登場させるという大胆な発想に、小川ファンタジーの真髄を見た気がした。
Y小学校につづくあの坂道を、少女を背中に乗せた小さなカバに登らせるなんて、一体誰が思いつくと言うのか。
奇想天外ともいえるその大胆さが彼女の小説に躍動感を与え、読者に迫る印象を残すことに成功していると言えるだろう。
この1冊によって、私の胸に大切にしまわれていた「聖地」が懐かしい場所としてだけではなく、小川の手によって一気に新しい世界の舞台として登場した。
読後、怖ろしい小説家だと驚嘆しきりだった。

回想から現実にフェードアウトしてゆく終わり方もかなり心憎い。
おかげでいつまでも心に残る1冊になってしまったではないか。
私的に思い出すだけでワクワクする最高のファンタジーであることは間違いない。
ぜひ、あの「時」を共有する人々に読んでもらい、この感動を分かち合いたいものである。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584
No.46
(5pt)

映画にしたくなるような1冊

「博士の愛した数式」で一気にブレイクした小川さんですが、我が家にはもうかなり前から何冊もありました。
私の最初の頃の小川さんの印象は、なんというか... 
「見ちゃいけないものを平気で見せたりする女の子」。
きっと、この人はムシを分解してみたり、かさぶたをはがして、たら〜っと垂れる血をずっと見ているだろうな。
そんな思いがしていました。

ところが、「博士の愛した数式」では、『この人、もしかして子どもでも産んだ?』と思えるほど柔らかな視点で驚かされました。
本を閉じた時、幸せな満足感いっぱいのため息をついて、いい本見つけちゃった。と思ったものの、あっという間に世の中に知れ渡れ、ちょっと残念な気持ちにすらなりました。

「ミーナの行進」は、「博士」と同様、温かさいっぱいのお話です。
ミーナの細く、柔らかな髪が、ゆるい風に舞う様子まで、目に浮かんでくるような美しい描写。
トモコがあこがれの人と話す時、かけられる言葉への罪悪感を覚えつつも、押さえられない小さなときめきの描写。
図書館の匂い。ドイツ人という、お屋敷のおばあさんの描写....。
なんて、小川さんは表現が上手な人なんでしょう。
このお話もきっと、「映画にしてみたい。映画で、緑や風を表現してみたい。」と思う監督が多くいるだろうけれど、映画化してほしくないなー。
ミーナの行進 Amazon書評・レビュー: ミーナの行進より
4120037215
No.45
(5pt)

映画にしたくなるような1冊

「博士の愛した数式」で一気にブレイクした小川さんですが、我が家にはもうかなり前から何冊もありました。
私の最初の頃の小川さんの印象は、なんというか... 
「見ちゃいけないものを平気で見せたりする女の子」。
きっと、この人はムシを分解してみたり、かさぶたをはがして、たら〜っと垂れる血をずっと見ているだろうな。
そんな思いがしていました。

ところが、「博士の愛した数式」では、『この人、もしかして子どもでも産んだ?』と思えるほど柔らかな視点で驚かされました。
本を閉じた時、幸せな満足感いっぱいのため息をついて、いい本見つけちゃった。と思ったものの、あっという間に世の中に知れ渡れ、ちょっと残念な気持ちにすらなりました。

「ミーナの行進」は、「博士」と同様、温かさいっぱいのお話です。
ミーナの細く、柔らかな髪が、ゆるい風に舞う様子まで、目に浮かんでくるような美しい描写。
トモコがあこがれの人と話す時、かけられる言葉への罪悪感を覚えつつも、押さえられない小さなときめきの描写。
図書館の匂い。ドイツ人という、お屋敷のおばあさんの描写....。
なんて、小川さんは表現が上手な人なんでしょう。
このお話もきっと、「映画にしてみたい。映画で、緑や風を表現してみたい。」と思う監督が多くいるだろうけれど、映画化してほしくないなー。
ミーナの行進 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: ミーナの行進 (中公文庫)より
4122051584