ドリーム・マシン
評判
ドリーム・マシンの評価:
4.33/5点 レビュー 3件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1〜6 1/1ページ
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ドリーム・マシンの評価:
4.33/5点 レビュー 3件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
イギリス人の著者クリストファー・プリーストがこの作品を執筆したのは1977年。ちょうどイギリスは不況や失業の増大、そしてテロや冷戦、環境汚染に悩まされていた時期だった。その精神的・国家的な危機感覚がこの小説を書かせたと言ってもいいのだろう。
未来のウェセックスをめぐる描写は、現在のゲームやSF映画・小説におけるヴァーチャル・リアリティ物そのものである。PCがいてNPCがいて、世界はリアルなくせにどこか嘘くさくもあり、そのうち矛盾や綻びも起きて、次第に背後のなにかが透けて見えてくる。1977年に、もうすでにこれだけの認識があったのだ。ここはさすがにSF作家。
実験ははっきりとした成果を得ないまま、なんとなく停滞期を迎えてしまう。そしてついには、空想世界だったはずの当のウェセックスから、今度は150年前の現実世界、狂乱的で狂騒的だった“現在”に逆に投射実験を行ってしまう人物が現れる。こうして、150年前の現実(だと主人公たちが思っていた)の世界も、実は仮想現実の世界ではなかったのか、登場人物たちは(読者たちも)疑いを持つことになるのだった――。
何箇所かある、“SF的めまい”を感じさせてくれる謀反的・心撃的表現の素晴らしさ。ユーモアのまったくない著者の文章も硬派なSFとして好感は持てるのだが、下の二点
・女主人公と、その過去の同棲相手の愛憎の記述が(小説の構成上必要なのだが)、クドくて嫌になる。
・本作の重要テーマだったはずの『タイム・トラヴェル的愉しさ・興味深さ』が途中から完全になくなってしまい、もう一つのテーマ『人間の無意識と愛についての考察』だけに重心が移ってしまっている。
が残念に思える。