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自由思考
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自由思考の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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3部構成になっており、タイトルは第1部に最もふさわしいと思う。個人的には第2部の、著者の思想に触れる部分を最も興味深く読んだ。暗く、思い悩む人を自認する著者は、一方で世渡りもそれなりに上手であるとも述べており、それら全てをまとめて適度な自己肯定がよかった。 また、社会や政治に対する批判もまっとうなものが多く、同時にこの程度の批判がおおごとのように騒がれる、あるいは逆に黙殺されてしまうような現状に改めてなんとなくの恐ろしさを感じた。弾圧されていないだけマシなのかもしれないけれど。 | ||||
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山口敬之の逮捕状が取り消されたことについて、小説家・中村文則さんのご指摘が鋭い。 《あの事案。何が疑問かというと、山口氏の『総理』という本が、2016年6月9日に刊行されていること。この日付は首をかしげる。》《なぜなら、このとき彼はまだ書類送検中だから。しかもその13日後は、参議院選挙の公示日》 《なぜ山口氏は、書類送検中で、自分が起訴されるかもしれない状態で刊行することができたのか。》《首相を礼賛する本が選挙前に出て、もしその著者が強姦で起訴されたとなれば、目前の選挙に影響が出る。》《山口氏が、絶対に起訴されないと、なぜか前もって確実に知っていたように思えてならない。》 ご参考: 「日本の秘められた恥」 ドキュメンタリーをBBCが放送:2018年06月29日 https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44638987 | ||||
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大変失礼ながら中村文則さんのことは知らなかったが、新聞でこの本と中村さんのインタビューが紹介されていて気になったから読んでみた。 気になった理由は、中村さんが現政権(安倍政権)のことをしっかりと批判していたから。 最近、本でもSNSでも安倍政権を批判しているまっとうな人を見つけると、とても安心するし希望が持てる。 この本は、けっこう長い期間に色んな雑誌等に書いたエッセイを集めたもののようだけど、ここ何年かのものは、はっきり安倍政権とか、日本に広がる排外主義や差別への怒りを表しているものが多い。 安倍さんがあんなに酷いことをやりまくっているのに、世の中は忖度ばかりでちっとも支持率が落ちなくておかしい、と思ってきた。 けれど、中村さんが言うように、格差がどんどん広がると、弱い人ほど逆に、自分を痛めつけている権力者の方に同化しようとする。そういうことなんだと実感するし、本当にはがゆいし絶望しそうになる。 でも中村さんのような考えを持ち、堂々と現政権を批判する人を見ると、本当に心強い。 今の日本はハリーポッターでいうと、ヴォルデモートに支配された暗黒の時代だと思う。 誰もヴォルデモートに逆らえないし、逆らうとハリーの両親のように消されてしまうような。 闇の魔法使いに魂を売り渡した人ばかり、みたいな。 だけどまだ、ヴォルデモートに対抗しようとする人はいるんだ、と勇気をもらった気がする。 現実世界にハリーポッターはいないし、私のような普通の人間が頑張ってもハリーにはなれない。 しかし、いろんな人の中に少しずつある力を持ち寄れば、ヴォルデモートに対抗できるのではないか。 ハリーではなくても、ネビルかもしれないし。 そんな希望を感じさせてくれた中村さんに感謝したい。 他の著作も読んでみたいと思う。 | ||||
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中学生の作文程度。それも、並み以下。半端ではなく、買って損をしたという恨みが湧いた。現代作家では名も売れているし、新聞に紹介してあったから購入してみた。本屋でページを開いたら、数行も読まずに、投げ捨てていただろう。正直、小説も好きではないし、この作家の本は、二度と手にしないかもしれない。 追記。――― 申し訳ないが、私は、何の期待にも応えてくれない作品など、全編を読み通すほど、暇でもないし、お人よしでもない。この手の文芸書ならば、普段は、500円を目安に、古本をあさっている。1400円(税抜き)も払って新品を求めている。著者が目にするならば、わざわざ買って、少しでも読んで、その上で嫌いになる作家もいることを肝に銘じて欲しい。この頃は、出版社も、執筆者も、何かおかしい。ウィキペディアからバクッた本が60万部のベストセラーになるかと思えば、出版社がそれを批判した作家をこき下ろす。一方では、相も変わらず仲間内で文学賞のキャッチボール。そして、そういうものに限って売れない。文章を売ろうと思うならば、最初の一行から最後の一行まで、読者を惹き付けるべく磨きを掛けるはずではないか。ところが、この本は、全く間反対の文章の羅列。中学生の作文という表現は、おおげさでも何でもない。読者の方々には、まず自分で読んで確かめることをお勧めする。 | ||||
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Amazonでは品切れだったので書店で買いました。 もともと中村さんのファンだったのと、このエッセイ集のための書き下ろし『作家志望の方々へ』が読みたくて手にしました。 その『作家志望〜』は読みながら「えっ、最終選考でそういうのが残るの?」と驚いたのですが、もしかしたら中村さんは若手の時、最終選考ではなく新潮新人賞の下読みとかもしてたのかもしれませんね。 あと、とても個人的なことなのですが、中村さんの好きな作家(ドストエフスキー、カミュ、安部公房、三島由紀夫など)と、好きなミュージシャン(マイケル・シェンカー)が自分とかぶっていて嬉しかったです。 (高校の時にクラスの女子にMSGの1stアルバム『神~帰ってきたフライング・アロー〜』を貸したというのは笑いました。でもそういうことやっちゃうの、すごく分かる) ただ、中村さんの文章を読んでいると、なんとなくライトノベルなどにはあまり好意的ではないようで、 (ワンピースやドラゴンボール、ドラクエは大ファンのようですが) 自分は昔から純文学が好きなのと同じように、アニメやライトノベルの描く「こうだったら人生楽しいのにな」という空想の世界にも助けられてきたので、 そういうものに支えられて生きている人がいることも知って頂けたらな、と少し思いました。 それと、中村さんはロリコンを異常心理/社会的な病理と言っていますが、ミシェル・フーコーやアリエス、またはマーガレット・ミードのサモア島の研究の示すように、 「大人・子供」の基準は文化や時代によって全く違いますし、日本ではそもそも15歳前後で成人(元服)だったので、そこは「ちょっと現代アメリカ的な基準によりすぎなんじゃ・・・」と少し気になりました。 部分的に少し反発的なレビューになってしまいましたが、けど、もしこれが中村さんのエッセイ集でなかったらそこに何が書かれていても「あっそう」とスルーしていたと思います。 中村さんの本だから、自分は真剣に受け止めました。 それは私が初期の中村作品、それから『掏摸』や『悪と仮面のルール』『その先の道に消える』などに生きる上で支えられているからだと思います。 他のエッセイでは、特に〈海外エロ動画〉がめっちゃおもしろい。 「オーマイガッ!」のくだりは爆笑しました。アメリカのAVってほんとにそうなの? あと、海外のブックフェスティバルにも興味が湧きました。日本もこういうイベント(本版のサマーソニックのようなもの)で、本というカルチャーをもっと盛り上げられないのかなと思いました。 まとめると、この『自由思考』は、中村文則ファンはもちろん、世界的に有名な純文学作家がどのようなことを考えて作品を創り上げているのかに興味のある方にもオススメです。 あと、中村さんはいま『逃亡者』という小説を新聞で連載中のようなので、単行本になったらそれも買います。今から楽しみですね。 ( •̀ •́ゞ)ビ(←すみません、変な顔文字が消えなかったのでそのままです) | ||||
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良いのも普通なのもイマイチなのも、色々な意見があり楽しめました。 9条護憲派で左翼中道とちゃんと書いてるのも良いと思います。 賛否はそれぞれが考えればいいことで。 このレビューだってノーギャラですが、好き勝手に書いてますから似たようなもんです。 コメントや反論書いてくるバカもいますが、自分の主観で書いてるんだから、 どうのこうの言う方がおかしいし、僕の文章が心に突き刺さったから書いてくるわけで、 その時点で負けていることに気付かないのだから笑うしかない。 中村さんの小説は一編も読んでませんが、このエッセー集は読むに値しました。 でも、彼の小説を読もうとまでは思いませんでした。 | ||||
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暇なときにちょっと手に取って読むのに最適。 | ||||
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待ちに待ったエッセイ集出版、おめでとうございます! とても長い年月をかけて、やっと出版にこぎつけたんですよね? 私がこのエッセイ集の話題を耳にしたのは、R帝国のサイン会でのこと。あれから二年は経ちました。 小説とは違う、物語ではない、中村文則さんの「声」。 この声は、小説とはまた違う形で、私の「救い」となりました。 同じ感覚や感性を持って生きている作家さんがここにいる。 同じ時代の不穏な空気に恐怖を感じ、違和感を持っていることを恐れなくてもいい。 そういう支えとして、私にとってこの「自由思考」は生きる力になる。 ほぼ同じ年代だから、ほぼ同じ事件や現象に心を動かされている。 私はそのことに怯えていていたけれど、時に「声」を発する行為を怖がらなくていいんだと教えてくれた。 中村さんのエッセイは、くだらない(でも笑える)エピソードも含め、こういう感覚をもって生きていることに怯えなくていいと励ましてくれた。 ありがとう、中村さん。 これからも、エッセイも含め、小説、そして執筆活動、ずっとずっと続けていてください。 そうすれば、これからも私、生きていけます(^^) | ||||
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評者は、毎日新聞の読者であるが、欠かさず読んでいるのが松尾貴史さんの「松尾貴史のちょっと違和感」、与良正男さんのコラム「与良政談」、そして本書の著者中村文則さんの「中村文則の書斎のつぶやき」です。 評者は、中村文則さんが書いている「書斎のつぶやき」を、毎回大いに共感を覚えながら読んでいます。 中村文則さんの小説は、毎日新聞に連載した『あなたが消えた夜に』だけです。 新聞の連載小説を読むのが苦手な評者は、『あなたが消えた夜に』も最期まで読んでいません。(ごめんなさい!『掏摸』を、読んでみようと先ほどアマゾンへ注文しました。) 本書を入手したのは、「書斎のつぶやき」を読んでいたから中村文則さんのエッセイに興味を持ったからです。 本書の前半には中村文則さんの子供時代から福島の大学までのエピソードなどが収録されています。 収録という言葉を用いたのは、このエッセイが雑誌や新聞などに掲載されたもので構成されているからです。 二章に入って読み進むと、かって毎日新聞で読んだ「書斎のつぶやき」に出会いました。 再読することになったのですが、くしくも参議院選挙を終えた今日(2019年7月22日)「カラクリと議席の虚像」(2017年11月4日毎日新聞掲載)を、読み「デジャブ」を覚えてしまったのです。 2019年7月6日の毎日新聞載に、中村文則さんの「国が壊れている状況」のことを、つい思い出してしまいました。 その内容を下の・・・・・内に少し引用します。 ・・・・・ 自国の政府のやることに、何でも賛成することは可能だろうか。たとえばこなふうに。 「君たちの老後の年金、大丈夫だよ」 「信じます」 「金融庁の金融審議会がね、何だか足りないって言っているけど、あの報告書、受け取らなかったんで」 「そうしてください」 「つまり、受け取らないってことは、改善しないってことになるんだけど、いいの?」 「はい」 「まじで?へえ・・・・・・まあこちらはありがたいけれどね。ちなみに、消費税上げるよ?」 「あげてください」 <中略> 株価だって、日銀が買い支えて日本の財政を根本的に破滅させる危険を冒してるし、さらに年金までぶち込んで上げているんだけど」 「真実など聞きたくありません」 「ずつと許されてきたからさ、こっちももう君たちを完全にナメてるから、多分またやるよ?もっとひどいこと」 「いいです」 「なんで?」 「なんでだろう」 僕には無理だ。ここまで国が壊れている状況は、この年まで経験がない。 ・・・・・ 評者は、十九世紀イギリスの思想家の名言「この国民にして、この政府あり」を、甘受しなければならないのだろうか、と悩ましく思いながら切り抜いてあつた中村文則さんの「国が壊れている状況」というコラムを再び読んでしまったのです。 評者は、中村文則さんのコラムのなかで、これはと思うものを切り抜いて保存しています。 知人に読ませたいと思うコラムなどは、スキャンしてメールに添付して送信していることもあります。 評者のここまで書いたレビューを読むと、本書がお堅いことばかりで埋められているように誤解されそうです。 が、三章では、二章とは趣の異なる「歯医者が嫌い」(P217)ほか可笑しいエピソードなども読ませてくれます。 硬軟交えた中村文則さんのエッセイ集『自由思考』を、興味津々、そして楽しく読み終えました。 <追記> 7月23日毎日新聞朝刊に、安倍首相は、参院選後「審判は下った」との暴言を吐き「憲法論議加速」に意欲満々です。 本書で中村文則さんも憲法第九条は、世界に誇れる憲法なのだから絶対守りたいと述べています。 選挙区絶対得票率18.9%、議席占有率51.4%を獲得(東京新聞調べ)し、有権者総数の2割弱で民意を得たと言う強引さには、ただただ呆れるばかりです。 | ||||
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