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(短編集)
由利・三津木探偵小説集成1 真珠郎
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由利・三津木探偵小説集成1 真珠郎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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横溝正史といえば、金田一耕助の生みの親として有名だが、戦前には、由利麟太郎と三津木俊助というコンビ探偵を生み出していた。 このシリーズは、その由利・三津木の登場する作品をまとめたものである。 ほとんどが、角川文庫に収録された作品だが、バラバラに収録されており、こうやってまとめられたのは、うれしい限りである。 この本に収録されている「真珠郎」は、過去、三度ドラマ化されているが、いずれも、金田一物に変更されていた。 横溝正史シリーズ版の「真珠郎」を見たあとに読むと物足りない気がするが、横溝正史の代表作には間違いないので、是非お読みいただきたい。 この巻で個人的におすすめなのは、「白蝋変化」である。 冒頭、月代という女性が、無実の罪で死刑囚となった恋人を脱獄させようと、トンネルを掘るわけだが、誤って謎の犯罪者「白蝋三郎」を脱獄させてしまうところから、物語は始まる。 この白蝋三郎の暗躍と冤罪事件の真相解明を二本立てにして、物語は進んで行く。 メイントリックは、返金保証のついた某ミステリー作品をひねったもの。 というか、発表年を調べたら、こっちのほうが先だった。 金田一物ばかりじゃなく、この作品もドラマ化してくれないかな。 「石膏美人」の殺人動機は、乱歩の「魔術師」のトリックをひねったもの。犯人はかなりわかりやすい。 以上の三中編と次の三短編が収録されている。 「獣人」は、「ジキル博士とハイド氏」がベースになっている。 「蜘蛛と百合」は、三津木が、女の色香に血迷うお話し。これを由利が立ち直らせる。 一応ひねりはある。「陰獣」っぽい設定。 短編で気にいったのは、「猫と蝋人形」。 三津木の妹が住む洋館のそばの川に蝋人形が流れ着く。 その蝋人形の胸には、短刀が突き立てられており、胸にあった刺青は、妹の夫と同じものだった。 果たして、これは殺人予告なのか。 最終部分は、「迷路荘の惨劇」を思い出させる。 金田一シリーズほどの本格味はないが、 古谷金田一版二時間ドラマを好きな人には、 ぴったりのシリーズかもしれない。 | ||||
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